【上段】 かしまさま 「くに〴〵の地しんどもの見せしめに まづ江戸のぢしんめを  てひどくうち    のめししよにんの  あだをてきめんに    とるがよか        ろう 神 「ハイ〳〵かしこまり ましたこのあたまに さしたるかなめ石を さん〴〵にうちこみ   そのうへでせびらきに  してなまづの大かばやきを  こしらへしよにんへ    ほどこし       ませう 江戸 「アヽいたや〳〵    このうへの おねがいには  いのちばかりを おたすけくだされ  そのかはそのかはりには いまよりして  なまづの  けんくわや   じやりの うへゝでます   ことは  いたしません くわん八しう 「わたくしは  どのくにゝも    あしをとめませぬ   くわんとうすぢをのたくり      あるきましたが        これからはきつと           つゝしみます 【下段】 しんしう 「わたくしのつみをゆるして           くださるならば信しうも         かまどもなつちも                 いらねへ 小田はら 「どうぞとがのせんぎは          をだはらになればいゝが ゑちご 「わたくしはゑつちりゑちごの      ぢしんゆへかくべゑのやうに           さかさになつておわびを                  まうします 甲しう 「わたくしはかうしうの   うまれゆへ ぶどうのやうな  ひやあせを ながしておそれ     いります 大さか 「大阪をゆり   いだしてならの  はたごや    みわのちや屋  まですこしは いたませましたること    いつわり       なく    まうしあげ       ます 【挿絵上段】 江戸のぢしん 【挿絵下段右から】 信州のぢしん 小田原のぢしん ゑちごのぢしん 甲しうの地しん 大阪のぢしん くわんとうのぢしん