【右頁】 紀國屋文左衞門 「吉田御殿」「静御前」の名匠 野淵 昶《割書:脚本|演出》 野淵監督と初コンビ 市川右太衞門 主演 浅香新八郎 森静子 梅村蓉子 雲井八重子 松竹大船 飯田蝶子 新築地 薄田研二 浦邊粂子 特別出演 牡丹くづるる時 と同時 新興東京 新興キネマ創立七週年記念映画 新興京都撮影所総動員豪華版 金と恋に敗れた男が、一念発起男 一匹を抜け出して一世一代の大仕 事!「あれは紀之国みかん船」と 唄にまで謳はれて天晴れ男を売出 すまで、商傑文左衛門の豪快多彩 の人間性を描いて余す所なし! 【左頁】 『母の魂』 監督・田中重雄 脚本・陶山密 撮影・二宮義暁 山路ふみ子 真山くみ子 浦邊粂子 高野由美 平井岐代子 歌川八重子 江川なほみ 美鳩まり 淡島みどり 久慈行子 田中筆子 志賀暁子 古川登美 白樺小夜子 夏目初子 春日芳子 河津清三郎 立松晃 岩田祐吉 菅井一郎 大川修一 加藤精一 小宮一晃 大内弘 清水将夫 三桝豊 若田馨 大井正夫 浅田健二 井上清 新田實 田中春男 日下部章 植村謙二郎 上田實 黒田達夫 【右ページ 上段】 今週の映画 九月十六日より 九月十九日まで 黒髪夜叉   脚 本   柳 川 眞 一   演 出   岩 田 英 二   撮 影   鵜 飼 晋 一   京   都   作   品     ×配 役× お   秋   久 松 三津枝 久   八   中 村 政太郎 源   七   堀  正  夫 清 兵 衛   中 村 吉 松 半   次   小 川 時 次 越後屋番頭   廣 田   昴 彌   十   坪 井   哲 手代 長七   石 原 須磨男 惣   吉   中 村 正太郎 お   勘   岡 田 和 子 興   吉   島   義夫     梗概・・人生の裏街道を歩む女賊     お秋は乾分の源七と半次を連れて 一と仕事終つた帰り途目明かしに追れて切 端詰つて飛び込んだ大川で貧しいその日暮 しの漁師彌十に救ひ上げられ、その儘その 家に厄介になつてゐた。三日、四日、十日 と日が経つにつれて、ます〳〵お秋を信用 する様になつた彌十は、自分の総領息子惣 吉の嫁に望む位であつた。がお秋にとつて は何にも知らぬ彌十がます〳〵親身も及ば ぬ世話をして呉れるのはどんなに嬉れしい かしれ無いけれど信用してくれれば呉れる 程辛い思ひであつた。或日彌十の心盡しの 反物に疵がついて居た事からそれを取り換 へに行つた帰り途、會つた仲間の源七。半 次から仲間へ戻れと言はれるが彌十の眞心 に強く打たれてゐるお秋は仲間から足を洗 ふ積りだとキツパリと断つた。その時惣吉 が賭場らしい所からションボリ出て来るの を見たお秋はフツと一抹の不安に襲はれた 案の定、惣吉は清兵衛と言ふその道の達者 に店の金五十両をまき上げられたのであつ た。切羽詰つて死を決してゐる惣吉をお秋 は優しく慰めると、一度は足を洗はうとし たお秋だつたが天王様のお祭りの雑踏の中 で清兵衛の持つてゐる五十両を掏つて終つ た。 【右ページ 中段】 愛より愛へ    脚  本    大庭秀雄    撮  影    生方敏夫    監  督    島津保次郎    音  楽    早乙女 光     ×配  役× 谷 川 茂 夫    佐野周二 美  耶  子    高杉早苗 茂 夫 の 父    水島亮太郎 茂 夫 の 母    葛城文子 茂夫の妹 俊子    高峯三枝子 茂夫の 伯 父    坂本 武 影   山 氏    河村黎吉 梗概・・愛人美耶子との結婚を両親に反対 された無名作家谷川茂夫は生活難を覚悟の 上で家を出て、彼女と或るアパートに暮し てゐた。 毎日彼は売れない原稿を書き美耶子は以前 通り酒塲の女給をして生活を續けてゐた。 美耶子は茂夫の家の事を考へると悲しかつ たが幸福であつた。 茂夫は親類中で一番物わかりのいゝ伯父の 許へ就職の依頼に出かけたが、逆に女と別 れて家へ帰つてはと口説かれた。更に某新 聞社の影山氏に面会したが、そこにも就職 と引かへに美耶子と別れさせ様とする伯父 の芝居が仕組まれてあつたので彼は就職を 蹴つた。茂夫の家は両親はじめ妹の俊子も 毎日彼の事を心配してゐた。或日偶然兄に 合つた。 俊子は美耶子に対する兄の心境を知り彼に 従つてアパートに美耶子を訪れた。 俊子はそこでおとなしい美耶子を発見して すつかり好意を持ちお姉様と呼ぶのであつ た。俊子は兄の様子を母に話しそれとなく 二人の結婚を許す様に頑固な父に運動する のであつた俊子は映画に誘つたり茂夫には 内證でお小遣を手渡したりして今暫く辛棒 してと美耶子を慰めるのであつた生活苦か ら来るわびしさが時々茂夫を不機嫌にする けれども彼も又ひたすらに自分を信じてゐ る美耶子を見ると可愛さうになり再び就職 のために伯父を訪れるのであつた。 【右ページ 下段】 ●近日封切● 【ここから横書き】 矢田津世子女子原作神楽坂の中の秋扇より   大船純文芸映画  澁谷實監督 母 と 子 田中絹代主演 佐分利信 吉川滿子共演 齋藤達雄・水戸光子・河村黎吉 德大寺伸・松井潤子 助演 【ここから縦書き】 日蔭の女を母に持つ娘がそ の母を庇ふいじらしい乙女 心を描いて余す所なし 【左矢印の中】 次週公開 【ここから縦書き】 紀國屋文左衞門 牡丹くづるゝ時 廿日より 新興超特作週間 【左ページ 右】 《題:牡丹くづるゝ時》 雑誌「富士」連載中 原作・小島政二郎   新入社 演出・沼波巧雄 こゝにはあらゆる女性の苦悩と歓喜と そして絶えざる闘争がある! 【左ページ 左上】  期待される名配役 細井 涼子………淡島みどり 竹村 收一………井上  淸 北川 夏子………橋瓜 文子 小栗 梅子………平井岐代子 幸   子………暁 よし子 島村 大作………淺田 健三 竹村 重蔵………大井 正夫 同  邦子………歌川八重子 秦野 重三………菅井 一郎 同 信太郎………田中 春男 小   栗………大内  弘 三 千 子………杉山 美子 お ふ さ………大崎 愛子 【左ページ 左下】 哀れ 薄倖の涼子が辿る荊棘の道は?