百人一首絵抄 卅一 此心はしがのやまごえにてよめるなり 山川の木のはをひまなくふきかけたる が水のしがらみとなりながれおふせぬ てい也かぜのかけたるしがらみは何もの ぞと見ればながれもおふせぬもみぢ にてありけり我ととひわれとこたへ たる歌のさま也しがらみいふものは 人手して川にかくるものなり しかるを風のかけたるといふ ことばめづらしくとの事なり 春道列樹 山河に かぜの かけたる しがらみは ながれも あへぬ もみち成り けり