をさな子か うしにひかれて かろ〳〵と【軽々とヵ】 あそひを するを 見るそ たのしき   春■【雄ヵ】 牛痘法は古今無比の良 法にしていまは偏境僻地 まてもひろまり流行痘の 大厄をまぬかれ非命の死 を遁るゝ孫【孩】児いく■【億】萬とも はかるへからすまことに仁 術といふへし然るに今も なほふかくうたかひて信用 せぬ人すくなからすかゝる仁術 ありなから年々痘瘡のはやる ことか【ことに】孫【孩】児をおほくそこなふ事 実になけかはしき事なり■【若】世上 一般これを信用するにいたらは痘瘡 に死するものは一人もなき事となりぬ へしこれ吾輩の企望するところなり                  濵町永久橋                  本夛内西村【朱印】