かこいもの 我は旦那さまがつぶされまして このせつはあいてか御さりませんが  どうか横丁の大工さんか目をかけて   下され升からとうかあの人を旦なに   いたしとう       ごさいます      左官 さてわたくしことあなたの御かげで土蔵かべともに仕ごとか 御ざりましてこのような事わこざりませんゆへ来年は 御本社への参けいいたしますがなまづさまえもよろしく  御ねがひ申ます又土蔵一ツとどうかとそんしますが      これもよろしく         ねがひ上ます      子供 わたしやおかゝさんか死ましてから  とうそ御とつさんかかわゆかつて   四文八文くれるように     御願申      まする      金持 さて我はこのたびの大そうどうて真事に   しかしこの上      こまり升    何事もないように御ねがひ               申上ます    屋ねや わたくし共はあなたおかけを 持まして金もうけかでき升からこのうへ 百万両の大じんになされて下さい升よう          御ねかひ申上まする 【鯰の顔の右側】      とふど御上共に かわらや みんなかわら         やねに致す      ように御ねかひ          申ます    大工 わたくしは仕事も沢さんごさり升か    真事に材木か高い【イ】ゆへこまり升     とうか御りやくを持まして       大仕事を御さづけ下さり升                ように        御ねかひ申あげ             ます とびのもの このはるよりもせわしう ごさりま升【ママ】がこのせつは別だん の事ゆへ金はたんと■【有ヵ】升から    御上も御ねかひ申          あけます      安女郎   我はあなた御かけて命はたすかりましたか とうそいゝ御客の男のいゝ金のたんと有人に       御さすけ□【な或は下ヵ】           さり升