【コマ3の右頁】 生れては見たけれども 浪漫派の巨頭・小津安二郎監督本格心境作品 ジエームス・槇・・原作 池田忠雄・・脚色 茂原莊雄・・撮影 ◇◇主演◇◇し茂原秀雄・突貫小僧・齊藤達雄 巨星小津安二郎が名篇『東京の合唱』に次ぐ代表的傑作映畵 「生れては見たけれど」は純なる神の如き少年達の世界に如何に社會機 構の缺陷は大きな渦紋を投じてゆくか・・・ ◇堂々近日大公開◇ 情艶しめやかに色模様・新綠を飾る豪華篇! 華やかな祭の夜・屋形船にゆらぐ提灯のほかげ・・そして情痴と矯艶 のしめやかさは江戸の情緒美代吉の戀模様と縮屋新助の面影とをうつ してかなでらる下加茂春の情緒時代劇・・・ 松竹キネマ京都下加茂特作一九三二年春季代表作品 原作、脚本、監督・・・・・犬塚稔 キヤメラ・・・・・・・・・片岡淸 ”祭唄美代吉殺し” 主題歌吹込・・・ポリドール松竹レコード 美男 林長二郎久々振りの淸艶時代劇 名花 八雲惠美子特別應援出演 新人 小林重四郎入社第一回出演・志賀靖郎    ・共演・ 井上久榮・北原露子・中村吉松・小泉嘉輔・澤井三郎 近日堂々封切さるべき松竹名畵陣 ・・・蒲田制作現代映畵・・・・・ 蒲田 下加茂大合同 勅諭奉戴下賜記念 ”陸軍大行進” 菊池寛氏・・・・原作 蒲田オールスターキヤスト ”蝕める春” 菊池幽芳氏・・・原作 岡田嘉子・・・・主演 ”乳姉妹” 五所平之助・・・監督 田中絹代・・・・主演 ”兄さんの馬鹿” 蒲田オールサウンド版 城多二郎・・・・主演 ”海の王者” ・・・下加茂右太プロ映畵・・・ 大佛次郎・・・・原作 市川右大衛門・・主演 ”愿藏火事” 松竹時代劇トーキー 阪東好太郎・・・主演 ”生残つた新撰組” 水門王吉・・・・原作 林長二郎・・・・主演 ”江戸このみ兩國双紙 秋山耕作・・・・監督 尾上榮五郎・・・主演 ”猛襲髙田の馬場” 金子洋文氏・・・原作 髙田浩吉・・・・主演 ”足輕は強いぞ” 發行所 朝鮮京城櫻井町 大正舘 福崎濱之助 編輯兼發行人 中水友之助 【コマ3の左頁】 愈々次週封切決定 ・・・松竹キネマ蒲田トーキー第三回作品・・・土橋式松竹オールトーキー ”上陸第一歩”美姫・水谷八重子特別出演 大正舘週報 【右頁】 生れては見たけれども 浪漫派の巨頭・小津安二郎監督本格心境作品 ジエームス・槇・・原作 池田忠雄・・脚色 茂原莊雄・・撮影 ◇◇主演◇◇し茂原秀雄・突貫小僧・齊藤達雄 巨星小津安二郎が名篇『東京の合唱』に次ぐ代表的傑作映畵 「生れては見たけれど」は純なる神の如き少年達の世界に如何に社會機 構の缺陷は大きな渦紋を投じてゆくか・・・ ◇堂々近日大公開◇ 情艶しめやかに色模様・新綠を飾る豪華篇! 華やかな祭の夜・屋形船にゆらぐ提灯のほかげ・・そして情痴と矯艶 のしめやかさは江戸の情緒美代吉の戀模様と縮屋新助の面影とをうつ してかなでらる下加茂春の情緒時代劇・・・ 松竹キネマ京都下加茂特作一九三二年春季代表作品 原作、脚本、監督・・・・・犬塚稔 キヤメラ・・・・・・・・・片岡淸 ”祭唄美代吉殺し” 主題歌吹込・・・ポリドール松竹レコード 美男 林長二郎久々振りの淸艶時代劇 名花 八雲惠美子特別應援出演 新人 小林重四郎入社第一回出演・志賀靖郎    ・共演・ 井上久榮・北原露子・中村吉松・小泉嘉輔・澤井三郎 近日堂々封切さるべき松竹名畵陣 ・・・蒲田制作現代映畵・・・・・ 蒲田 下加茂大合同 勅諭奉戴下賜記念 ”陸軍大行進” 菊池寛氏・・・・原作 蒲田オールスターキヤスト ”蝕める春” 菊池幽芳氏・・・原作 岡田嘉子・・・・主演 ”乳姉妹” 五所平之助・・・監督 田中絹代・・・・主演 ”兄さんの馬鹿” 蒲田オールサウンド版 城多二郎・・・・主演 ”海の王者” ・・・下加茂右太プロ映畵・・・ 大佛次郎・・・・原作 市川右大衛門・・主演 ”愿藏火事” 松竹時代劇トーキー 阪東好太郎・・・主演 ”生残つた新撰組” 水門王吉・・・・原作 林長二郎・・・・主演 ”江戸このみ兩國双紙 秋山耕作・・・・監督 尾上榮五郎・・・主演 ”猛襲髙田の馬場” 金子洋文氏・・・原作 髙田浩吉・・・・主演 ”足輕は強いぞ” 發行所 朝鮮京城櫻井町 大正舘 福崎濱之助 編輯兼發行人 中水友之助 【左頁】 愈々次週封切決定 ・・・松竹キネマ蒲田トーキー第三回作品・・・土橋式松竹オールトーキー ”上陸第一歩”美姫・水谷八重子特別出演 大正舘週報 ・・・今週のプログラム・・・ 人ヒトワナ罠 松竹キネマ蒲田超特作現代映畵 「サンデー毎日」當選映畵シナリオ 岡田嘉子入社第一回主演映畵 ◇◇製作プレイヤ◇◇ 原作・・・・・・・山口康生 脚色・・・・・・・池田忠雄 キヤメラ・・・・・長井信一 ◇◇出演プレイヤ」◇◇ 赤木謙吉・・・・・齊藤達雄 妻眞帆子・・・・・岡田嘉子 淺野敏子・・・・・筑波雪子 福田専務・・・・・岡田宗太郎 藤村・・・・・・・勝俊二 民子・・・・・・・龍田静枝 混血兒ジミー・・・鹿島俊策 赤木の同僚(A)・・小林十九二 〃    (B)・・宮島健一 〃    (C)・・大山健二 眞砂子の友達・・・吉川滿子 〃     ・・・伊達里子 ・・アウトライン・・ 解説×劇壇映畵界を通じ名女優として著名な岡田嘉子が蒲田へ入社 して主演した第一回作品である。久方振りで彼女の名技に接するこ とが出來るわけで、相手役は「相思樹」で活躍したスター齊藤達雄が 當つた。尚主題歌はポリドール松竹レコードに吹込まれてある。 [◇-◇-◇-◇] 口梗槪▲近代生活風景に極彩色の輝きも激しいマンモス、デパート。 赤木謙吉はその賣場監督を勤めて居た。  ある夕方ひけ時の出來事。謙吉は店員淺野敏子が盗みを働いたの を發見し彼女を懇々と戒めるうち、敏子がコケテツシユな態度を示 したので彼は激怒して去った。傍にゐた専務の福田は敏子の美貌に 惹かれ、弱點に付け込み彼女を汚した。  謙吉の家庭は美しい妻眞帆子と樂しく暮してゐたが、華美慾の強 い眞帆子は不良マダム民子に誘惑されて、夫の止めるのも聞かず或 る會社の社長秘書になつて働いた。日が經つにつれモダンになる眞 帆子は、福田を紹介された。福田は毒牙を磨き民子や藤村を使つて 眞帆子を連れ出さんとする。謙吉は妻が毎夜の如く遅く歸るのが不 愉快だつたが貧しい彼は妻の虚榮を滿し得ず、憂鬱だつた。同僚に 誘はるゝまゝにバアーに云った謙吉は變つた姿になつた敏子より妻 の行狀を聞かされた。ピクニツクに事よせ誘ひ出された眞帆子は福 田の奸計に陷ちホテルの一室で身の危險に曝らされる時、運よく隣 の部屋に來合せた敏子とジミーに救はれた。妻の居ない日曜をぼん やりしてゐる謙吉のところへ威勢よく這入つて來たのは、總てを悔 ひた眞帆子を供つた敏子だつた。・・・ 的場の半次郎 松竹キネマ提供・右太衛門プロ特作映畵 雜誌「朝日」誌上連載小説映畵化 原作・・・・・子母澤寛 脚色・・・・・不二魔人 監督・・・・・白井戰太郎 キヤメラ・・・松井鴻 ◇◇主要配役◇◇ 的場半次郎・・・・・市川右大衛門 その娘おつる・・・・摩耶みるえ 妻お菊・・・・・・・都さくら 駄菓子屋お津根・・・大江美替子 夜烏の五兵衛・・・・高堂國典 舞木村の嘉十・・・・伊田兼義 佃美岬巖鐵・・・・・旗平人郎 鍵屋の三太・・・・・松田菊造 西條安太郎・・・・・天野刄一 海塚の新・・・・・・三木巖 春日井の幸藏・・・・市川蔦二郎 永樂寺の熊・・・・・梅川布袋 小野の芳松・・・・・賴憲郎 河原の吉松・・・・・市川右門 的場家の乳母・・・・尾崎静子 -・・・その物語・・・-  大御番組百二十石的場半次郎は親友北條爲十郎に愛妻お菊を奪はれ娘おつるを抱いて 復讐の旅を續くること四年。上州永樂村夜烏五兵衛の世話で寺子屋を營む傍夜烏一家の 用心棒となつてゐた。其頃隣村小久井に流れ込んだ腕達者な武家やくざ西條安五郎の暴 虐を見かねた五兵衛は之を仆さんと計つたが腕を怖れて誰も應じないので半次郎自ら進 んで役を買つて出た。娘を駄菓子屋の女房お津根に預け三太と共に西條安の宅になだれ 込んだ。意外にも西條は求むる仇北條爲十郎であつた。一刀の下に斬って棄て、返す刀 でお菊を斬つたが、臨終のお菊は嫁入り前から北條に心許してゐたとの告白に半次郎に 新な憂悶が始り吾子おつるに疑惑さへ抱き、お津根に委せたまゝ幾月かすぎた或夜、西 條安の仇だと舞木村の嘉十等が數十名駄菓子屋へ斬り込んた。本心に返つた半次郎は雪 の中を傷つける體でおつるを慕つて駄菓子屋へ--相抱いた半次郎おつるの父子の屍に 雪がつ冷くふりそゝぐ、-- ◇◇待望の巨篇堂々次週特別公開◇◇ 上陸第一歩 松竹キネマ蒲田トーキー第三回作品 土橋式松竹フオーン本格的特作 原作脚色・・・・・・・・・北村小松 監督・・・・・・・・・・・島津保次郎 キキメラ・・第一キヤメラ・水谷至宏 〃・・・・・第二キヤメラ・桑原昂 音響記録・・・・・・・・・土橋晴夫 〃・・・・・・・・・・・・土橋武夫 音樂監督・・・・・・・・・高階哲夫 ・・・明朗美聲の美姫 水谷八重子・・・・・・主演 昭和映畵界の大壯擧邦畵トーキーを代表して世界に 『日本にこの名トーキーあり』と萬丈の氣を吐いた先 驅!松竹キネマは、第一回(マダムと女房)・第二回 (若き日の感激)の發表でトーキー界を完全にノツク アウトし、大衆諸賢の讃辭激賞を恣にして『トーキ ーは松竹キネマ』と折紙付けられた名トーキー第三 回發表『上陸第一歩』。愈々次週に迫る!