持○職人長者 〽イヤハヤ人目にそれとはわからねど はんとう役、【注】いやなものだ しじん【注】此かたあさから夜 まで立めしくつて土方 のまねをしてたれか主人 の金銭も目口をふさいで 引出してみんな諸方へふりて かけてそろばん玉のはづれ でもあらんかとうたがひ ねかふはわたしの役徳 馬喰町へんの立のきへ でもいきたいものじやナア 〽御となりてはいかゝて ござるイヤハヤまたとまり ませんイヤモウみとめがつか ぬにはこまり升わいナア ヲヤ〳〵コリヤ又 ありがてヱ 百せんのよふだ ヲヤいたそうだ〳〵 〽ヲヤ〳〵 ヱヽコヲ 〽きけやじしんの時キア よくもとくもいら なかつたが仕事を しまやア酒はたらふく おまけにさげせんだ じしん様だろありがた かあねへか ムヽ 〽ナニうれしく なくつて とうするものか コチヤナア 内へけへりやア 又のむのだスチヤラ〳〵 ホク〳〵コリヤ〳〵 【注 「、」は「は(八)」の断片ヵ】 【注 「しじん」は「じしん(地震)」の誤ヵ】