奥奉公(おくほうこう)出世(しゆつせ)双六(すごろく)           江戸人形町通り楽屋新道角                   上州屋重蔵板 【最下段・右のコマから】 御めみえ   二おなかゐ 四おちゝ 六おはした 〽しほくみの御手  みせはモウおきゝ  あきなされたから  水くみがきゝ  たいとおほせ  られるマア  とんだ  おひめ  さまの  御このみだ 針妙(しんめう)   一おどり 三おいとま 六おぐしあげ 〽モウだんなさまが  おさがりだらう  ドレしごとをやめて, おちやを  わかさうか 万亭応賀作 ふりはじめ 一 おめみえ 二 おやとひ 三 お礼上り 四 おはした 五 しんめう 六 おすゑ 国貞改《割書:ニ|代》豊国画 御はした   三おすゑ 四おなかゐ 六おやとひ 〽此はるのやうにおきやく  さまがあつては  ろく〳〵御ぜんも  あがることは  できません  そのかはりには  いまにおやく  がへが  ごさり  ませう 御暇(をいとま)   一おめみえ 二しんめう 六おちゝ 〽はゝさんの  まへゝはどの   やうにも  いはふが  とゝさんに  きこへては  どの  やうな  めに  あは  されやうか  しれぬゆへ   これからおばさんの所へいつて          たのみませう 【下から二段目】 踊(をどり)   三お小しやう 四おめしつかひ 六おめみへ 〽マアこれで  ばんの  道具だても  そろつた  エヽト  そこで  ヲヽそれ〳〵  おつぼねさんの  ちやばんを  かんがへなけりや    ならなんだつけ 御代参(おだいさん)   一おつぎ 四ごふくの間 六《割書:ちごくが|すきで》おいとま 〽モウここはいいから  ともにゆくものを  いそいでしたく  させてくりや       よ□【□から□に繋がるという意味】  □  ちと  まはるところが  あるから 御中居(おなかゐ)   三お三の間 四おだいさん 六おもり 〽ヲヤまたけふも玉子やきに  おこんだてが  なほつた  ちやうど△  △  十日に  百丸【?】めし    あがつた マアいかな事でも 御末(おすゑ)   一おなかゐ 四しんめう 五おだいさん 〽コレごらん人形町の  上しうやの  くさぞうしは  いつでもおも  しろくてよくわかり          升よ 御雇(おやとひ)   一おもり 三おすゑ 五おどり 〽アレすヾがなり升よ  だれか  お出なさい  ませんか  わた  しが  いつ  たら  また  しから   れるで    あらう 御礼上り(おれいあが)   一おぐしあげ 二しんめう 三おさんのま 〽イエモウとうから【以前から】  ごきげんうかヾひに  あがりませうと  ぞんじ  まし  たれども  このやうな  わんぱくが  できまして  つい〳〵   ゑんにん【延引】   いたし    ました 【下から三段目】 部屋子(へやご)   一お三の間 二お茶の間 五おはした 〽なんでもおさがりのないうち  たんとあそんでおかぬといまに○   ○琴を    さらへと    いはれ升 御祐筆(ごゆうひつ)   一おそば 二おどり 三表使 〽ちよつとでも  御返書を  おしたヽめ  あそば  せば  よいに  いつでも  おだいひつで  おきのどく   さまな事だ 御髪上ケ(おぐしあげ)   二へや子 四おやとひ 五おこしやう 〽明日御下やしきの御かへりにはすみだ川の  土手を  おひろひ  あそばせ  どの  やうにか【「に」は、御三の間の本文2行目と同じ】  花  が  よ  ろ  しいと  おしたの  ものが  申  ま  し  た 呉服間(ごふくのま)   二ごゆうひつ 五おもてづかひ 六おすゑ 〽どうか  して  此おめし  ものをらい  ねんのおなんど  ばらひにいたヾき  たいものだが  そうむまくいけは  いヽが大かたらい  ねんもくだされ  ものは    ごゑんにん【延引】     たらう 御乳(おちヽ)   一おつぎ 五お礼上り 六ごふくの間 〽コレうばや■  うはやナゼ  だまつている  みはさつき  から  すこ  しも  ねずに  手まへの  もり  ばかり   して    ゐるぞ 御守(おもり)   三ごゆうひつ 五おちやのま 六おはした 〽アレ〳〵 わかさま  おとヽさまがおかヽ  さまのところへ  いらせられ  ました  から  は  やく  まいつて  ごきげんを  うかヾひ  ませう 【下から四段目】 御茶(おちや)の間(ま)   四ごふくの間 五おれい上り 六おやとひ 〽ヲヤ〳〵  おしたから  はゝが  あがり  ましたかへ  そんなら  明日の  当ばんと  くりかへて  くださいまし大かた  この間のゑんだんの事で   まゐりましたらう 御小姓(おこしやう)   二おめしつかひ 五おちやの間 六ごゆうひつ 〽ヲヤまた御前さまは  あのやうな  おじやうだん  ばつかり  おつ  しや  つて○  ○おなぶりあそばす 表使(おもてづかひ)   一中老 二おちゝ 三へや子 〽どうもそのやうに  おものいりが  かさんでは  なりません  ごじせつ  がら  ゆへ  □    □おまへがたも     チトおきを     つけられたら     よからうに 御次(おつぎ)   一おそば 二表づかひ 六お礼上り 〽ヲヽあぶない〳〵  おまへはこず      とも  はやく  おそばに  おつき  もうしていな  いまぢきに  とつていく     からさ 御召仕(おめしつかひ)   一上り 五おそば 六おいとま 〽さくばんは奥へおとまりになつて  わたくしの身に  とつてはどの  やうに  うれ  しう  ござりませう  ヲヤもうちつと  ねをさげて  下方   ふうに    いつて     ください 御三(おさん)の間(ま)   一おつぎ 三おめみへ 五ごだいさん 〽サア〳〵こんどもつてきました  島にはぎょいに  いるのが  ござい  ます●  ●  それはみんな  さげませう 【最上段】 中老(ちうらう)   一老女 四上り 六おへやさま 〽人のおちどをいふは  やすけれど奉公する  身はあひたがいどうがな  しておいとまに  ならぬ  やうに  とり  な  し  やうが  あり  さうな  もん   だぞ 御部屋様(おへやさま)   三御小姓 六上り 〽われ〳〵なぞの  いやしき身が  このやうに  出世するのも  みな天とうの  おめぐみ  これにつけても△  △おくさまはたいせつに     おもはねばならぬぞかし 上り 老女(らうぢよ)   一上り 三御次 〽ついにない  このはるは  おひめさまか  みな〳〵よく  つとめたに  よつて  御やく  がへの上  御ほうびを  くだされ     ますゆへ   ありがたく    御いたヾき     なされませ 御側(おそば)   一中老 六部や子 〽ヘイおひめさまお手ならひを  あそばせそのやうにおあそびに  お身がいつてはなりません  これはしたりまた  そのやうな  きた  ない  お  かほを  あそ  ばして  おむづかり    ますな