【上段】 ゑんまの子(こ) ゑんま 〽かういそがしくてはたまらぬみんなてめへ たちはおれが子にしてくれろと  いふかおれがからだが粉(こ)になる やうだこれがほんの     ゑんまの粉(こ)だらう 六道(ろくだう)の  辻番(つぢばん)   人(にん)や  辻君(つぢぎみ)も あじな  ゑんまの  子(こ)とぞ   なり    ける 女曰  〽わちきは町(てう)ざいますがことしのくれは    ねんきもあきすへはどうして黄泉(くわうせん)のなれぬ   たびぢのかりまくらつひうたゝねかゆめうつゝ    おきるまもなくつぶされてやいてこにして水でのむ      人もなき身とあはれみて《割書:モシ》ゑんまさん▲ 【中段】 もうじや曰  〽わたくしはおやこ五人のしんいりでございます どうぞこれからはあなたのお子さま      どうやうにおもつて       すこしもよいとこへ      おねがひ       申します● 子曰  ちやんや   ばうはぢぞうの       子だよ ▲ぬしの   子として     おくんなんし 【下段】 ●アノはりの 山はよう  ござりますが じつにはりの   したは  おそれ    ます