【表紙】 【資料整理ラベル】 T1A0  63  108 日本近代教育史  資料 弘化三年  三月日佐藤卯八 丙弘化三年佐藤卯八 午三月吉日求之 【右丁】      題言 すべて商家(しやうか)通用(つうよう)の文章(ぶんしやう)は強(あなが)ち文法(ぶんはふ)にかゝはらず其程々(そのほど〳〵)よりは 少(すこ)しく敬(うやま)ひて事(こと)のよく行(ゆき)とゞくを専一(せんいち)とすしかれば耳(みゝ)なれぬ言(こと) 葉(ば)読(よみ)がたき文字(もんじ)は聊(いさゝか)も□□【遣う?】べからずさればとて無下(むげ)にいやしき言(こと) 葉(ば)されたる文字(もんじ)は殊更(ことさら)に用(もち)□へ□【「ふへか」ヵ】らず唯(たゞ)時(とき)の宜(よろしき)に随(したが)ひ余(あま)り長(なが)からぬ やうこそあらまほしとぞさるから□□書(しよ)たる偏(ひとへ)に彼意(かのゐ)を旨(むね)として 文言(もんごん)字遣(じづか)ひに心(こゝろ)をくばり博(ひろ)く用字(▢うじ)をすぐつて撰(えら)びたれば是(これ)僅(わづか)の 冊子(さふし)なれども利益広大(りえきくわうだい)なり実(じつ)に通商(つしやう)富家(ふか)の原財(げんざい)といふべし   戊子皐月      興文堂主人謹識 【左丁 頭部】 伊勢(いせ)参宮(さんぐう)   巡路(しゆんろ)    之図(のづ) 京三条橋 【同 本文】 商人(あきんど)書翰(しよかん)便覧(べんらん)目録(もくろく)  早春(そうしゆん)注文状(ちうもんじやう)     初丁  同(おなじく)  返事(へんじ)     二  注文(ちうも[ん])物下(ものくだし)シ状     三  注文(ちうもん)催促(さいそく)状     五  商人(あきんど)引合(ひきあはせ)状     七  同   返事     八 【右丁 頭部】 山しな おひわけ 山石 三井寺 大津 ぜゝ 【左丁 頭部】 あはづ せた やばせ おひわけ くさつ 【右丁 本文】)  初而(はじめて)注文(ちうもん)申遣(まうしつかはす)状 九  仕切書(しきりがき)差下(さしくだす)状   十一  仕切銀(しきりぎん)指下(さしくだす)状   十三  為替(かわ▢)取組(と▢くみ)状    十六  同  返事     十七  仕切銀(しきりぎん)催促(さいそく)状   十八  仕切銀(しきりぎん)延引(ゑんいん)断(ことわり)状 二十 【左丁 本文】  金子(きんす)借用(しやくよう) ̄ニ遣(つかはす)状 二十三  同   返事   二十四  直引(ねびき)申遣(まうしつかはす)状  二十五  見世(みせ)代呂物(しろもの)尋(たづね)状 二十八  陶器物(とうきもの)積下(つみくだし)頼(たのみ)状 二十九  同   返事   三十  紺屋(こんや)引付(ひきつけ)状   三十二 【右丁 頭部】 目川 三上山 梅の木 いしべ よこた川 【左丁 頭部】 水口 つち山 すゞか山 さかの下 【右丁 本文】  同  返事    三十三  油相場(あぶらそうば)《振り仮名:為_レ知|しらせ》状  三十五  京都(きやうと)《割書:江(へ)》売薬頼(ばいやくたのみ)状 三十六  同  返事    三十八  江戸(ゑど)舟積(ふなづみ)【注】案内(あんない)状 三十九  同  返事    四十二  大坂(おほさか)《割書:江(へ)》旅宿(りよしゆく)頼(たのみ)状 四十三 【左丁 本文】  同  返事    四十四  年始(ねんし)状     四十六  同  返事    四十七  五月 節句(せつく)祝義(しうぎ)状 四十八  同   返事   五十  九月 節句(せつく)祝儀(しうぎ)状 五十一  同  返事    五十二 【注 別本による。https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100382992/5?ln=en】 【右丁 頭部】 ふですて山 とよくの せき おひわけ むくもと くぼた 【左丁 頭部】 とうせい川 津 くもづ川 つき本 六けん茶や 【右丁 本文】  婚礼(こんれい)祝義(しうぎ)状   五十四  同  礼状    五十六  元服(げんぶく)歓(よろこび)状    五十七  同  返事    五十八  安産(あんさん)歓(よろこび)状    五十九  同  返事    六十一  家(いへ)買得(ばいとく)歓(よろこび)状   六十二 【左丁 本文】  同  返事    六十三   別家(べつけ)歓(よろこび)状    六十五  同  返事    六十六  年賀(ねんが)【別本による】状 六十八  同  返事    六十九  留主(るす)見舞(みまひ)状   七十  同  返事    七十二 【右丁 頭部】 まつざか くしだ川 みやうぜう    茶屋 をばた 【左丁 頭部】 外宮 みや川 山田町 天の岩と ふたみ あいの山 あさま 内宮 【右丁 本文】  病人(びやうにん)見舞(みまひ)状   七十三  同  返事    七十五  疱瘡(ほうそう)見舞(みまひ)状   七十七  同  返事    七十八  火事(くわじ)見廻(みまい)状   八十  同  返事    八十一  暑気(しよき)見舞(みまひ)状   八十二 【左丁 本文】  同  返事    八十三  寒気(かんき)見舞(みまひ)状   八十四  同  返事    八十五  参宮(さんぐう)留守(るす)見廻(みまい)状 八十七  同  返事    八十八  餞別(せんべつ)遣(つかは)す状   八十九  馳走(ちそうに)逢(あひ)たる礼(れい)状 九十一 【右丁】  頭書目録(かしらかきもくろく)      伊勢参宮(いせさんぐう)巡路(じゆんろ)之 図(づ)   初丁 銭相場(ぜにさうば)早割(はやわり)《割書:并》曲尺(さしかね)割算(わりざん)之(の)伝(でん)《割書:付》問丸(とひや)繁昌(はんじやう)之図   十三丁 万(よろづ)染物(そみもの)脱(おとし)之(の)伝(でん)《割書:付》職方(しよくかた)之(の)麤(そ)【麁】忽(こつ)を侘(わふ)る図  廿六丁 潮汐時(しほとき)之(の)暗記(くりかた)《割書:并》年中(ねんちう)風雨(ふうう)之(の)考(かんがへ)《割書:付》早綿(はやわた)出船(しゆつせん)之図 四十丁 婚礼式(こんれいしき)之(の)心得(こゝろえ)略法(りやくほふ)手引(てびき)《割書:付》祝言(しうげん)之図       五十四丁 老人(らうじん)食物(しよくもつ)製方(せいはう)之(の)伝(でん)《割書:付》年賀(ねんが)寿筆(じゆひつ)之図       六十七丁 疱瘡(ほうさう)之(の)心得(こゝろえ)《割書:并》妙薬方(めうやくはう)《割書:付》同 神送(かみをく)り之図       七十八丁 【左丁】   早春(そうしゆん)注文(ちうもん)状 一筆啓上(いつぴつけいじやう)仕(つかまつり)候(そろ)未(いまだ)余寒(よかん) 甚(はなはだ)敷(しく)候(さふらふ)処(ところ)弥(いよ〳〵)御安康(ごあんかう) 可(べく)_レ被(さる)_レ成(な)_二御座(ござ)_一奉(たてまつり)_二珍重(ちんちやう)_一候(さふらふ) 然者(しかれば)此度(このたび)別紙(べつし)之(の)通(とふり)注文(ちうもん) 【右丁】 御頼(おんたのみ)申上(まうしあげ)候(そろ)随分(ずいぶん)代呂物(しろもの) 御吟味(ごぎんみ)可(べく)_レ被(さる)_二成下(なしくだ)_一候(そろ)且(かつ)注文(ちうもん) 書(がき) ̄ニ印置(しるしおき)申(まうし)候(そろ)花色(はないろ)秩父(ちゝぶ) 急(きう)入用(いりよう) ̄ニ御座候(ござそろ)間(あいだ)直様(すぐさま) 御出(おんいだし)可(べく)_レ被(さる)_レ 下(くだ)候(そろ)其余(そのよ)者(は)中旬(ちうじゆん) 【左丁】 迄(まで) ̄ニ御揃(おんそろへ)御越(おんこし)可(べく)_レ被(さる)_レ 下(くだ)奉(たてまつり)_二 頼上(たのみあげ)_一候(そろ)以上(いじやう)  同(おなじく)返事(へんじ) 貴札(きさつ)被(され)_レ 下(くだ)忝(かたじけなく)拝見(はいけん)仕(つかまつり)候 如(ごとく)_二来命(らいめいの)_一残寒(ざんかん)甚敷(はなはだしく)候(そろ) 【右丁】 之(の)処(ところ)其(その)御境(おんきやう)御家内(ごかない)様(さま) 益(ます〳〵)御勇健(ごゆうけん)被(され)_レ遊(あそば)_二御座(ござ)_一 珍重(ちんちやう)之(の)御儀(おんぎに)奉(たてまつり)_レ存(ぞんじ)候 誠(まこと)ニ 例年(れいねん)之(の)通(とふり)不(ず)_二相変(あいかはら)_一御注文(ごちうもん) 被(られ)_二仰付(おほせつけ)_一千万(せんばん)有難(ありがたく)奉(たてまつり)_レ存(ぞんじ)候(そろ) 【左丁】 諸色(しよしき)念入(ねんいれ)差上(さしあげ)可(べく)_レ申(まうす)候 且(かつ) 御急(おんいそぎ)之(の)品(しな)者(は)明(みやう)夕出(ゆふつだし)可(べく)_レ申(まうす)候 御染物(おんそめもの)之(の)儀(ぎ)雨天(うてん)無(なく)_レ之(これ) 候者(さふらはゞ)五七日中(ごしちにちぢう) ̄ニ 者(は)出来(しゆつらい) 可(べく)_レ申(まうす)何(いづ)れ中比(なかごろ)迄(まて) ̄ニ相揃(あいそろへ) 【右丁】 指出(さしいだし)可(べく)_レ申(まうす)候 猶(なを)書外(しよぐわい)期(ごし)_二重(ぢう) 便(びんを)_一粗(あら〳〵)御請(おんうけ)迄(まで)如(ごとくに)_レ斯(かくの)御座(ござ)候 恐々(きやう〳〵)謹言(きんげん)  注文物(ちうもんもの)下(くだし)状 春暖(しゆんだん)之(の)砌(みぎり)弥(いよ〳〵)御壮健(ごさうけん) 【左丁】 被(られ)_レ為(せ)_レ入(いら)候半与(さふらはんと)奉(たてまつり)_レ察(さつし)大悦(たいえつ) 奉(たてまつり)_レ存(ぞんじ)候 然(しかれ)者(ば)御注文(ごちうもん)之(の)品々(しな〳〵) 別紙(べつし)入日記(いりにつき)之(の)通(とをり)指出(さしいだし)申(まうし)候 其着(そのちやく)御改(おんあらため)御入帳(ごにうちやう)可(べく)_レ被(さる)_レ 下(くだ)候 扨(さて)又(また)御注文(ごちうもん) ̄ニ者 無(なく)_二御座(ござ)_一候(さふら)へ共(ども) 【右丁】 緋(ひ)之(の)山舞紬(やままひつむぎ)【注】新物(しんもの)五疋(ごひき) 同(おなじく)紫(むらさき)拾疋(じつひき)懸(かけ)_二御目(おんめに)_一申(まうし)候 直段(ねだん)茂(も)至而(いたつて)利口(りこう) ̄ニ付(つき)申(まうし) 候得(さふらへ)者(ば)急度(きつと)御売当(おんうりあて) ̄ニ 相成(あいなり)申(まうし)候 後便(こうびん) ̄ニ御注文(ごちうもん) 【左丁】 沢山(たくさん) ̄ニ被(られ)_二仰付(おほせつけ)_一被(され)_レ 下(くだ)候(そろ)様(やう)奉(たてまつり)_二 待受(まちうけ)_一候 尚(なを)相残(あいのこり)候(そろ)品(しな)茂(も)御座(ござ) 候(そろ) ̄ニ寄(より)仕切書(しきりがき)者(は)跡(あと)ゟ(より)奉(たてまつり)_二 御覧(ごらんに)入(いれ)_一候 恐々(きやう〳〵)頓首(とんしゆ)   注文(ちうもん)催促(さいそく)状 【注 山繭紬のこと】 【右丁】 弥(いよ〳〵)御堅勝(ごけんしやう)被(され)_レ成(な)_二御座(ござ)【一点脱】 珍重(ちんちやう)不(ず)_レ斜(ななめなら)奉_レ存(ぞんじ)候 偖(さて)者(は) 先日(せんじつ)以(もつて)_二飛脚便(ひきやくたよりを)_一注文(ちうもん)申 上候 処(ところ)尓(に)_レ今(いま)御沙汰(ごさた)無(なく)_レ之(これ) 甚(はなはだ)困入(こまりいり)申候 此節(このせつ)売当(うりあて)之(の) 【左丁】 品(しな)茂(も)御座(ござ)候 ̄ニ付(つき)日々(ひび)奉_二 相待(あいまち)_一候 未(いまだ)御 返事(べんじ)茂(も)不(ず) 参(まいら)候 故(ゆへ)自然(しぜん)書状(しよじやう)相滞(あいとゞこふり) 有(あり)_レ之(これ)候 事(こと)哉(や)不審(ふしん) ̄ニ存(ぞんじ)候 ゆへ為(ため)_レ念(ねんの)又候(またざふらふ)注文書(ちうもんがき) 【右丁】 差登(さしのぼし)申 上(あげ)候 此状(このじやう)着(ちやく)次第(しだい) 早々(さう〳〵)御 仕出(しいだし)被(され)_レ 下(くだ)候 様(やう)奉 _レ頼(たのみ)候 尤(もつとも)三度(さんど)飛脚(ひきやく)十五日 出日(でび)《割書:ニ》無(なく)_二相違(そうい)_一御 出(いだし)被(され)_レ 下(くだ)度(たく) 奉_二憑入(たのみいり)_一候 不備(ふび) 【左丁】   商人(あきんど)引合(ひきあわせ)状 以(もつて)_二《振り仮名:寸-書|すんしよを》_一申 入(いり)候 倍(ます〳〵)御安寧(ごあんねい) 可(べく)_レ被(さる)_レ成(な)_二御滞留(ごたうりう)_一奉_二欣幸(きんかう)_一候 然(しかれ)者(ば)此仁(このじん)小間物(こまもの)商売(しやうばい) 被(され)_レ致(いた)候 処(ところ)新仕入(しんしいれ)面白(おもしろき) 【右丁】 品々(しな〴〵)御座(ござ)候 而(て)至(いたつ)而(て)利口(りこう)に 商(あきなひ)被(れ)_レ申(もうさ)候 故(ゆへ)御 引付(ひきつけ)申(まうし) 上(あげ)候 御用(ごよう)御 申付(まうしつけ)可(べく)_レ被(さる)_レ 下(くだ)候 猶(なを)亦(また)御連様(おんつれさま)茂(も)御 仕入(しいれ)等(とう) 被(され)_レ成(な)候(さふらは)者(ゞ)此仁(このじん) ̄ニ些(ちと)御 申(まうし) 【左丁】 付(つけ)被(され)_レ 下(くだ)候 様(やう)貴公様(きこうさま)より 御 世話(せわ)可(べく)_レ被(さる)_二成下(なしくだ)_一候 尚(なを)跡々(あと〳〵) 御注文(ごちうもん)之(の)品(しな)茂(も)御座(ござ)候(さふらは)者(ば) 状通(じやうつう) ̄ニ而(て)埒(らち)明(あき)申候 様(やう)に 篤(とく)与(と)御 引合(ひきあい)置(をき)可(べく)_レ被(さる)_レ 下(くだ)候 【右丁】 先(まづ)者(は)右(みぎ)為(ため)_レ可(べく)_レ得(え)_二貴意(きい)_一 如(ごとく)_レ此(かくの) ̄ニ御座(ござ)候 不具(ふぐ)謹言(きんげん)  同(おなじく)返事(へんじ) 御 剪紙(せんし)忝(かたじけなく)拝披(はいひ)仕(つかまつり)候(さふらふ) 先(まづ)以(もつて)御安全(ごあんせん)奉_二珍重(ちんちやう)_一候 【左丁】 扨(さて)者(は)昨日(さくじつ)一寸(ちよと)御 尋(たづね)申 上(あげ)候 処(ところ)商人(あきんど)衆(しう)御 世話(せわ) 被(され)_レ 下(くだ)御深切(ごしんせつ)忝(かたじけなく)奉_レ存候 則(すなはち)乍(ながら)_二少々(せう〳〵)_一注文(ちうもん)申 入(いり)候 已来(いらい)追々(おい〳〵)相頼(あいたのみ)可(べく)_レ申(まうす)候 【右丁】 間(あいだ)御如在(ごぢよさい)有間敷(あるまじく)候へ ども随分(ずいぶん)利口(りこう) ̄ニ御 働(はたらき)被(され)_レ 下(くだ) 候 様(やう)猶(なを)又(また)貴公様(きこうさま)より 御口演(ごこうゑん)可(べく)_レ被(さる)_レ 下(くだ)候 委細(いさい) 拝顔(はいがん)御 礼(れい)可_二申上_一荒々(あら〳〵) 【左丁】 如(ごとく)_レ斯(かくの) ̄ニ御座候不 詳(しやう)  初而(はじめて)注文(ちうもん)申遣(まうしつかは)す状 其後(そののち)者(は)不(ず)_レ得(え)_二拝顔(はいがん)_一打(うち) 絶(たへ)申候 弥(いよ〳〵)御勇剛(ごゆうかう)可(べく)_レ被(さる) _レ成(な)_二御座(ござ)_一奉_レ賀(がし)候 然(しかれ)者(ば) 【右丁】 爰許(こゝもと)亀屋芳兵衛(かめやよしびやうへ)殿(どの)《割書:ニ》 承(うけたまはり)候 処(ところ)貴公様(きこうさま)方(かた)《割書:ニ》者(ハ) 縮緬(ちりめん)中形類(ちうがたるい)御 仕入(しいれ) 有(あり)_レ之(これ)候 由(よし)近比(ちかごろ)押付(おしつけ)ケ(が) 間敷(ましき)注文《割書:ニ》御座(ござ)候得共(さふらへども) 【左丁】 別紙(べつし)之(の)通(とをり)只今(たいま)御 染合(そめあい) 御座(ござ)候ハヾ御 下(くだし)被(され)_レ 下(くだ)候 様(やう) 奉_レ頼(たのみ)候 向(む)キ者(ハ)則(すなはち)亀屋(かめや) 方(かた)与(と)同模様(どうもやう)《割書:ニ》而 可(べき)_レ然(しかる)様(やう) 御 見計(みはからい)可(べく)_レ被(さる)_レ 下(くだ)候 猶(なを)来々(らい〳〵) 【右丁】 月(げつ)者(は)上京(じやうきやう)仕(つかまつり)其節(そのせつ)貴面(きめん) 万緒(ばんしよ)可(べく)_レ申上(まうしあぐ)候 謹言(きんげん)   仕切書(しきりがき)指下(さしくだす)状 一簡(いつかん)啓上(けいじやう)仕候 寒気(かんき) 之(の)砌(みぎり)愈(いよ〳〵)御安体(ごあんたい)可(べく)_レ被(さる)_レ遊(あそば)_二 【左丁】 御入(おんいり)_一珍重(ちんちやう)御 儀(ぎに)奉_レ存候 誠(まこと)《割書:ニ》先比(せんころ)差下(さしくだし)申候 品々(しな〴〵) 御 気(き)《割書:ニ》入(いり)候 哉(や)如何(いかゞ)与(と)奉 _レ存候 此度(このたび)別紙(べつし)目録(もくろく) 之 通(とをり)十品(としな)指下(さしくだし)申候 【右丁】 是(これ)者(は)追(おい)御注文(ごちゅうもん)之 品(しな) ̄ニ而 御座候 御入掌(ごにうしやう)可_レ被_レ 下候 且(かつ) 乍(ながら)_レ序(ついで)仕切書(しきりがき)入(いれ)_二貴覧(きらんに)_一申候 御 引合(ひきあはせ)可_レ被_レ 下候 若(もし)相違(そうい)等(とう) 御座(ござ)候(さふら)ハヾ披(られ)_二仰聞(おほせきけ)_一可_レ被_レ 下候 【左丁】 猶(なを)亦(また)不(ず)_二相変(あいかはら)_一御用向(ごようむき)追々(おい〳〵) 被(られ)_二【「され」の誤】仰下(おほせくだ)_一度(たく)奉_二頼上(たのみあげ)_一候 已上(いじやう)   仕切銀(しきりぎん)差下(さしくだす)状 貴書(きしよ)被(され)_レ 下(くだ)忝(かたじけなく)致(いたし)_二拝見(はいけん)_一候 如(ごとく)_二来諭(らいゆの)_一厳寒(げんかん)之 節(せつ) 【右丁 上段】 銭相場(ぜにさうば)早割(はやわり)之(の)法(ほふ)【二重線で囲む】 たとへば相場九匁弐分五厘の時 銀壱匁に銭何ほどゝ問   答曰百七文五分 術に曰定弐十匁と置内いふ 相場九匁弐分五厘を引ば残 十匁七分五厘と成これ壱匁 代の残数百七文五分と見る也 此法十匁までの相場はいづれも 右のごとくしてちがふことなし 曲尺(さしがね)割算(わりさん)之(の)伝(でん)【二重線で囲む】 たとへば壱反に付代 銀七匁八分の木綿 を壱丈五尺買い 申ときは此代銀 何ほどゝ問  答曰四匁五分 【左丁 上段】 術左のごとし 但し土辺(つちべ)にても 直(かく)にすぢを 引さへすれば そろばんを 用ひずして 割るゝ  なり 【右丁と左丁にまたがる曲尺の中】 壱尺五寸  此所を今買ふ       きれの尺と見る 四寸五分 此四寸五分を今買ふ きれの代銀と見る       なり 【曲尺の長辺の下】 股二尺六寸 一反の丈とす 【曲尺の短辺の横】 鉤七寸八分 一反の代銀とす 【左丁 上段中央】 曲尺 股(はたづり)の方弐尺六寸《割書:これは壱反|だけのに数也》 と鉤(つり)の方七寸八分《割書:一反代|銀の数也》とにて 弦をわたし扨股の方壱尺五寸 《割書:今買ふ木綿|だけの数也》の所へ尺を引付弦の通 までの寸を見れば四寸五分ある なりこれ即今買ふ木綿の代 銀四匁五分と知るべし 此外何によらず一切相場の割 かたいづれも右になぞらへて しるべし唯何の数にても尺の 目に引□をして取るなり 【右丁 下段】 問丸(とひや)  繁昌(はんじやう)   之(の)    図(づ) 【右丁】 弥(いよ〳〵)以(もつて)御壮健(ごさうけん)被(され)_レ成(な)_二御座(ござ)_一 候(さふらふ)之(の)由(よし)大慶(たいけい)奉_レ存候 然(しかれ)者(ば) 此度(このたび)残代呂物(のこりしろもの)并(ならび)《割書:ニ》染物(そめもの)等(とう) 不(ず)_レ残(のこら)御 越(こし)被_レ 下 慥(たしか)《割書:ニ》入手(にうしゆ)仕候 皆々(みな〳〵)宜敷(よろしく)出来(しゆつらい)大悦(たいえつ)奉 【左丁】 _レ存候 且(かつ)仕切書(しきりがき)御 越(こし)被_レ 下 拝見(はいけん)仕候 処(ところ)三 拾目替(じうめがへ)之 小川(おがは)拾疋(じつぴき)間違(まちがひ)有(あり)_レ之(これ)候 ニ付(つき)引置(ひきおき)申候 御帳面(ごちやうめん)御 調(しらべ) 可_レ被_レ 下候 則(すなはち)其余(そのよ)仕切(しきり) 【右丁】 銀(ぎん)以(もつて)_二為(せ)_レ替(かは)手形(てかたを)_一指下(さしくだし)申候 御 請取(うけとり)可_レ被_レ 下候 年内(ねんない)無(なく)_二 余陰(よいん)_一候得(さふらへ)者(ば)折角(せつかく)御 仕寄(しよせ) 可_レ被_レ成 猶(なを)来陽(らいよう)芽出度(めでたく)可(べく) _レ得(え)_二貴意(きい)_一候 謹言(きんげん) 【左丁】    為(せ)_レ替(かは)取組(とりくみ)状 以(もつて)_二寸紙(すんしを)_一啓上(けいじやう)仕候 弥(いよ〳〵)以(もつて) 御堅剛(ごけんかう)被(され)_レ成(な)_二御座(ござ)_一珍重(ちんちやう) 奉_レ寿(じゆし)候 然(しかれ)者(ば)此日(このごろ)得(え)_二御意(ぎよい)_一 候 節(せつ)御 噂(うわさ)承置(うけたまはりおき)候 此度(このたび) 【右丁】 江戸表(ゑどおもて)為(せ)_レ替(かは)金(きん)駿河町(するがてう) 不二屋(ふじや)江(へ)申(まうし)遣(つかはし)候 間(あいだ)其旨(そのむね) 御承知(ごしようち)可_レ被_レ 下候 則(すなはち)手形(てがた) 為(せ)_レ持(もた)上(あげ)候 御落掌(ごらくしやう)可(べく)_レ被(さる) _レ 下候 猶(なを)又(また)外(ほか)御用向(ごようむき)茂(も)候(さふら)ハヾ 【左丁】 無(なく)_二御遠慮(ごゑんりよ)_一可(べく)_レ被(らる)_二仰聞(おほせきけ)_一候 早々(さう〳〵)頓首(とんしゆ)   同返事 御手帖(ごしゆでう)辱(かたじけなく)奉_二拝閲(はいえつ)_一候 愈(いよ〳〵)御清昌(ごせいしやう)被(され)_レ成(な)_二御座【一点脱】候 【右丁】 之 段(だん)奉_二賀寿(がじゆし)_一候 然(しかれ)者(ば) 南部表(なんぶおもて)為(せ)_レ替(かは)御 取組(とりくみ) 被_レ 下候 趣(おもむき)被_二 仰(おほせ)下_一毎々(まい〳〵) 御 世話(せわ)之 段(だん)忝(かたじけなく)奉_レ謝(しやし)候 則(すなはち)印鑑(いんかん)御 使(つかひ)江(へ)御 渡(わたし) 【左丁】 申上候 下拙(げせつ)義(ぎ)弥(いよ〳〵)明後日(みやうごにち) 出立(しゆつたつ)之 積(つもり)に御座候 猶(なを) 留主中(るすちう)之 儀(ぎ)何角(なにか)宜(よろしく) 御 頼(たのみ)申上候 何(いづ)れ後刻(ごこく) 以(もつて)_レ参(さんを)御 礼(れい)可_二申 上(あぐ)_一候(さふら)へ共(ども) 【右丁】 乍(ながら)_レ序(ついで)如(ごとく)_レ斯(かくの) ̄ニ御座候 以上(いじやう)   仕切銀(しきりぎん)催促(さいそく)状 態々(わざ〳〵)以(もつて)_二紙面(しめん)_一啓達(けいだつ)仕候 秋暑(しうしよ)難(がたく)_レ去(さり)候得共(さふらへども)先(まつ)以(もつて) 其(その)御 地(ち)弥(いよ〳〵)御清福(ごせいふく)可_レ被 【左丁】 _レ成(な)_二御 入(いり)_一奉_二珍慶(ちんけい)_一候 然(しかれ)者(ば) 当(たう)六月(ろくくばつ)【ママ 濁点の打ち間違い】十五日 出(で) ̄ニ仕切書(しきりがき) 指下(さしくだし)申候 定(さだめ)而(て)御覧(ごらん)可_レ被 _レ 下(くだ)候 様(やう)奉_レ存候 其(その)節(せつ)申 上候 通(とをり)春(はる)以来(いらい)差引(さしひき)残(のこり) 銀(ぎん)等(とう)茂(も)為(せ)_二御 登(のほせ)_一不(ず)_レ被(され)_レ 下(くだ) 甚(はなはだ)迷惑(めいわく)仕候 間(あいだ)当分(たうぶん)之 仕切(しきり)者(は)無(なく)_二相違(そうい)_一盆前(ぼんぜん)着(ちやく) 仕候 様(やう)為(せ)_二御 登(のぼせ)_一可_レ被_レ 下 御 頼(たのみ)申上候 処(ところ)に_レ今(いま)何(なん)之 【左丁】 御沙汰(ごさた)茂(も)無(なく)_レ之(これ)甚(はなはだ)困入(こまりいり) 申候 ケ(か)様(やう) ̄ニ相後(あいおく)れ候 而(て)者(は) 買先(かいさき)江(へ)申 訳(わけ)茂(も)無(なく)_二御座_一 自然(しぜん)与(と)御 仕入向(しいれむき)遅(おそく)相成(あいなり) 申候 道理(どうり) ̄ニ御座候 間(あいだ)何分(なにぶん) 書状(しよしやう)着(ちやく)次第(しだい)銀子(ぎんす)御 登(のぼし) 被_レ 下候 様(やう)呉々(くれ〴〵)奉_二頼(たのみ)上_一候 右(みぎ)得(え)_二貴慮(きりよ)_一度(たく)早々(さう〳〵)如(ごとく)_レ此(かくの) ̄ニ 御座候 不具(ふぐ)   仕切銀(しきりぎん)延引(ゑんいん)断(ことはり)状 【左丁】 七月(しちぐはつ)廿八日 出(で)御状(ごじやう)今日(こんにち) 着(ちやく)仕 拝見(はいけん)仕候 如(ごとく)_レ仰(おほせの)残暑(ざんしよ) 難(がたく)_レ堪(たへ)候 処(ところ)弥(いよ〳〵)御壮栄(ごさうゑい) 奉_二欣賀(きんが)_一候 然(しかれ)者(ば)盆前(ぼんぜん) 仕切(しきり)之儀(ぎ)被(され)_二仰下(おほせくだ)_一御尤(ごもつとも) 【右丁】 千万(せんばん) ̄ニ奉_レ存候 然(しか)ル(る)所(ところ)下拙(げせつ) 前月(ぜんげつ)上旬(じやうじゆん)ゟ(より)在方(ざいかた)掛廻(かけまはり)《割書:ニ》 罷出(まかりいで)漸々(やう〳〵)十二日 ̄ニ帰宅(きたく)仕候 寔(まこと)《割書:ニ》当(たう)盆前(ぼんぜん)懸方(かけかた)大(おゝい)《割書:ニ》 相滞(あいとゞこふり)申候 故(ゆへ)当惑(たうわく)仕 何卒(なにとぞ) 【左丁】 工面合(ぐめんあい)仕 差出(さしいだし)可_レ申 心積(こゝろづもり) 仕 候得(さふらへ)共(ども)大払底(おほふつてい) ̄ニ而(て)繰合(くりあはせ)も 出来(しゆつらい)兼(かね)心外(しんぐわい)之 至(いたり)誠(まことに)以(もつて) 赤面(せきめん)仕候 尤(もつとも)掛方(かけかた)応対(おうたい) 日限(にちげん)茂(も)有(あり)_レ之(これ)候 ̄ニ付(つき)直様(すぐさま) 【右丁】 手代(てだい)共(ども)指出(さしいだし)取集(とりあつめ)何(いづ)れ 当月(とうげつ)廿日(はつか)頃(ごろ)迄(まで) ̄ニ者(は)都合(つがう) 仕 差登(さしのぼし)可_レ申候 間(あいだ)今(いま)暫(しばらく) 之 所(ところ)御用赦(ごようしや)可(べく)_レ被(さる)_二成下(なしくだ)_一候 猶(なを) 委(くはしき)儀(ぎ)者(は)貴顔(きがん)之 砌(みぎり)万々(ばん〳〵) 【左丁】 御 断(ことわり)可【二点脱】申上_一候不 備(び)   金子(きんす)借用(しやくよう) ̄ニ遣(つかはす)状 此間(このあいだ)者(は)懸違(かけちがひ)御 遠々敷(とふ〳〵しく) 奉_レ存候 弥(いよ〳〵)御堅達(ごけんたつ)之 段(だん) 奉_二寿慶(じゆけい)_一候 然(しかれ)者(ば)明日(みやうにち) 【右丁】 差掛(さしかゝり)金子(きんす)入用(いりよう)之 儀(ぎ) 出来(しゆつらい)候 間(あいだ)金子(きんす)弐百両(にひやくりやう) 借用(しやくよう)仕 度(たく)候 御勝手(ごかつて)不(ず) _レ苦(くるしから)候(さふらふ)哉(や)否(いな)御 尋(たづね)申上候 来月(らいげつ)十七日 限(ぎり)返済(へんさい)可 【左丁】 _レ仕(つかまつり)候 利息(りそく)之 儀(ぎ)者(は)可(べく)_レ然(しかる) 可_レ被_二成下(なしくだ)_一候 何分(なにふん)急用(きうよう)之 儀(ぎ) ̄ニ候 得(へ)者(ば)宜(よろしく)御 頼(たのみ)申上候 已上(いじやう)   同返事 【右丁】 御紙面(ごしめん)被_レ 下 拝見(はいけん)仕候 然(しかれ)者(ば)明日(みやうにち)金子(きんす)御 入用(にうよう)之 趣(おもむき)被(され)_二仰遣(おほせつかは)_一奉_二承知(しようち)_一候 然(しかる)所(ところ) 金高(きんだか)三 百両(びやくりやう)御 借受(かりうけ)被(され)下(くだ) 間敷(まじく)候 哉(や)幸(さいわゐ)明日(みやうにち)戻金(もどりきん) 【左丁】 有(あり)_レ之(これ)候 間(あいだ)早速(さつそく)御 間(ま) ̄ニ合(あはせ) 可_レ申候 金高(きんだか)殖(ふえ)候 処(ところ)御承(ごしよう) 引(ゐん)可_レ被_レ 下候 利息(りそく)之 所(ところ)者(は) 随分(ずいぶん)相働(あいはたらき)可_レ申 右(みぎ)御答(ごとう)迄(まで) 如(ごとく)斯(かくの) ̄ニ御座候 恐々(きやう〳〵) 【右丁】   直引(ねびき)申遣(まうしつかはす)状 一筆(いつぴつ)啓上(けいじやう)仕候 弥(いよ〳〵)御安全(ごあんせん) 可(べく)【レ点脱】被(さる)_レ成(な)_二御座_一奉_レ賀(がし)候 然(しかれ)者(ば) 先月(せんげつ)五日 出(で)御荷物(ごにもつ)之 中(うち) 飛沙綾(とびさあや)弐拾反(にじつたん)黒(くろ)三拾 反(たん) 【左丁】 色合(いろあい)悪敷(あしく)御座候《割書:ニ》寄(より) 差登(さしのぼし)もう申候御 取替(とりかへ)被(され)_レ 下(くだ) 度(たく)候 将又(はたまた)空色(そらいろ)羽二重(はぶたへ) 御紋付(ごもんつき)少々(せう〳〵)色濃(いろこく)候《割書:ニ》付(つき) 納(おさまり)兼(かね)甚(はなはだ)難儀(なんぎ)仕候 所(ところ)漸々(やう〳〵) 染物(そみもの)おとしの伝(でん) 〇絹に油の付たるは滑石(くわつせき)の粉を  ふりかけ紙をしきて火のし  にて幾度もなづればおつる也 〇同あらひものは水弐升にしほ  壱合入よく煎て少しさまし扨  油の付たる所をそゝぐべし水  多く入用のときは右のかげんに  してしほをを合すべし 〇魚の汁みそ汁のつきたるは  かぶらをひしぎその汁にて  すゝぐべし 〇墨の付たるは半夏(はんげ)の粉をふり  かけふくみ水にてあらふべし 〇ふしかねおはぐろのつき  たるは米の酢(す)をせんじてあ  らふべし 〇きわだくちなしのしるの付  たるは梅むきの酢にてすゝ  ぐべし 〇つゆの雨にあひてかびくろみ  たるは梅の葉をせんじ出し  てあらふべし 〇白地のものに血朱(ちしゆ)などの  付たるはめしつぶをもみ付  てあらふべし〇又 生姜(しやうが)を  うすくへぎてよごれたる所の  上におけばうつりてぬける  ものなり 〇うるしの付たるはみそを  せんじすましてあらへば  よくおつるなり 〇 柿(かき)しぶのつきたるにはかつを  ぶしをせんじ出してあ  らふべし 〇 藍染(あいそめ)は石灰(いしばい)を水に入てきれ  れを煮れば白く成なり 〇 茶(ちや)染は水に酒を入て煮(に)  れば白く成なり 【左下】 職方(しよくかた)   の  麁(そ)  忽(こつ)   を  侘(わぶ)る    図(づ) 【右丁】 直引(ねびき)致(いたし)候 而(て)相納(あいおさまり)候 事(こと)《割書:ニ》候 右《割書:ニ》付(つき)御無体(ごむたい)《割書:ニ》候 得(へ)ども 拾匁(じうもんめ)御 直引(ねびき)可_レ被_レ 下候 猶(なを) 以来(いらい)誂物(あつらへもの)御念(ごねん)御 入(いれ)被_レ 下 候 様(やう)奉_レ頼(たのみ)候 早々(そう〳〵)不 備(び) 【左丁】   見世(みせ)代呂物(しろもの)尋(たづね)状 以(もつて)_二紙上(しじやう)_一申上候 愈(いよ〳〵)御静寧(ごせいねい) 奉_二珍重(ちんちやう)_一候 此間(このあいだ)御 見世(みせ) 申上候 羅紗(らしや)未(いまだ)相分(あいわか)り不(ず) _レ申(まうさ)候 哉(や)此節(このせつ)急々(きう〳〵)入用(いりよう) 【右丁】 御座候 間(あいだ)御 返事(へんじ)奉_二待(まち) 入(いり)_一候 中(ちう)之(の)方(かた)者(は)不(ず)_レ苦(くるしから)候 得(へ)共(ども) 上(じやう)之(の)部(ぶ)今日中(こんにちぢう)《割書:ニ》否(いな)哉(や) 御答(ごとう)可_レ被_二成下(なしくだ)_一候 偖(さて)又(また)此間(このあいだ) 福連(ふくれん)納戸(なんど)買入(かいいれ)申候 向(むき)《割書:キ》【衍ヵ】口(くち) 【左丁】 御座 候(さふらは)者(ば)御覧(ごらん) ̄ニ御 出(いで)可 _レ被_レ 下候 早々(さう〳〵)以上   陶器物(とうきもの)積下(つみくだし)頼(たのみ)状 頃日(このごろ)霖雨(りんう)鬱々(うと〳〵)敷(しく)奉 _レ存候 弥(いよ〳〵)以(もつて)御平安(ごへいあん)被_レ成_二御 入(いり)_一 【右丁】 奉_二欣幸(きんかう)_一候 此度(このたび)平戸(ひらど) 得意先(とくいさき)ゟ(より)清水焼(きよみづやき)品々(しな〴〵) 差下(さしくだし)呉(くれ)候 様(やう)頼(たのみ)参(まいり)申候 所(ところ) 手前(てまへ)不 案内(あんない)之 儀(ぎ) ̄ニ而 困(こまり) 入(いり)申候 貴家(きか) ̄ニ者(は)毎々(まい〳〵)御 仕(し) 【左丁】 入(いれ)被(され)_レ成(な)候(さふらへ)者(ば)御 買先(かいさき)之 仁(じん) 御 引付(ひきつけ)被_レ 下 無(なく)_二如在(じよさい)_一致(いた)し 被(られ)_レ呉(くれ)候 様(やう)御 世話(せわ)可_レ被_レ 下候 年々(ねん〳〵)注文(ちうもん)致(いたし)候 趣(おもむき)申 参(まいり)候 間(あいだ)此旨(このむね)可(べく)_レ然(しかる)御 伝言(でんごん)奉_二 【右丁】 頼(たのみ)上_一候以上   同返事 朶雲(だうん)忝(かたじけなく)拝誦(はいじゆ)仕候 弥(いよ〳〵) 御壮康(ごさうかう)幸甚(かうじん)之御 事(こと) ̄ニ候 然(しかれ)者(ば)陶器(とうき)御 仕入(しいれ)之 趣(おもむき)被(され)_二 【左丁】 仰聞(おほせきけ)_一御細簡(ごさいかん)之 旨(むね)承知(しようち) 仕候 幸(さいわゐ)今日(こんにち)序(ついで)御座候へ者(ば) 直様(すぐさま)可_二申 遣(つかはす)_一候 何(なに)之 誰(たれ)与(と) 申(まうす)仁(じん)当時(たうじ)之 細工人(さいくにん) ̄ニ而 至而(いたつて) 見事(みごと) ̄ニ出来(でき)申候 参(まいり)次第(しだい) 【右丁】 遣(つかはし)可_レ申候 間(あいだ)御注文(ごちうもん)品々(しな〴〵) 直段(ねだん)厳敷(きびしく)御 引合(ひきあい)可 _レ被_レ成(な)候 尤(もつとも)篤実(とくじつ)成(なる)仁(じん) ̄ニ候 得(へ)者(は)無(なく)_二御 心置(こゝろをき)_一御 誂(あつらへ)被(され) _レ遣(つかは)可(べく)_レ然(しかる)候 猶(なを)亦(また)拝眉(はいび)之 砌(みぎり) 【左丁】 御示談(ごじだん)可_二申上_一候 頓首(とんしゆ)   紺屋(こんや)引付(ひきつけ)状 一簡(いつかん)申上候 打続(うちつゞき)不 勝(しようの) 天気(てんき)困入(こまりいり)申候 御全家(ごせんか) 御堅勇(ごけんゆう)珍重(ちんちやう)不(ず)_レ斜(なゝめなら) 【右丁】) ゝ 奉_レ存候 然(しかれ)者(ば)此仁(このじん)私(わたくし)方(かた) 廻縁(くわいゑん)之 者(もの) ̄ニ而 此度(このたび)染物(そめもの) 相始(あいはじめ)申候《割書:ニ》付(つき)御 得意方(とくいがた) 引付(ひきつけ)呉(くれ)候 様(やう)相頼(あいたのみ)申候 貴家様(きかさま)《割書:ニ》者(は)御 出入方(でいりかた)茂(も) 【左丁】 多(おゝき)御 事(こと)《割書:ニ》奉_レ存候へ共(ども)何卒(なにとぞ) 御繁用(ごはんよう)之 節(せつ)者(は)少々(せう〳〵)宛(づゝ) 成共(なりとも)為(させ)_二御 染(そめ)_一被 下 候者(さふらはゞ)忝(かたじけなく) 奉_レ存候 無(なく)_二如在(じよさい)_一相働(あいはたらき)可_レ申 儀(ぎ)《割書:ニ》御座候 右(みぎ)以(もつて)_レ参(さんを)御 頼(たのみ)可(べき)_二 【右丁】 申上_一筈(はづ)《割書:ニ》御座候 得(へ)共(ども)乍(ながら)_二 自由(じゆう)_一以(もつて)_二書面(しよめん)_一如(ごとく)_レ斯(かくの) ̄ニ御座候 恐々(きやう〳〵)不具(ふぐ)   同返事 御花墨(ごくわぼく)被(され)_レ 下(くだ)忝(かたじけなく)拝見(はいけん) 【左丁】 仕候 紺屋(こんや)何某(なにがし)今日(こんにち)御 出(いで) 御紙上(ごしじやう)之 趣(おもむき)承知(しようち)仕候 御案内(ごあんない)之 通(とをり)彼是(かれこれ)出入(でいり) 方(かた)も有(あり)_レ之(これ)候 得(へ)共(ども)折(をり)者(は) 手支(てづかへ)候 事(こと)儘(まゝ)有(あり)_レ之(これ)候 幸(さいわゐ) 【右丁】 今日(こんにち)染出(そめいだし)弐拾反(にじつたん)御 頼(たのみ)申 入(いり)候 尤(もつとも)貴家(きか)御 引合(ひきあい)之 儀(ぎ) ̄ニ 御座候 得(へ)者(ば)御如才(ごじよさい)有(ある)間(ま) 敷(じく)奉_レ存候へ共(ども)随分(ずいぶん)御念(ごねん)入(いれ) 被_レ 下候 様(やう)御 序(ついて)之 節(せつ)被【二点脱】 【左丁】 仰含(おほせふくめ)_一可_レ被_レ 下候 右(みぎ)貴報(きほう)迄(まで) 取急(とりいそぎ)早々(さう〳〵)以上   油(あぶら)相場(そうば)為(せ)_レ知(しら)状 以(もつて)_二早便(そうびん)_一申上候 弥(いよ〳〵)御堅栄(ごけんゑい) 之御 事(こと)珍重(ちんちやう)奉_レ存候 【右丁】 先達(せんだつ)而(て)被(られ)_二仰聞(おほせきけ)_一候 油(あぶら) 此節(このせつ)下直(げじき)《割書:ニ》相成(あいなり)申候 故(ゆへ) 御 買入(かいいれ)之 儀(ぎ)如何(いかゞ)《割書:ニ》御座候 哉(や) 御 尋(たづね)申上候 当年(たうねん)種(たね)之 出来(でき)も宜(よろしく)相見得(あいみへ)し候 故(ゆへ) 【左丁】 相場(そうば)余程(よほど)引下(ひきさげ)申候 併(しかし) 下地(したぢ)相乾(あいかはき)有(あり)_レ之(これ)候 事(こと) ̄ニ候へ者(ば) 亦々(また〳〵)盆後(ぼんご) ̄ニ茂(も)相成(あいなり)候(さふらは)者(ば) 引〆(ひきしめ)可_レ申 愚意(ぐい)存候 尚(なを) 御勘考(ごかんこう)之 上(うへ)唯今(たゞいま)之 内(うち) 【右丁】 御 買入(かいいれ)可(べき)_レ然(しかる)哉(や) ̄ニ奉_レ存候 否(いな)御貴報(ごきほう)奉_レ待(まち)候 恐惶(きやうくわう)   京都(きやうと)《割書:江(へ)》売薬(ばいやく)頼(たのみ)状 一筆(いつひつ)啓上(けいじやう)仕候 御全家様(ごせんかさま) 御 揃(そろひ)愈(いよ〳〵)御勇康(ごゆうかう)可(べく)_レ被(さる)_レ遊(あそば)_二 【左丁】 御座_一珍重(ちんちやう)奉_二歓喜(くわんぎ)_一候 然(しかれ)者(ば) 此度(このたび)不思議(ふしぎ)之 事(こと) ̄ニ而 長崎(ながさき) 名医(めいい)入魂(じつこん) ̄ニ相成(あいなり)申候之 処(ところ) 小児(せうに)薬法(やくほう)伝授(でんじゆ)候 ̄ニ付(つき)精々(せい〴〵) 相様(あいためし)見(み)申候 処(ところ)誠(まこと)《割書:ニ》結構(けつかう)之 【右丁】 製法(せいほう) ̄ニ而 功験(こうげん)奇妙(きみやう) ̄ニ御座 候 故(ゆへ)御 地(ち)《割書:江(へ)》茂(も)出店(でみせ)仕 度(たく)存 候 得(へ)共(ども)無人(ぶにん) ̄ニ而 手(て)茂(も)廻(まはり)不(ず)_レ申(まうさ)候 間(あいだ)御面倒(ごめんだう)《割書:ニ》可(べく)_レ有(ある)_二御座_一候 得(へ)共(ども)貴家(きか)御 店(みせ) ̄ニ而御 弘(ひろめ)被_レ 下 【左丁】 間敷(まじき)哉(や)急度(きつと)御 益(ゑき) ̄ニ茂(も) 相成(あいなり)可_レ申候 間(あいだ)分而(わけて)御 頼(たのみ)申 上候 否(いな)哉(や)御報(ごほう)奉_レ頼(たのみ)候 猶(なを) 委細(いさい)者(は)御面談(ごめんだん)可_二申上_一候以上   同返事 【右丁】 御紙面(ごしめん)被_レ 下 忝(かたじけなく)拝読(はいどく)仕候 先(まづ)以(もつて)弥(いよ〳〵)御堅達(ごけんたつ)之 趣(おもむき)珍重(ちんちやう) 奉_レ寿(じゆし)候 然(しかれ)者(ば)小児(せうに)売薬(ばいやく) 之 事(こと)被(され)_二仰(おほせ)下(くだ)_一承知(せうち)仕候 御存(ごぞんじ)之 通(とをり)家内(かない)隙 ̄ニ罷(まかり)在(あり) 【左丁】 候 事(こと)故(ゆへ)何(なに)哉(がな)見世商(みせあきなひ) ̄ニ而 茂(も) 可(べく)_レ仕(つかまる)存念(ぞんねんに)罷(まかり)在(あり)候 処(ところ)幸(さいにひ)【注】之 御 儀(ぎ) ̄ニ候(さふら)得(へ)者(ば)随分(ずいぶん)御 世話(せわ) 可_レ仕候 迚(とて)茂(も)之御 事(こと)看板(かんばん)等(とう) 立派(りつぱ) ̄ニ御 拵(こしらへ)被_レ 下 度(たし)何(いづ)れ 【注 「さいわひ」の誤ヵ】 【右丁】 御光来(ごくわうらい)可_レ被_レ 下 拝眉(はいび)万々(はん〳〵) 御示談(ごじだん)可_レ申候 不(ず)_二取敢(とりあへ)_一貴答(きとう) 迄(まで)如(ごとく)_レ此(かくの) ̄ニ御座候 頓首(とんしゆ)   江戸(ゑど)舟積(ふなづみ)案内(あんない)状 一筆(いつぴつ)啓上(けいじやう)仕候 益(ます〳〵)御安康(ごあんかう) 【左丁】 被(され)_レ遊(あそば)_二御座_一幸慶(かうけいの)御 儀(ぎに)奉_レ存候 然(しかれ)者(ば)番船(ばんふね)来月(らいげつ)十日 出船(しゆつせん) ̄ニ 御座候 ̄ニ付(つき)三日 迄(まで) ̄ニ積切(つみきり)申候 間(あいだ)御荷物(ごにもつ)早々(そう〳〵)御 差出(さしいだし)可 _レ被_レ 下候 当年(たうねん)者(は)荷物(にもつ)殊外(ことのほか) 【右丁 上段】 【囲みの中の見出し】潮汐(しほとき)暗記(そらおぼへ)之(の)法(ほふ) 其日の数に四をかけて十にみつる ものを一時と定(さだ)め朝の五ツ時 より順(じゆん)にかぞへ端(はした)あるものは其 時の何分(なんぶ)と知るべしたとへば今 十三日のしほは何時ぞといふに まづ十三に四をかくれば五十二 と成これを五ッ時よりくりはじ む十(五ッ)二十(四ッ)三十(九ッ)四十(八ッ)五十(七ッ)とかぞへみ れば十三日は七ッ二分のしほ也と 知るべし夫(それ)より四時すぎて夜(よる) の四ッ二分を干(ひ)しほと知るべし 余(よ)はいづれもこれに同じ但し 朝しほ七ッ二分なれば夕しほも 七ッ二分と心得べし 【囲みの中の見出し】年中(ねんぢう)風雨(ふうう)之(の)考(かんがへ) ○日の出を見るに色あかきは雨色 黄なるは大風 青(あを)きは雨風くも 【左丁 上段】 多きは風くもおほくやふるゝは 雨そらあかきは風そら黄な るは雨かみなり ○日の入を見るに雲多きは雨雲 みだるゝは風くものねなきははれ 雲の中に入りても夕やけよくすれば ふらざることもあり日入てのち 西あかくして次第(しだい)にうすくなる ははれあかくしてやがてくらく なるは雨日の高入りするごとく 見ゆるはひよりかわるなり ○風雨北よりふくははれ東風は 雨但しつゆと土用(どよう)とにはふり つゞきたる雨もあがるものなり 風くもにさき立てふくは雨雲 におくるゝははれ ○雲たちのぼりてきゆればはれ みだれてとぶは大風みづまきは 雨一天に雲なくはれて青き は三日の内に雨ふるなり 【右丁 下段 挿絵のみ】 【左丁 下段】 早綿(はやわた)  出船(しゆつせん)   之(の)図(づ) 【右丁】 多(おほく)御座候 ̄ニ付(つき)後(をく)れ候 得(へ)者(は) 跡舟(あとふね) ̄ニ相成(あいなり)申候 尤(もつとも)追積(おいづみ)者(は) 廿二三日 頃(ごろ) ̄ニ御座候 此段(このだん)御承(ごせう) 知(ち)可_レ被_レ 下候 右(みぎ)御案内(ごあんない)申 上 度(たく)如(ごとく)_レ斯(かくの)御座候以上 【左丁】   同返事 御状(ごじやう)被_レ 下 令(せしめ)_二拝見(はいけん)_一候 弥(いよ〳〵)以(もつて) 御安全(ごあんせん)之御 事(こと)珍重(ちんちやう)奉_レ存候 然(しかれ)者(ば)出船(しゆつせん)之 儀(ぎ)為(せ)_二御 知(しら)_一被_レ 下 承知(せうち)仕候 則(すなはち)昨日(さくじつ)荷物(にもつ)悉(こと〴〵く) 【右丁】 指出(さしいだし)申候 定(さため)而(て)今日(こんにち)着(ちやく)可 _レ仕奉_レ存候 宜(よろしく)御 頼(たのみ)申入候 且(かつ)荷物(にもつ)之 儀(ぎ)者(は)不(ず)_レ残(のこら)出(いだ)し 申候 故(ゆへ)追積(おいづみ)者(は)無(なく)_二御座_一 候 間(あいだ)此段(このだん)御承知(ごせうち)可【レ点脱】被_レ 下候 【左丁】 右(みぎ)御報(ごほう)迄(まで)如(ごとくに)_レ此(かくの)御座候以上   大坂(おほさか)《割書:江(へ)》旅宿(りよしゆく)頼(たのみ)状 一簡(いつかん)啓達(けいだつ)仕候 其后(そののち)者(は) 御疎遠(ごそゑん)奉_レ存候 春暖(しゆんだん)之 砌(みぎり) 御 揃(そろひ)御壮剛(ごさうかう)可【レ点脱】被_レ成(な)_二御座_一 【右丁】 奉_レ賀(がし)候 何角与(なにかと)多用(たように)取紛(とりまぎれ) 御(ご)不 沙汰(さた)之 段(だん)御用捨(ごようしや)可_レ被_レ 下候 然(しかれ)者(ば)此度(このたび)主家(しゆか)之 後室(こうしつ) 御 地(ち)見物(けんぶつに)参(まいり)度(たき)旨(むね)被(され)_レ申(もふ)候 ̄ニ付(つき) 両(りやう)三日之 内(うち)出坂(しゆつぱん)仕候 始(はじめ)而(て)之 【左丁】 儀(ぎ)《割書:ニ》付(つき)暫(しばらく)逗留(とうりう)被(され)_レ致(いた)候(さふら)得(へ)者(ば) 何卒(なにとぞ)奇麗(きれい)成(なる)宜(よろしき)旅宿(りよしゆく) 御 世話(せわ)被_レ 下 度(たく)偏(ひとへ) ̄ニ御 憑(たのみ) 申上候 上下(じやうげ)七 人(にん)下拙(げせつ)《割書:も| 御》供(とも) 仕候 着(ちやく)船(せん)之 上(うへ)御左右(ごさう)可 【右丁】 _レ仕 直様(すぐさま)旅宿(りよしゆく)《割書:江(へ)》御案内(ごあんない) 被_レ 下候 様(やう)奉_二頼(たのみ)上_一候 恐々(きやう〳〵)   同返事 鴈墨(がんぼく)忝(かたじけなく)拝見(はいけん)仕候 如(ごとく)_レ仰(おほせの) 其後(そののち)者(は)打絶(うちたへ)御 物遠(ものどふに)奉 【左丁】 【レ点脱】存候 先(まづ)以(もつて)愈(いよ〳〵)御堅勝(ごけんせう)之 趣(おもむき) 奉_レ寿(じゆし)候 然(しかれ)者(ば)御本家(ごほんけ)後室(こうしつ)様(さま) 御下坂(ごげはん) ̄ニ付(つき)御 宿(やど)之 儀(ぎ)被(され)_二仰(おほせ) 下(くだ)_一承知(しようち)仕候 幸(さいはひ)懇意(こんい)之 方(かた) ̄ニ此節(このせつ)普請(ふしん)も出来上(できあが)り 【右丁】 申候而 甚(はなはだ)奇麗(きれい) ̄ニ相成(あいなり)尤(もつとも) 諸事(しよじ)叮嚀(ていねいに)取扱(とりあつかひ)致(いたし)候 方(かた) 御座候 得(へ)者(ば)可_二申 付(つけ)置(をく)_一候 為(せ)_二御 知(しら)_一次第(しだい)直様(すぐさま)御案内(ごあんない) 可_一申上_一候已上 【左丁】   年始状(ねんしじやう) 新春(しんしゆん)之(の)御慶賀(ぎよけいが)不(ず)_レ可(べから) _レ有(ある)_二尽期(じんご)御座_一目出度(めでたく) 申(まうし)籠(こめ)候(さふらふ)先(まづ)以(もつて)其(その)御表(おんおもて) 御渾家(ごこんか)御揃(おんそろひ)弥(いよ〳〵)御勇健(ごゆうけん) 【右丁】 可(べく)_レ被(さる)_レ遊(あそば)_二御超歳(ごちやうさい)_一珍重(ちんちやう)之(の) 御儀(おんぎに)奉(たてまつり)_レ寿(じゆし)候 然(しかれ)者(ば)例年(れいねん) 之(の)通(とをり)日記(につき)筆(ふで)五十 対(つい) 進上(しんじやう)_レ之(これを)仕(つかまつり)候 聊(いさゝか)年玉(ねんぎよく)之 証(しるし)迄(まで)《割書:ニ》御座(ござ)候 猶(なを)不(ず)_二相変(あいかはら)_一 【左丁】 御用向(ごようむき)被(られ)_二仰付(おほせつけ)_一被(され)_レ 下(くだ)候(さふらふ)様(やう) 奉(たてまつり)_二願上(ねがひあげ)_一候 先(まづ)者(は)年頭(ねんとう) 御祝詞(ごしうし)申上(まうしあげ)度(たく)如(ごとく)_レ是(かくの)《割書:ニ》 御座(ござ)候 猶(なを)期(ごし)_二永春(ゑいしゆん)之(の)時(ときを)_一候 恐惶謹言(きやうくわうきんげん) 【右丁】   同(おなじく)返事(へんじ) 御祝書(ごしうしよ)忝(かたじけなく)拝読(はいどく)仕候 如(ごとく)_二来命(らいめいの)_一改暦(かいれき)之(の)御吉賀(ごきつか) 一天(いつてん)同風(どうふう)重畳(ちやうでう)目出度(めでたく) 申 収(おさめ)候 其(その)御 表(おもて)御家内(ごかない)様(さま) 【左丁】 弥(いよ〳〵)御安泰(ごあんたい)被(され)_レ成(な)_二御迎歳(ごかうさい)_一 奉_二歓賀(くわんが)_一候 次(つぎ)《割書:ニ》爰元(こゝもと)無(なく)_二 異儀(いぎ)_一重年(ちやうねん)仕候 乍(ながら)_レ憚(はばかり) 御安慮(ごあんりよ)可_レ被_二成下(なしくだ)_一候 然(しかれ)者(ば) 為(して)_二御嘉例(ごかれいと)_一御年玉(ごねんぎよく)之 品(しな) 【右丁】 被_二送下(をくりくだ)【一点脱】辱(かたじけなく)幾久(いくひさしく)受納(じゆなふ) 仕候 先(まづ)者(は)右(みぎ)御 礼(れい)御祝(ごしう) 詞(し)旁(かた〴〵)如(ごとく)_レ斯(かくの) ̄ニ御座候 猶(なを)期(ごし)_二 陽春(ようしゆん)之 時(ときを)_一候 恐々謹言(きやう〳〵きんげん)   五月 節句(せつく)祝義(しうぎ)状 【左丁】 一筆(いつひつ)啓上(けいじやう)仕候 端午(たんご)之 御祝儀(ごしうぎ)目出度(めでたく)奉_レ存候 先(まづ)以(もつて)其(その)御 許(もと)御壮健(ごさうけん) 奉_一【二点の誤】欣幸(きんかう)_一候 別而(べつして)当節(たうせつ)者(は) 御 和子(わこ)様(さま)之 御嘉義(ごかぎ) 【右丁】 奉_レ寿(じゆし)候 依而(よつて)甚(はなはだ)麤末(そまつ)之 至(いたり)《割書:ニ》候 得(へ)共(ども)破魔弓(はまゆみ)弐挺(にてう) 進上(しんじやう)仕候 嘸(さぞ)賑々敷(にぎ〳〵しく)為(せ)_二 御 錺(かざり)_一候半(さふらはん)と於(おゐて)_二爰元(こゝもとに)_一茂(も) 折角(せつかく)御 噂(うわさ)申 居(い)候 先(まづ)者(は) 【左丁】 右(みぎ)御 歓(よろこび)申上 度(たく)如(ごとく)_レ此(かくの) ̄ニ御座候 乍(ながら)_二末筆(まつひつ)_一殿方(どなた)様(さま)《割書:江(へ)》茂(も)可 _レ然(しかる)御伝声(ごでんせい)可_レ被_レ 下候不 具(ぐ)   同返事 菖蒲(あやめ)之 為(して)_二御祝義(ごしうぎと)_一 【右丁】 御状(ごじやう)被_レ 下 忝(かたじけなく)披覧(ひらん)仕候 愈(いよ〳〵)御堅剛(ごけんかう)被_レ成_二御座_一 大慶(たいけい)之 至(いたりに)奉_レ存候 偖(さて)者(は) 倅(せがれ)【注】《割書:江(へ)》為(して)_二御 祝(いはひと)_一見事(みごと)之 御 品(しな)被(られ)_レ懸(かけ)_二御意(ぎよいに)_一御深情(ごしんしやう) 【左丁】 之 程(ほど)忝(かたじけなき)次第(しだいに)奉_レ存候 幾(いく) 久(ひさしく)拝納(はいなふ)仕候 家内(かない)ゟ(より)茂(も)宜(よろしく) 御 礼(れい)申上候 様(やう)申 聞(きけ)候 猶(なを) 貴面(きめん)之 節(せつ)万々(ばん〳〵)御 礼(れい)可_二 申上_一候 条(でう)粗(ほゞ)貴答(きとう)迄(まで)如(ごとく) 【悴は俗字】 【右丁】 _レ是(かくの)《割書:ニ》御座候 恐々(きやう〳〵)不 備(び)   九月 節句(せつく)祝儀(しうぎ)状 重陽(ちやうよう)之御 佳祥(かしよう)目出度(めでたく) 申 納(をさめ)候 益(ます〳〵)御静謐(ごせいひつ)被(され) _レ遊(あそば)_二御座_一歓幸(くわんかう)之御 儀(ぎに) 【左丁】 奉_レ寿(じゆし)候 誠(まこと)《割書:ニ》貴家(きか)様(さま) ̄ニ者(は) 定而(さだめて)后(のち)之 雛(ひいな)被(され)_レ遊(あそば)_二御 祭(まつり)【一点脱】 候 半(はん)与(と)奉_レ察(さつし)候 仍而(よつて)甚(はなはだ) 咲(さき)乱(みだれ)候 得(へ)共(ども)庭前(ていぜん)之(の)菊(きく) 進呈(しんてい)仕候御 慰(なぐさみに)相成(あいなり)候(さふらは)者(ば) 【右丁】 大慶(たいけい)仕候 右(みぎ)御 祝辞(しうじ) 為(ため)_二可申上_一呈(ていし)_二愚札(ぐさつを)_一候 不詳謹言(ふしやうきんげん)   同返事 貴翰(きかん)忝(かたじけなく)拝誦(はいじゆ)仕候 弥(いよ〳〵)以(もつて) 【左丁】 御安静(ごあんせい)珍重(ちんちやう)奉_レ存候 然(しかれ)者(ば)為(して)_二重九(ちやうきう)之 御祝(ごいはひと)_一 御庭前(ごていぜん)之菊花(きくのはな)二 種(しゆ) 被(され)_二贈下(をくりくだ)_一御厚志(ごこうし)忝(かたじけなく)奉 _レ存候 幸(さいはひ)只今(たゞいま)来客(らいきやく)在(あり) 【右丁】 _レ之(これ)候《割書:ニ》付(つき)直様(すぐさま)移(うつし)_二瓶中(へいちうに)【一点脱】 持賞(もてなし)一入(ひとしほ)歓悦(くわんえつ)仕候 且(かつ) 為(たる)_レ差(さし)儀(ぎ)茂(も)無(なく)_二御座_一候 得(へ)共(ども) 若(もし)御閑隙(ごかんげき)《割書:ニ》茂(も)御座(ごさ)候(さふらは)者(ば) 些々(ちと〳〵)御来降(ごらいがう)可_レ被_レ 下候 【左丁】 麤酒(そしゆ)一献(いつこん)呈進(ていしん)仕 度(たく)候 先(まづ)者(は)御 礼答(れいとう)猶(なを)御来駕(ごらいか) 之 程(ほど)奉_レ待(まち)候 頓拝(とんはい)   婚礼(こんれい)祝義(しうぎ)状 一筆 啓上(けいじやう)仕候 今般(こんぱん) 婚礼(こんれい)式之(しきの)心得(こゝろえ) それ婚礼は人間(にんげん)三礼の一にして一 生のはれ事なれども元来(ぐはんらい)子(し) 孫(そん)相続(さうぞく)のためなれば努々(ゆめ〳〵)おごる べからずさりとて又 倹約(けんやく)にすぐ べからず唯(たゞ)身分(みぶん)相応(さうおう)をまもる こと肝要(かんえう)なりその作法(さほふ)貴賤(きせん) ともに際限(かぎり)あるべからずといへ ども極略(ごくりやく)にして闕(かく)ましき式を あらまし左にしるす 結納(たのみ)の式は身のほどをあらはすの はじめなればよく〳〵仲人(なかうど)に相(さう) 談(だん)して婚礼の式 相応(さうおう)に過不(くわふ) 及(きう)なきやうにとりはからふべし 扨当日になりて夫婦(ふうふ)座(ざ)に着(つけ)ば まづ手がけ三ッ盃(さかづき)を出し夫(をつと)上 の盃を取そめて三 献(こん)のみ嫁(よめ)に さす嫁また三献のむべし次に 雑煮(ざふに)を出し嫁二の盃を取そ めて夫婦たがひに三献づゝのむ べし次に吸物(すひもの)を出し夫下の 盃を取そめてたがひに三献づゝ のむべし是(これ)にて三々九 度(ど)の式 すむなり扨 色直(いろなを)しの心もち にて夫婦 座(ざ)をあらため両家(りやうけ)の 親類(しんるい)とも盃事あり此ときは 盃一ッを小角(こかく)にすへて出しとり ざかな等もあるべし扨 本膳(ほんぜん)を出 す尤(もつとも)嫁は高もりたるべし次に 菓子(くわし)茶(ちや)など出しておの〳〵 退散(たいさん)すべし其後(そのゝち)床盃(とこさかづき)の式 あるべしこれも盃一ッ小角にすへ 取肴(とりざかな)等にて出す此時は嫁より はじめて夫へ盃をさすなり 銚子(てうし)提子(ひさげ)のかわりに間鍋を用 ゆべし蝶花形(てうはながた)高貴(かうき)のかざり つけなれば下ざまにてははばか りて用ゆべからず凡(すべて)礼は其分限(そのぶんげん) を犯(おか)すを以て非(ひ)とすること思(おも)ふべし 【右頁下段】 婚(こん)  礼(れい) 之(の) 図(づ) 【右丁】 御婚礼(ごこんれい)首尾(しゆび)克(よく)被_レ遊_二 御 整(とゝのひ)_一千鶴万亀(せんくはくばんき)目出(めで) 度(たく)奉_レ存候 随而(したかつて)軽少(けいせう)之 至(いたり)御座候 得(へ)共(ども)御 扇子(せんす)一 箱(はこ) 鰹節(かつほぶし)一 台(だい)和紙(わし)五 束(そく) 【左丁】 進-上(しんじやう)_レ之(これを)仕候 聊(いさゝか)祝義(しうぎの) 証(しるし)迄(までに)御座候 右(みぎ)御 歓(よろこび)申 上 度(たく)如(ごとくに)_レ斯(かくの)御座候 恐惶(きやうくわう) 謹言(きんげん)   同 礼(れい)状 【右丁】 尊翰(そんかん)忝(かたじけなく)拝披(はいひ)仕候 此度(このたび) 如(ごとく)_二御承意(ごせういの)_一拙者(せつしや)婚礼(こんれい)無(なく) _レ滞(とゞこふり)相済(あいすみ)候 為(して)_二御祝義(ごしうぎと)_一 目録(もくろく)之 通(とをり)被(され)_二饋下(をくりくだ)_一千万(せんばん) 辱(かたじけなく)幾久(いくひさしく)受納(じゆなふ)仕共 親共(おやども) 【左丁】 ゟ(より)茂(も)宜(よろしく)御 礼(れい)申上候 様(やう)申 付(つけ)候 直様(すぐさま)以(もつて)_レ参(さんを)御 礼(れい)可_二申 上_一筈(はづ) ̄ニ候 得(へ)共(ども)何角(なにか)取紛(とりまぎ)れ 乍(ながら)_二失敬(しつけい)_一以(もつて)_二書面(しよめん)_一御報(ごほう)如(ごとく)_レ此(かくの) ̄ニ 御座候 恐々謹言(きやう〳〵きんげん) 【右丁】   元服(げんぶく)歓(よろこび)状 以(もつて)_二手簡(しゆかん)_一申上候 秋冷(しうれい)之 砌(みぎり) 弥(いよ〳〵)御壮昌(ごさうしよう)可_レ被_レ成(な)_二御座_一奉_二 大幸(たいかう)_一候 今日(こんにち)者(は)就(つき)_二吉辰(きつしんに)_一 御子息(ごしそく)様(さま)御元服(ごげんぶく)被_レ成候 【左丁】 由(よし)目出度(めでたき)御 儀(ぎに)奉_レ存候 定而(さだめて)克(よく)被(され)_レ成(な)_二御 似合(にあい)_一候 半(はん)与(と) 奉_レ察(さつし)候 此(この)品(しな)甚(はなはだ)見苦鋪(みぐるしく) 候 得(へ)共(ども)聊(いさゝか)御 祝(いはひの)印(しるし)迄(まで)進覧(しんらん) 仕候 猶(なを)后刻(ごこく)拝面(はいめん)御 歓(よろこび) 【右丁】 可_二申上_一候 頓首(とんしゆ)   同返事 朶雲(だうん)忝(かたじけなく)致(いたし)_二拝見(はいけん)_一候 弥(いよ〳〵) 御昌栄(ごしやうゑい)之御 事(こと)珍重(ちんちやう) 不(ず)_レ斜(なゝめなら)奉_レ存候 然(しかれ)者(ば)悴(せがれ)義(ぎ) 【左丁】 為(せ)_レ致(いたさ)_二元服(げんぶく)_一候 為(して)_二御 祝(いはひと)_一重宝(ちやうほうの) 御 品(しな)御 恵(めぐみ)被(され)_レ 下(くだ)御悃志(ごこんし)之 段(だん)千万(せんばん)忝(かたじけなく)奉_レ存候 就(つき)_レ夫(それに) 乍(ながら)_レ序(ついで)申上候 明後日(みやうごにち)為(たる)_レ差(さし) 御奔走(ごほんそう)茂(も)無(なく)_二御座_一候 得(へ)共(ども) 【右丁】 麤酒(そしゆ)進上(しんじやう)申 度(たく)候 間(あいだ)乍(ながら)_二 御苦労(ごくらう)_一御光駕(ごくわうが)可_レ被_レ 下候 右(みぎ)御 礼(れい)御案内(ごあんない)旁(かた〴〵)粗(あら〳〵)如(ごとく)_レ此(かくの) ̄ニ 御座候不 備(び)   安産(あんさん)歓(よろこび)状 【左丁】 以(もつて)_二手紙(てがみ)_一申上候 御令室(ごれいしつ)様(さま) 御 事(こと)御平産(ごへいさん)被_レ成 殊更(ことさら) 御男子(ごなんし)御出生(ごしゆつしやう)之 由(よし)嘸々(さぞ〳〵) 御満足(ごまんぞく)目出度(めでたく)奉_レ存候 弥(いよ〳〵)御両所(ごりやうしよ)様(さま)共(とも)御機嫌(ごきけん)能(よく) 【右丁】 御 肥立(ひだち)可_レ被_レ成 珍重(ちんちやう)不(ず)_レ過(すぎ) _レ之(これに)奉_レ存候 随而(したがつて)軽微(けいびの)至(いたり)《割書:ニ》 御座候 得(へ)共(ども)御 肴(さかな)一 折(をり)御 祝(いはひの) 書印(しよゐん)迄(まで)進上(しんじやう)仕候 猶(なを)拝(はい) 眉(び)之 節(せつ)万慶(ばんけい)可_二申上_一候 【左丁】 恐々(きやう〳〵)不 具(ぐ)   同返事 御懇書(ごこんしよ)被_レ 下 忝(かたじけなく)披覧(ひらん) 仕候 愚妻(ぐさい)就(つき)_二平産(へいさんに)_一為(して)_二 御 嘉儀(かぎと)_一見事(みごと)之御 肴(さかな) 【右丁】 被(られ)_レ懸(かけ)_二貴慮(きりよに)_一御深情(ごしんじやう)忝(かたじけなく) 受納(じゆなふ)仕候 猶(なを)期(ごし)_二貴面(きめんを)_一御 礼(れい) 可_二申上_一候 条(でう)御家内(ごかない)様(さま)《割書:江(へ)》 宜(よろしく)御 伝声(でんせい)可_レ被_レ 下奉 _レ頼(たのみ)候 早々(そう〳〵)不 宣(せん) 【左丁】   家(いへ)買得(ばいとく)悦(よろこび)状 一筆 致(いたし)_二啓達(けいだつ)_一候 春寒(しゆんかん) 之 節(せつ)愈(いよ〳〵)御安静(ごあんせい)被(され)_レ成(な)_二 御座_一大慶(たいけい)奉_レ存候 兼而(かねて) 被(られ)_二仰聞(おほせきけ)_一候 何町(なにまち)家屋鋪(いへやしき) 【右丁】 此度(このたび)御買得(ごばいとく)被_レ成候之 由(よし) 重畳(ちやうでう)目出度(めでたき)御 儀(きに)奉_レ存候 勿論(もちろん)御商売(ごしようばい)向(むき)御勝手(ごかって)等(とう) 能(よき)所柄(ところがら) ̄ニ而 一入(ひとしほ)御満悦(ごまんえつ)与(と)奉_二 寿察(じゆさつ)_一候 早速(さつそく)御 歓(よろこび)旁(かた〴〵) 【左丁】 上京(じやうきやう)可_レ仕候 処(ところ)此日(このごろ)荷物(にもつ) 積込(つみこみ)最中(さいちう)《割書:ニ》付(つき)以(もつて)_二書章(しよしやう)_一 御 歓(よろこび)申上候 就(つき)而(て)者(は)此節(このせつ) 沢山(たくさん)成(なる)品(しな)《割書:ニ》御座候 得(へ)共(ども) 鯛(たい)十 枚(まい)奉進(ほうしん)仕候 誠(まこと)《割書:ニ》 【右丁】 御 祝(いはひの)験(しるし)迄(までに)御座候 恐々(きやう〳〵) 謹言(きんげん)   同返事 玉章(ぎよくしやう)辱(かたじけなく)令(せしめ)_二拝覧(はいらん)_一候 然(しかれ)者(ば)先達而(せんだつて)御 噂(うわさ)申上候 【左丁】 売家(うりいへ)漸々(やう〳〵)致(いたし)_二買得(ばいとく)_一候 義(ぎ) 疾(とく)及(および)_二御 聞(きゝ)_一種々(しゆ〴〵)預(あづかり)_二御 祝(いはひに)_一 忝(かたじけなく)奉_レ存候 兼而(かねて)御 噺(はなし)申 上候 通(とをり)商売向(しやうばいむき)諸事(しよじ) 便利(べんり)能(よく)御座候而 大慶(たいけい)御 察(さつし) 【右丁】 之 通(とふり) ̄ニ御座候 近々(きん〳〵)手代(てだい)共(ども) 差下(さしくだし)候 得(へ)者(ば)帰京(ききやう)之 刻(きざみ) 御同道(ごどう〳〵)御入来(ごじゆらい)可_レ被(さる)_レ 下奉_二 待入(まちいり)_一候 先(まづ)者(は)右(みぎ)御 酬答(しうとう)申(まうし) 上 度(たく)如(ごとくに)_レ此(かくの)御座候已上 【左丁】   別家(へつけ)歓(よろこび)状 以(もつて)_二愚章(ぐしやう)_一申入候 貴公(きこう)様(さま) 今度(こんど)御別宅(ごべつたく)被_レ成候 段(だん) 目出度(めでたく)奉_レ存候 誠(まことに)年来(ねんらいの) 御勤功(ごきんこう)故(ゆへ)御主人(ごしゆじん)様(さま)《割書:ニ》も 【右丁】 御 歓(よろこび)之 程(ほど)奉_レ察(さつし)候 将又(はたまた) 近日(きんじつ)御 店開(みせびらき)茂(も)被_レ成候 由(よし) 重畳(ちやう〴〵の)御 事(こと)奉_レ寿(じゆし)候 就(つき)_レ夫(それに) 甚(はなはだ)以(もつて)麤抹(そまつ)之 品(しな)《割書:ニ》候 得(へ)ども 十露盤(そろばん)一 挺(てう)御酒(ごしゆ)一 樽(そん) 【左丁】 進入(しんにう)仕候 聊(いさゝか)御 歓(よろこび)可_二申 伸(のぶ)_一 寸志(すんし)迄(まで)《割書:ニ》御座候 謹言(きんげん)   同返事 貴簡(きかん)忝(かたじけなく)奉_二拝読(はいどく)_一候 弥(いよ〳〵) 御壮栄(ごさうゑい)被(され)_レ遊(あそば)_二御座_一幸甚(かうじんの) 【右丁】 御 儀(ぎに)奉_レ存候 此度(このたび)主人(しゆじん)ゟ(より) 別宅(べつたく)被(られ)_二申 付(つけ)_一大慶(たいけい)仕候 儀(ぎ) ̄ニ御座候 因(よつて)_レ茲(これに)種々(しゆ〴〵)別而(べつして) 重宝(ちやうほう)之 品(しな)御恵投(ごゑとう)被_レ 下 御厚篤(ごこうとく)之 段(だん)不(ず)_レ浅(あさから)辱(かたじけなく) 【左丁】 拝納(はいなふ)仕候 尚(なを)不(ず)_二相変(あいかはら)_一御懇(ごこん) 意(い)被_二成下(なしくだ)_一度(たく)奉_レ願(ねがひ)候 国本(くにもと) 両親(りやうしん)此節(このせつ)参居(まいりい)候而 御厚(ごこう) 慮(りよ)之 程(ほど)《割書:私(わたくし)ゟ(より)》宜(よろしく)御 礼(れい)可_二 申上_一候 様(やう)申 付(つけ)候 委曲(いきよく)以(もつて)_二 老人食物(らうじんしよくもつ)之(の)製法(せいほふ) 〇一切うみ魚(うを)をほねまでやはら  かにするには山査子(さんさし)を二三 粒(りう)  入て煮(に)るべし頭(かしら)せぼねまでも  やはらかにしてしかも魚毒(うをのどく)を  解(げ)すゆへあたることなし 〇一切川魚をやはらかにする  には米泔水(しろみづ)に醤油(しやうゆう)をかげん  して煮るべしかしらもほねも  やはらかになりで小ぼねとい  へども舌(した)にさはることなし 〇あわびをやはらかにするには  貝(かい)をはなし大根(だいこん)にてよくたゝ  くべしいたつてやはらかに成也 〇たこをやはらかにするには備(び)  前(ぜん)すりばちのかけを入て煮る  べし又醤油のかげんをせんじ  茶(ちや)にてしかけ煮るべしいづ  れもよくやはらぎ箸(はし)にて  はさみ切らるゝなり 〇 昆布(こんぶ)をやはらかに煮るには先(まづ)  一 枚(まい)のまゝあらはずに水より入  てたきよくにへたる時水にてよく  あらひざつとほし扨 鮒(ふな)などを  つゝみて煮るべし    〇万年(まんねん)味噌(みそ)の伝(でん) 大豆壱升白米五合此二品をよく むし箱(はこ)にてもむしろにてもかけて ねやし花の付たるとき上酒と 醤油と合せ壱升四合にかうじ五合 を入よくかきまぜ風の入らぬやうに しこみ置(おき)なれ次第(しだい)になむべし   〇 梨子(なし)煉(ねり)の法(ほふ) 梨子をわさびおろしにてすり しるをしぼりて百匁 生姜(しやうが)のしぼ り汁(しる)廿匁 氷(こほり)おろし一 斤(きん)この三 品をつちなべに入すみ火にてたき せつかいにて手をやすめず底(そこ)を まはすべし飴(あめ)のごとく成なり 【右頁の下段】 年(ねん)  賀(が) 寿(じゆ)  筆(ひつ) 之(の)  図(づ) 【右丁】 参謁(さんえつ)_一可_二申上_一候 頓拝(とんはい)   年賀(ねんが)状 一書(いつしよ)啓上(けいじやう)仕候 益(ます〳〵)御康寧(ごかうねい) 可_レ被_レ成_二御座_一欣幸(きんかう)之御 儀(ぎに) 奉_レ存候 御尊父(ごそんぷ)様(さま)七旬(しちじゆん)之 【左丁】 御 賀(が)《割書:ニ》付(つき)明(みやう)廿日(はつか)参上(さんじやう)可_レ仕 様(やう)御 招(まねき)被_レ 下 忝(かたじけなく)奉_レ存候 誠(まことに) 御機嫌(ごきげん)能(よく)古来(こらい)稀(まれ)成(なる) 御 齢(よはひ)乍(ながら)【レ点脱】不(ず)_レ及(およば)愚詠(ぐゑい)一首(いつしゆ)入(いれ)_二 貴覧(きらんに)_一申候 尚(なを)拝顔(はいがん)万々(ばん〳〵) 【右丁】 御 歓(よろこび)等(とう)可_二申 述(のぶ)_一粗(ほゞ)如(ごとく)_レ斯(かくの)《割書:ニ》 御座候 恐々謹言(きやう〳〵きんげん)   同返事 御芳札(こはうさつ)辱(かたじけなく)拝見(はいけん)仕候 先(まづ)以(もつて)御安康(ごあんかう)被(され)_レ成(な)_二御座_一候 【左丁】 御 事(こと)奉_二大悦(たいゑつ)_一候 然(しかれ)者(は)老人(らうじん) 年賀(ねんが)之 為(して)_二御 祝(いはひと)_一結構(けつかう)之 御 寿衣(じゆい)被_二贈下(をくりくだ)_一御懇切(ごこんせつ)之 程(ほど)幾久(いくひさしく)受納(しゆなふ)仕候 下拙(けせつ)ゟ(より) 宜(よろしく)御 礼(れい)可_二申上 様(やう)_一申 付(つけ)候 【右丁】 右(みぎ)御 請(うけ)迄(まで)如(ごとく)_レ此(かくの)御座候 恐々頓首(きやう〳〵とんしゆ)   留主(るす)見舞(みまひ)状 愈(いよ〳〵)御安昌(ごあんしやう)被_レ遊(あそば)_二御座_一珍重(ちんちやう) 奉_レ賀(がし)候 然(しかれ)者(ば)御子息(ごしそく)様(さま) 【左丁】 御 儀(ぎ)先比(せんころ)ゟ(より)田舎(でんじや)表(おもて)《割書:江(へ)》御 越(こし) 被_レ成候而御 留主中(るすちう)定(さだめ)而(て) 御 淋敷(さびしく)可(べく)_レ有(ある)_二御座_一奉_レ察(さつし)候 御乗船(ごじやうせん)後(ご)者(は)天気(てんき)克(よく) 早速(さつそく)彼地(かのち)可_レ被_レ遊(あそば)_二御 着(ちやく)_一 【右丁】 奉_レ存候 此間(このあいだ)ゟ(より)御 見舞(みまひ) 可_二申上_一筈(はづ)之 処(ところ)時分(じぶん)多用(たように) 取粉(とりまぎれ)存外(ぞんぐわい)之 御(ご)不 沙汰(さた) 真平(まつぴら)御 免(めん)可_レ被_レ 下候 偖(さて)者(は) 不(ざる)_レ珍(めづらしから)【珎は俗字】品(しな)《割書:ニ》御座候 得(へ)共(ども)鯖鮓(さばのすし) 【左丁】 一 箱(はこ)懸(かけ)_二 御 目(めに)_一申候 猶(なを)当用(たうよう) 得(え)_二手透(てすきを)_一候者(さふらはゞ)以(もつて)_レ参(さんを)万々(ばん〳〵) 可_二申(まうし)承(うけたまはる)_一候 先(まづ)者(は)御尋問(ごじんもん) 旁(かた〴〵)如(ごとく)此(かくの) ̄ニ御座候已上   同返事 【右丁】 如(ごとく)_二尊諭(そんゆの)_一漸々(やう〳〵)春寒(しゆんかん)退(しりぞき) 申候 処(ところ)御壮健(ごさうけん)被_レ成_二御 入(いり)_一 幸甚(かうじん)之 至(いたりに)奉_レ存候 然(しかれ)者(ば) 悴(せがれ)義(ぎ)無(なき)_レ拠(よんどころ)用向(ようむき)在(あり)_レ之(これ)候 《割書:ニ》付(つき)西国(さいこく)筋(すじ)《割書:江》罷下(まかりくだり)申候 【左丁】 仰(おほせ)之 通(とをり)出立(しゆつたつ)後(ご)追日(ついじつ)暖気(だんきに) 相成(あいなり)天気(てんき)等(とう)茂(も)相続(あいつゞき)大悦(たいゑつ) 奉_レ存候 就(つき)_レ夫(それに)留主中(るすちう)為(して)【二点脱】 御尋問(ごじんもんと)_一好物(こうぶつ)之 一種(いつしゆ)送(をくり)給(たまはり) 千万(せんばん)忝(かたじけなき)次第(しだいに)奉_レ存(ぞんじ)候 早速(さつそく) 【右丁】 拝味(はいみ)可_レ仕 相楽(あいたのしみ)申候 猶(なを) 殿方様(どなたさま)《割書:江(へ)》茂(も)乍(ながら)_レ憚(はゞかり)宜敷(よろしく) 御伝詞(ごでんし)奉_レ頼(たのみ)候不 具(ぐ)   病人(びやうにん)見舞(みまひ)状 寸書(すんしよ)を以(もつて)申上候 秋冷(しうれい)之 砌(みぎり) 【左丁】 愈(いよ〳〵)御勇剛(ごゆうかう)可_レ被_レ成(な)_二御座_一 奉_レ賀(がし)候 然(しかれ)者(ば)誰様(たれさま)御 事(こと) 先頃(せんころ)ゟ(より)御病気(ごびやうき)之 由(よし)嘸(さぞ) 御心配(ごしんぱい)奉_二推察(すいさつ)_一候 早速(さつそく) 御 見舞(みまひ)可_二申上_一本意(ほんい) ̄ニ 【右丁】 御座候 処(ところ)下拙儀(けせつぎ)も頃日(このごろ)者(は) 被(され)_レ犯(おか)_二風邪(ふうじやに)_一引籠(ひきこもり)居(い)申候 《割書:ニ》付(つき)以(もつて)_二愚章(ぐしやう)_一御 尋(たづね)申上候 御如在(ごしよさい)無(なき)_レ之(これ)御 儀(ぎ) ̄ニ候 得(へ)ども 御老体(ごらうたい)之御 事(こと)御 介抱(かいほう) 【左丁】 一入(ひとしほ)専一([せ]んいち)之御 事(こと) ̄ニ奉_レ存候 且(かつ)軽少(けいせう)之 品(しな)《割書:ニ》御座候 得(へ)共(ども) 砂糖(さとう)一 箱(はこ)御 見舞(みまひ)書印(しよゐん)迄(まで) 進呈(しんてい)仕候 愚母(ぐぼ)より茂(も)宜(よろしく) 可_二申上_一様(やう)申 付(つけ)候以上 【右丁】   同返事 御悃書(ごこんしよ)相達(あいたつし)忝(かたじけなく)拝披(はいひ) 仕候 貴境(ききやう)弥(いよ〳〵)御安康(ごあんかう)先(まづ)以(もつて) 奉_レ賀(がし)候 然(しかれ)者(ば)病人(びやうにん)義(ぎ)御 尋(たづね) 被_レ 下 忝(かたじけなく)奉_レ存候 先頃(せんころ)者(は) 【左丁】 甚(はなはだ)容子(ようす)悪敷(あしく)御座候 処(ところ) 朋友(ほうゆう)懇意(こんい)之 医師(いし)至而(いたつて) 巧者(こうしや)之 由(よし)相勧(あいすゝめ)被_レ申候 故(ゆへ)相頼(あいたのみ) 申候 処(ところ)夫(それ)ゟ(より)次第(しだい) ̄ニ食事(しよくじ)等(とう) 相勧(あいすゝみ)頃日(このごろ) ̄ニ而者 余程(よほど)快気(くわいき) ̄ニ 【右丁】 趣(おもむき)候 間(あいだ)先(まづ)御安慮(ごあんりよ)可_レ被_二成下(なしくだ)_一候 且(かつ)為(して)_二御 見舞(みまひと)_一御 菓子(くわし)被 _レ 下 忝(かたじけなく)奉_レ存候 厚(あつく)御 礼(れい)申 上候 様(やう)申 聞(きけ)候 右(みぎ)御報(ごほう)為(ため)_レ可(べき)_二 申上_一如(ごとく)_レ此(かくの) ̄ニ御座候以上 【左丁】   疱瘡(ほうさう)見舞(みまひ)状 以(もつて)_二手紙(てがみ)_一申上候 愈(いよ〳〵)御清健(ごせいけん) 被_レ成_二御座_一奉_二欣賀(きんが)_一候 然(しかれ)者(ば) 御愛子(ごあいし)様(さま)御疱瘡(ごほうさう)之 由(よし) 承知(せうち)仕候 暖気(だんきの)折柄(をりから)《割書:ニ》而 【右丁】 殊(こと) ̄ニ御 出物(でもの)茂(も)美敷(うつくしく)御座 候 由(よし)御同慶(ごどうけい)奉_レ存候 随而(したがつて) 乍(ながら)_二麤末(そまつ)_一御 菓子(くわし)《割書:并(ならびに)》御 手遊(てあそび) 人形(にんぎやう)一 箱(はこ)御 見廻(みまい)印(しるし)迄(まで) 入(いれ)_二貴覧(きらんに)_一申候 御笑納(ごせうなふ)可_レ被 【左丁】 【レ点脱】下候 恐々頓首(きやう〳〵とんしゆ)   同返事 御 剪紙(せんし)忝(かたじけなく)奉_二拝覧(はいらん)_一候 然(しかれ)者(ば)悴(せがれ)儀(ぎ)此間(このあいだ)ゟ(より)致(いたし)_二疱瘡(ほうさう)_一 候 処(ところ)御 尋(たづね)被_レ 下 忝(かたじけなく)奉_レ存候 疱瘡(ほうさう)之(の)妙薬方(みやうやくはう) 小児(せうに)にわかにさむけだちにわか に熱(ねつ)を発(はつ)し目を見つめ一日に 二三度もたえ入り身(み)もだへあく びしおどろきさわぎすはぶきし はなひり両(りやう)のあぎとあかくみゝ ひゆるは疱瘡のしるしなり   発熱(ほとをり) 三日  見點(でそろひ) 三日   貫膿(みづもり) 三日  起脹(やまあげ) 三日   収靨(うせ)   三日  以上日数十五日 これ日数(ひかず)の常(つね)にしてやまひの正(たゞ) しきものなり其(その)おもきものは 日数の際限(かぎり)あるべからず又いたつ てかろきものは右の日数をまた ずうせるといへども十五日めに酒(さか) 湯(ゆ)をして神(かみ)を送(をく)るへきものとぞ   〇疱瘡(ほうさう)を除(のぞ)く方(はう)  梨枝(なしのえだ)《割書:々一束|七本 》 梅枝(むめのえだ) 同上  小豆(あづき)七粒  鼠糞(ねずみのふん) 七ッ 右四味に白水□かゞみのいゑの ふたにて七はい□せんして行 水すべし疱瘡をのがるゝ也   〇同かろくする奇方(きはう)  紅花(べにのはな)弐分    牛房子(ごばうのみ)弐分  陳皮(ちんひ)十匁     枳殻(きこく)十匁  黒豆(くろまめ)弐合    青大豆(あをまめ)弐合  桑木(くわのき)長さ壱尺  桃木(もゝのき)同上   桑桃ともすへのくちにて三分はかりの枝 右八味に水五升入て三升に せんじ小児の惣身(さうみ)をのこらず あらふべし   〇伸応湯(しんおうとう)   黄岑(わうごん)《割書:壱分七り| 》甘艸(かんざう)《割書:あぶりて|壱分七り》   唐大黄(からだいわう)《割書:男子ならば六分八り|女子ならば壱匁》 右三味 細末(さいまつ)してもみのきれ につゝみふり出して五度にも 七度にものますべし大(たい)ていは 疱瘡をのがるべしたとへ出る共 いたつてかろし 【右項下段】 疱瘡(ほうさう)  神(かみ)   送(をくり)  之(の)   図(づ) 【右丁】 御 蔭(かげ) ̄ニ而 殊(こと)之 外(はか)軽(かろく)日立(ひだち) 申候而 大悦(たいゑつ)仕候 右(みぎ)《割書:ニ》付(つき)為(して)_二 御 見舞(みまひと)_一色々(いろ〳〵)結構(けつかう)之 品(しな) 被_レ懸(かけ)_二貴意(きいに)_一御芳情(ごはうせい)之 段(だん) 忝(かたじけなく)奉_レ存候 猶(なを)一両日(いちりやうにち)中(ぢう)以(もつて)_二 【左丁】 参上(さんじ[や]う)_一拝眉(はいび)万々(ばん〳〵)御 礼(れい)可_二 申 謝(しやす)_一候已上   火事(くわじ)見廻(みまい)状 以(もつて)_二愚札(ぐさつ)_一申上候 其(その)御 地(ち)御 揃(そろひ) 御安剛(ごあんかう)被_レ遊(あそば)_二御座_一恭慶(きやうけい) 【右丁】 御 儀(ぎに)奉_レ存候 然(しかれ)者(ば)当月(たうげつ) 三日 夜(よ)出火(しゆつくは)御座候 由(よし)承知(せうち) 仕 驚入(おどろきいり)申候 別而(べつして)御近辺(ごきんぺん) ̄ニ而 嘸(さぞ)御周障(ごしうしやう)之 程(ほど)奉_二遠察(ゑんさつ)_一候 乍(ながら)_レ併(しかし)早速(さつそく)相(あい)鎮(しづまり)御無難(ごぶなん) 【左丁】 之 趣(おもむき)御同慶(ごどうけい)奉_レ存候 乍(ながら)_二 延引(ゑんいん)_一御 見舞(みまひの)書印(しよいん)迄(まで)昆布(こんぶ) 十 把(ぱ)進上(しんじやう)仕候 右(みぎ)御 見廻(みまい)迄(まで) 如(ごとく)_レ斯(かくの)御座候 謹言(きんげん)   同返事 【右丁】 貴書(きしよ)辱(かたじけなく)拝読(はいどく)仕候 弥(いよ〳〵) 御全家(ごせんか)御安静(ごあんせい)之 段(だん)珍重(ちんちやう) 奉_レ存候 然(しかれ)者(ば)先月(せんげつ)爰元(こゝもと) 出火(しゆつくは)之 事(こと)及(および)_二御 聞(おきゝ)_一早速(さつそく) 御 尋(たづね)被_レ 下 忝(かたじけなく)奉_レ存候 近辺(きんへん) 【左丁】  ̄ニ而 誠(まこと)《割書:ニ》騒動(そうどう)仕候 乍(ながら)_レ去(さり)其(その) 節(せつ)者(は)風(かぜ)茂(も)無(なく)_レ之(これ)候 故(ゆへ)格(かく) 別(べつ)之 大火(たいくわ) ̄ニ茂(も)不(ず)_二相成(あいなら)_一私宅(したく) 無難(ぶなん)《割書:ニ》相遁(あいのがれ)怪我人(けがにん)越(も)【茂の誤ヵ】 無(なく)_二御座_一候 間(あいだ)乍(ながら)_レ憚(はゞかり)御休意(ごきうい) 【右丁】 可_レ被_二成下(なしくだ)_一候 右(みぎ)御 礼答(れいとう)迄(まで) 如(ごとく)_レ是(かくの) ̄ニ御座候 恐々(きやう〳〵)   暑気(しよき)見舞(みまひ)状 一筆 啓達(けいだつ)仕候 甚暑(じんしよ)之 節(せつ)御座候 処(ところ)益(ます〳〵)御勇健(ごゆうけん) 【左丁】 可_レ被_レ成_二御座【一点脱】珍重(ちんちやう)御 儀(ぎに)奉 _レ存候 随而(したがつて)不(ざる)_レ珍(めづらしから)品(しな) ̄ニ候 得(へ)共(ども) 西瓜(すいくは)三 聊(いさゝか)御 見舞(みまひ)証(しるし)迄(まで) 懸(かけ)_二御 目(めに)_一申候 誠(まこと)《割書:ニ》当年(たうねん)者(は) 大暑(たいしよ)難(がたき)_レ堪(たへ)御 事(こと)折角(せつかく) 【右丁】 御 凌(しのぎ)可_レ被_レ成候 先(まづ)者 暑中(しよちう) 御尋問(ごじんもん)旁(かた〳〵)如(ごとく)是(かくの) ̄ニ御座候不 宣(せん)   同返事 貴墨(きぼく)忝(かたじけなく)披見(ひけん)仕候 如(ごとく)_二来(らい) 意(いの)_一酷暑(こうしよ)難_レ凌(しのぎ)御座候 処(ところ) 【左丁】 弥(いよ〳〵)御安栄(ごあんゑい)之 段(だん)奉_二慶賀(けいが)_一候 然(しかれ)者(ば)土用中(どようちう)為(して)_二御尋問(ごじんもんと)_一 何寄(なにより)之御 品(しな)御 恵贈(けいぞう)被_レ 下 毎々(まい〳〵)御厚情(ごこうせい)忝(かたじけなく)拝納(はいなふ)仕候 別而(べつして)好物(こうぶつ) ̄ニ候 得(へ)者(ば)不(ず)_二打置(うちおか)_一 【右丁】 賞翫(しやうくわん)可_レ仕候 尚(なを)貴面(きめん)之 節(せつ)御 礼(れい)可_二申 伸(のぶ)_一候不 備(び)   寒気(かんき)見舞(みまひ)状 一筆 致(いたし)_二啓上(けいじやう)_一候 厳寒(げんかん)之 節(せつ)《割書:ニ》候 得(へ)共(ども)御渾家(ごこんか)様(さま)御 揃(そろひ) 【左丁】 弥(いよ〳〵)御清勝(ごせいせう) ̄ニ可_レ被_レ成_二御座_一奉_二 敬賀(けいが)_一候 因(よつて)_レ茲(これに)麤微(そび)之 至(いたりに) 御座候 得(へ)共(ども)鶏卵(けいらん)五拾 入(いれ)_二貴覧(きらんに)_一候 寔(まこと)《割書:ニ》寒中(かんちう)之 御安否(ごあんぴ)御 尋(たづね)申上候 印(しるし)迄(まで) 【右丁】 御座候 御笑留(ごせうりう)可_レ被_レ 下候 次第(しだいに)寒気(かんき)相増(あいまし)候 得(へ)者(ば) 随分(ずいぶん)御自愛(ごじあい)肝要(かんようの)御 事(こと) ̄ニ 御座候 恐々(きやう〳〵)謹言(きんげん)   同返事 貴撽(きげき)【注】忝(かたじけなく)致(いたし)_二薫読(くんどく)_一候 仰(おほせ) 之 通(とをり)甚寒(じんかん)凌(しのぎ)兼(かね)候之 処(ところ) 愈(いよ〳〵)御静康(ごせいかう)被_レ成(な)_二御座_一奉_二珍【珎は俗字】 賀(が)_一候 然(しかれ)者(ば)寒中(かんちう)為(して)_二御 尋(たづねと)_一 御 国(くに)名産(めいさん)之 品(しな)種々(しゆ〴〵) 【注 撽は音「キョウ」、檄は音「ゲキ」。】 【右丁】 被_二御 送(をくり)下_一忝(かたじけなく)奉_レ存候 此程(このほと)ゟ(より) 別而(べつして)寒気(かんき)烈敷(はげしく)老衰(らうすい)之 我等(われら)甚(はなはだ)困入(こまりいり)申候 貴家(きか) ̄ニ茂(も) 折角(せつかく)御 凌(しのぎ)可_レ被_レ成候 先(まづ)者(は) 御 礼(れい)申上 度(たく)尚(なを)貴顔(きがん)之 刻(きざみ) 【左丁】 万謝(ばんしや)可_二申 述(のぶ)_一候不 悉(しつ)   参宮(さんぐう)留 主(す)見廻(みまい)状 一筆 啓上(けいじやう)仕候 暖和(だんわ)之 節(せつに) 相成(あいなり)候 所(ところ)御盛家(ごせいか)為(せ)_二御 揃(そろは)_一 御安寧(ごあんねい)之御 旨(むね)珍重(ちんちやう)【珎は俗字】御 儀(ぎ) 【右丁】 不(ず)_レ斜(なゝめなら)奉_レ存候 然(しかれ)者(ば)太々(だい〳〵) 神楽(かぐら)御執行(ごしゆぎやう)《割書:ニ》付(つき)御 子息(しそく)様(さま) 御参宮(ごさんぐう)被_レ成候 由(よし)御道中(ごどうちう) 天気続(てんきつゞき)等(とう)御都合(ごづかう)能(よく)一入(ひとしほ)之 御 慰(なぐさみ)等(とう)可_レ有(ある)_レ之(これ)奉_レ察(さつし)御 羨(うらやま) 【左丁】 敷(しく)奉_レ存候 随而(したがつて)麤相(そさう)之 品(しなに) 御座候 得(へ)共(ども)鮮魚(せんぎよ)一籠(いつこ)聊(いさゝか) 御 見舞(みまひ)印(しるし)迄(まで)懸(かけ)_二御 目(めに)_一申候 且(かつ)相応(そうおう)之 御用(ごよう)等(とう)候はゞ無(なく)_二 御遠慮(ごゑんりよ)_一御申 付(つけ)可_レ被_レ 下候 【右丁】 恐々(きやう〳〵)不 具(ぐ)   同返事 御使札(ごしさつ)被_レ 下 致(いたし)_二拝誦(はいじゆ)_一候 益(ます〳〵)御堅昌(ごけんしよう)奉_二歓賀(くわんが)_一候然者 近所(きんじよ)ゟ被_二相誘(あいさそは)候《割書:ニ》付(つき)娘(むすめ)義(ぎ) 【左丁】 抜参(ぬけまいり)仕候 処(ところ)御承知(ごせうち)被_レ 下 為(して)_二 御 見舞(みまひと)_一珍敷(めづらしき)佳肴(かかう)被_二贈(をくり) 下(くだ)_一深(ふかく)辱(かたじけなく)奉_レ存候 今日(こんにち)幸(さいはひ) 宮廻(みやめぐ)りに御座候 間(あいだ)打寄(うちより)心(こゝろ) 祝(いはひ)可_レ仕存 居(い)候 処(ところ)早速(さつそく)賞(しやう) 【右丁】 翫(くわん)可_レ仕候 何(なに)茂(も)不_レ仕候 得(へ)共(ども) 御勝手(ごかつて)不(ず)_レ苦(くるしから)候者(さふらはゞ)御光来(ごくわうらい) 可_レ被_レ 下奉_レ待(まち)候不 具(ぐ)   餞別(せんべつ)遣(つかは)す状 以(もつて)_二手簡(しゆかん)_一申上候 弥(いよ〳〵)御堅剛(ごけんかう) 【左丁】 珍重(ちんちやう)奉_レ賀候 然(しかれ)者(ば)此度(このたび) 御主人(ごしゆじん)様(さま)御用(ごよう)付(つき)御遠方(ごゑんほう)《割書:江(へ)》 御旅行(ごりよかう)之 由(よし)御苦労(ごくらう)之御 儀(ぎに) 奉_レ存候 依(よつて)_レ之(これに)梅枝(むめかえ)田麩(でんぶ)一曲(いつきよく) 進(しん)-上(じやう)_レ之(これを)仕候 御道中(ごどうちう)御 携(たづさへ) 【右丁】 被_レ 下候 者(ば)大悦(たいえつ)仕候 聊(いさゝか)御 餞(はなむけ) 申上 度(たく)尚(なを)後刻(ごこく)以(もつて)_二参上(さんじやう)_一 御 暇乞(いとまごひ)可_二申上_一候以上   同返事 貴墨(きぼく)忝(かたじけなく)拝見(はいけん)仕候 野子(やし)義(ぎ) 【左丁】 此度(このたび)主家(しゆか)用向(ようむき) ̄ニ付(つき)国本(くにもと)《割書:江(へ)》 罷越(まかりこし)候 儀(ぎ)御 聞及(きゝをよび)被_レ 下 何寄(なにより) 重宝(ちやうほう)之 預(あづかり)_二御餞別(ごせんべつに)_一忝(かたじけなく)奉 _レ謝(しやし)候 暫(しばらく)留主中(るすちう)万事(ばんじ) 御 心添(こゝろぞへ)奉_レ希(こゐねがひ)候 何(いづ)れ来月(らいげつ) 【右丁】 中旬(ちうじゆん)迄(まで)者 相懸(あいかゝり)申候 宜(よろしく) 奉_二頼(たのみ)上_一候以上   馳走(ちそうに)逢(あひ)たる礼(れい)状 以(もつて)_二寸書(すんしよを)_一申上候 弥(いよ〳〵)御康寧(ごかうねい) 可_レ被_レ遊(あそば)_二御座_一欣幸(きんかう)之儀(ぎ) 【左丁】 奉_レ存候 誠(まこと)《割書:ニ》此間(このあいだ)者(は)不斗(ふと) 参上(さんじやう)仕候 処(ところ)折節(をりふし)御 客来(きやくらい) 《割書:ニ》付(つき)結構(けつかう)之 御相伴(ごしやうばん)被_二仰付(おふせつけ)【一点脱】 種々(しゆ〴〵)御馳走(ごちそう)之 上(うへ)御 仕舞(しまひ)等(とう) 拝見(はいけん)仕 難(がたく)_レ有(あり)奉_レ存候 右(みぎ) ̄ニ付 【右丁】 殊(こと)之 外(ほか)及(をよび)_二深更(しんかうに)_一御家内(ごかない)様(さま) 嘸(さぞ)御疲労(ごひろう)被_レ遊(あそば)候半(さふらはんと)奉_レ察(さつし)候 早速(さつそく)御 礼(れい)罷出(まかりいで)可_レ申之 条(でう) 一両日(いちりやうにち)仲間(なかま)寄合(よりあひの)儀(ぎ)在(あり)_レ之(これ) 及(および)_二遅滞(ちたいに)_一候之 故(ゆへ)乍(ながら)_二略儀(りやくぎ)_一先(まづ) 【左丁】 以(もつて)_二書中(しよちう)_一如(ごとくに)_レ是(かくの)御座候 乍(ながら)_レ憚(はばかり) 御一統(ごいつとう)様(さま)《割書:江(へ)》宜(よろしく)被_二仰上(あふせあげ)_一被_レ 下 度(たく)奉_レ希(こいねがひ)候 恐々(きやう〳〵)  月 日 【貼付のメモ書】 ちはやふる  四月八日吉日と 髪【紙とあるところ】さげ虫を   せうばいをする 【右丁】 《割書:商家|必用》万(よろづ)手形(てがた)案文(あんもん)               全壱冊  前(さき)に手形鑑(てがたかゞみ)ありといへども其(その)文言(もんごん)迂遠(まはりどを)にして肝要(かんえう)の事を  欠(かき)たりゆへに今これを改正(かいせい)して必用(ひつよう)の証文手形(しようもんてがた)をあまた輯(あつ)め  并(ならび)に認様(したゝめやう)料紙(りやうし)判形(はんぎやう)の心得(こゝろえ)等《振り仮名:数ヶ条|すかてう》 を付録(ふろく)して当用(とうよう)の便利(べんり)に備(そな)ふ 【縦線有り】 《割書:絵入|文章》日(につ) 本(ほん) 往(わう) 来(らい)            全壱冊  此書(このほん)は日本六十 余州(よしう)の名所(めいしよ)旧跡(きうせき)神社(じんじや)仏閣(ぶつかく)名物(めいぶつ)名産(めいさん)国郡(こくくん)風(ふう)  土(ど)物成(ものなり)石高(こくだか)等を幼童(ようどう)児女(じぢよ)もこれを熟習(じゆくしう)すれば諸国(しよこく)の地名(ちめい)を諭(さと)し  おのづから手ならひ稽古(けいこ)のたよりともなる百家(ひやくか)通用(つうよう)の好本(こうほん)なり 【縦線有り】 寺子(てらこ)庭訓往来(ていきんのわうらい)               全壱冊  此庭訓は児童(じどう)手習([て]ならひ)のために普通(ふつう)御家(おいへ)の書風(しよふう)をえらびたる善本(ぜんほん)なり 【左丁】 【囲みに中】 平安 竜章堂閑斎書【陽刻丸印】洒【陰刻角印】美暢                         之印 【囲みの中】 浪華 荑揚斎関牛画【陽刻角印】子【陰刻角印】徳                 偃       風 【囲みの中】 彫工 浪花    市田治郎兵衛【陰刻角印】市                       田 文政十二己丑年正月発行          《割書:心斎橋通順慶町南へ入》               塩屋喜助  大阪書林    《割書:心斎橋通唐物町南へ入》               河内屋太助 【裏表紙】 【冊子購入者の記録と思われる文言。不鮮明な文字有るにより、解読出来る所の飜刻を以て「翻刻完了」とする。】 弘化元年  辰六月吉日求之 《題:《割書:■町》佐藤卯八《割書: |達》》 【上から8~9文字不鮮明】求之