【題字】 海外人物小伝・二 【表紙裏】 《割書:海外|■■》繍像人物小傳巻之二   第二回 去(さ)る程(ほと)に勃那把爾的(ほなはるて)は意太里亜(いたりや)の陣(ちん)を去(さ)り「マ スセナ」を大/将(しやう)として己(おの)れに代(かは)らしめ紀元(きけん)一千 八百年我國の享和(きゃうわ)元(くはん)辛酉(かのととり)年(とし)彼(か)の七月/初一日(ついたち)巴(は) 里斯(りす)に返(かへ)る巴里斯府(はりすふ)人(じん)或(あるひ)は其(その)歸(かへ)るを喜(よろこ)ぶ者(もの)あ り或(あるひ)は又/其(その)驕慢(きやうまん)にして國(くに)を奪(うは)はんとする心(こころ)日(ひ)々 に盛(さか)んなるを嫉悪(しつを)【左振り仮名「ニクニ(ニクミか)」】し因(よつ)て之(これ)を害(がい)せんと欲(ほつ)する 者あり十月/乱(らん)を作(おこ)す者(もの)を捕(とら)へて禁獄(きんこく)せしむ十 二月/一聲(てつほう)の(を)爆炸(もつて)の(あん)下(に)/勃那把爾的(ほなはるて) を弑逆(しいきやく)【左振り仮名「コロス」】せんと 謀(はか)る者あり然(しか)れども狙射(ねらいうち)中(あた)らず是(これ)も亦(また)發覺(はつかく)【左振り仮名「アラハル」】し て誅(ちう)に伏(ふく)す翌(よく)一千八百一年/我國(わかくに)の享和(きやうわ)二/壬戌(みずのへいぬ) 年/彼(か)の一月/大(おおひ)に其(その)餘黨(よとう)を捜索(さか)し貴賤(きせん)を問はず 雅谷貌義團(やこつぷきだん)の人員(にんしゆ)一百三十名を緝捕(しゆほ)【左振り仮名「カラメトリ」】して其中(そのうち) 七十/名(にん)は放流(はうりう)し「アレナ」「セラッシ等の人は初(はし)めの 乱に與(くみ)し此(こヽ)に至(いた)つて尚(なを)逆心(きやくしん)を挿(さしはさ)むを以(もつ)て「キュイ ルロッチ子」《割書:首を刎|る刑名》の刑(けい)に處(しよ)し且(か)つ「フレフェク■」《割書:廻|り》 《割書:役|人》をして遍(あまね)く人家(ーーか)を捜索(さか)して兵器(へいき)を匿(かく)す者は 盡(こと〳〵)く■(きやう)納(のう)【左振り仮名「ーレカサル」】せしめて宦庫(くはんこ)に鎖(とさ)す是(これ)より前(まへ)一千八 百年/我國(わかくに)の享和(きやうわ)元(くはん)辛酉(かのととり)年(とし)彼(か)の九月三日/北米里(きたあめり) 堅國と和 【裏表紙】 【背】 【天(地)小口】 【小口】 【天(地)小口】