【コマ3の右頁と同じ】 公開近し 京城 秋季祭祭禮特別大興業 巨星阪東妻三郎が得意の 颯爽たる仁俠物語…… 原作脚色……峰銀平 監督…………沖文博 撮影…………吉田英男 俠義に活きる男一匹片腕に賭けたる 十両の恩義の前には血を吐くとも絕 對正義を貫く仁俠の男伊達…… 阪東關東撮影所特作 片腕仁義 阪東妻三郎主演 泉淸子・淡路千夜子 應援出演 昭和七年十月六日發行  編輯兼發行者……倉永義雄  發行所……中央舘營業部  印刷所……伊藤印刷所 【コマ3の左頁と同じ】 オールトーキー 發聲敢然無缺 聲樂界の名星 宮川美子 特別出演 笑ふ父 十月六日ヨリ 十二日マデ 後援 京城日報社 會場 中央舘 【右頁】 公開近し 京城 秋季祭祭禮特別大興業 巨星阪東妻三郎が得意の 颯爽たる仁俠物語…… 原作脚色……峰銀平 監督…………沖文博 撮影…………吉田英男 俠義に活きる男一匹片腕に賭けたる 十両の恩義の前には血を吐くとも絕 對正義を貫く仁俠の男伊達…… 阪東關東撮影所特作 片腕仁義 阪東妻三郎主演 泉淸子・淡路千夜子 應援出演 昭和七年十月六日發行  編輯兼發行者……倉永義雄  發行所……中央舘營業部  印刷所……伊藤印刷所 【左頁】 オールトーキー 發聲敢然無缺 聲樂界の名星 宮川美子 特別出演 笑ふ父 十月六日ヨリ 十二日マデ 後援 京城日報社 會場 中央舘 オールトーキー No.445 笑ふ父 發聲完全無缺 大日本音畵製作所 新興キネマ撮影所 共同作品 「肉体の道」より飜案 脚色 江須敬 監督 松石修 撮影 三木茂 ◇配役◇ 中川文三………………松本泰輔 妻道子…………………歌川八重子 長男愛男………………都賀一司 長女元枝………………金澤美津子 次男善男………………鈴木勝彦 三男幸男………………金澤伊都夫 三女保枝………………高橋いる子 妖婦……………………鈴木澄子 頭取……………………國城大輔 銀行員…………………若葉馨 ギヤング首領…………星英府 成人後の幸男…………小川秀麿 同保枝…………………手塚登美子 成人後の元枝…………宮川美子 ◇梗槪◇ 帝國銀行に勤續廿餘年、社にあつては嚴格な會計課長であり家 庭にあつては善良な可愛いゝ五人の子供の父である中川文三は また鍾鬼のやうな美事な髭の所有者でもあつた。將に重要な社 用を帶びて關西へ出張する途中車中に於いて妖艶なる貴婦人と 知り合ひ、多額の證券に心を動かした女は、巧みに文三に近づ いて行つた。彼は神戸に着くと、二十年間嚴格と共にあつた鍾 鬼髭を剃つて了ひ、女と共に歡樂境に酔ひ、肉慾の奴隷となつ て了つた。その翌朝ホテルの一室で、女のゐない事に氣付いた 時大切な公債は失はれてゐた、文三はあわてて昨夜の酒場に駈 けつけたが、ギヤング一味のために仆され、鐵道線路に運ばれ て行つた。併し危い處でたすかり、却つて一味の一人が轢殺さ れた。その男が文三の持ち物を身につけていたゝめ、新聞は中 川文三の死を報じ、世間は彼の職に殉じた事に同情した。今更 ら彼は姿を現はせず、それから十五年日蔭の生活に苦しみ乍 ら、活きてゐた一夜、長女元枝の獨唱會が開かれた時、會場の 隅にあつて、秘かに成人した娘の成功を泣いて喜ぶ彼の姿があ つた。クリスマスの夜、雪のふりしきる中を、中川家の表で、 樂しげな一家の團欒によそながらの別れを告げてとぼ〳〵去つ て行つた乞食の様な老人を、誰が十五年前の中川文三氏だと知 る者があらう……。 ユニヴーアサル社超特作映画 第四大學生活 大自動車競走 ボロ試合 ジヨージ・ルイス氏 ドロシー・ガリヴア孃 主演 新興キネマ時代劇部特作映畵 元禄 奴太平記 全八卷 監督…………押本七之輔 原作脚色……石川聖一 撮影…………鷲田誠 ◇配役◇ 前原伊助………………河津淸三郎 大橋小雪………………松浦築枝 堀部彌兵衛……………中村正道 同安兵衛………………藤浪麗三郎 妻春江…………………平塚泰子 佐久馬玄番……………嵐璃德 同妻……………………中村榮子 同浪美都………………松平邦子 下僕藤助………………川崎猛夫 大橋又五郎……………片桐恒男 弟正太郎………………吉頂寺光 大石内藏之助…………嵐璃德 吉田澤右衛門…………舟波邦之助 仲助勘助………………光妙寺三郎 細川家臣神尾美作……美城みつる 仲間部屋頭……………大丸巖 瓦版屋…………………押本映三 ◇梗槪◇ 淺野家の老骨堀部彌兵衞から、養子安兵衛の髙田の馬場の十八 人斬り武勇談を聞かされた大竹重兵衞は淺野家の使者月岡某を 無法にも斬つた武藝者大橋又五郎を討つた下郎伊助の、勇あり 智ある行ひに惚て、一人娘を伊助に娶はせた。そして今は前原 を名乘つた伊助は主家に忠勤そ勵んでゐたが、元祿十四年彌生 央は主君内匠頭殿中刄傷の一大事出來、新婚の夢まどらかな前 原も赤穂へ駈つけなければならなかつた。御家斷絕、城明け渡 し……かくて城代家老大石の深慮による吉良復讐の企てが着 々成されて行つた前原伊助も吉良邸を探る密偵として江戸に下 つたが、その途中、かつて伊助に討たれた大橋の娘小雪と、そ の弟正太郎とが仇伊助を探しての旅路、雲助兵のために危難し てゐるところを救つた。が、やがてお互に相手の素性を知つ てその奇しき因緣に惱んだ。伊助は本懐を達した翌朝浅野邸前 にて討たれる約束をして別れた元祿十五年師走十四日、赤穂浪 士達は無事主君の仇を報じたその、翌朝泉岳寺に揚げてゆく途 中、伊助は約束を果すべく大橋姉弟の姿を求めたが、この時彼 等はこの忠義と壯擧を知り仇敵として向ける刄も諦めて西國へ 旅立つて行くのだつた……。