《題:《割書:袖|珍》防疫必携》 《割書:袖|珍 》防疫必携目次       總論                        頁  傅染病の定義‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥一  法定傅染病………‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥二  細菌の區分………‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥二  細菌の生活………‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥三  細菌の繁殖………‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥三       各論  膓窒扶私‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥四    (原因…誘因…膓窒扶私菌の巢窟…傅染徑路…膓の病変…症候   …診断…免疫性)                    一                    二 パラチフス‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥一四  (原因…症候等) 赤痢‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥一五  (原因…誘因…赤痢菌の巢窟…傅染徑路…腸の病變…症候  …診斷…免疫性) 實布垤利亞‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥二〇  (原因…誘因…實布垤利亞菌の巢窟…傅染徑路…症候…診斷  …免疫性) 猩紅熱‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥二三  (原因…病毒の所在…傅染徑路…罹病年齡…症候…免疫性) 《割書:膓窒扶私、パラ|チフス、赤痢 》豫防法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥二五  (甲) 傅染病未發生時即平時豫防法  (乙) 傅染病發生時豫防法 實布垤利亞の豫防及治療法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥三六 猩紅熱豫防法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥四一 消毒法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥四三  (日光曝露…燒却法…煮沸消毒…蒸氣消毒…藥品消毒) 病類による消毒の程度‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥四三  (甲) 虎列刺、赤痢、腸窒扶私、パラチフスに對する消毒の     程度  (乙) 發疹窒扶私、痘瘡、猩紅熱、實布垤利亞に對する消毒     の程度 附  錄 赤痢、虎列刺、膓窒扶私患家其他の消毒方法施行に 關する心得‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥六三 赤痢、膓窒扶私豫防心得‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥七八                    三 【図中文字】 第一圖 膓窒扶私菌 (約千倍) 【図中文字】 第二圖 膓窒扶私菌鞭毛 (約千倍) 第三圖 (1) 食道 (2) 胃 (3) 小膓 (4) 盲膓 (5) 大膓 (6) 直膓 (7) 肛門 (8) 肝臟 (9) 脾臟 (10) 膵臟 第四圖 赤痢菌 (約千倍) 第五圖 實布垤利亞菌 (約千倍) 第六圖 頬部を切り上下顎骨を開き舌を前方に牽引し扁     桃腺を示す (1) 扁桃腺 (2) 懸壅垂 (3) 舌 (4) 歯 一、瀘床面積一平方メートル(直圣【径】三尺六寸)なる時は一時間約六斗を瀘過す 二、細砂層は最重要なる部分なり其厚さ三尺以下なるべからず 三、毎月一回細砂の表層二三寸を取り清水にて能く洗滌するを可とす 四、全部の細砂層を洗滌して詰め換ふるは毎年一ニ回にて足る 五、寒氣の烈しき處にては常に器内に水を満たせ置き且器の外囲を菰の如きものにて   包み以て其氷結するを防くを要す 【図中文字】 第七圖 瀘水器 二尺 三尺 一尺 水層 細砂層 粗砂 礫 卵大石 棕梠 有孔板 【文中の「瀘」は「濾」の誤記】   《割書:袖|珍》防疫必携     總論 傅染病の定義  傅染病とは生活せる微生体(顯微鏡によりて初めて認め得  べき極めて微細なる有機体)が人体若くは動物体内に入り  て發育增殖するが爲に起り多少重症の一般症狀を呈する疾  患を云ふ   微生体 細菌(植物) …例へば膓窒扶私菌、赤痢菌の如し       原蟲(動物)…例へば「マラリア」、原因たる「マヤ             リア原虫」熱帶地方に流行する赤痢             の原因たる「赤痢アメーバ」の如し                    一                    二  上記の定義によれば苟も傅染病と稱する以上は必ず一定の  微生体ありて之が原因たらざるべからざる筈なれとも實際に  於ては傅染の事實顯著なるにも拘らず今尚其病原体を發見  し得ざるものあり然れども是等も亦た早晩其病原体を發見  し得らるべく期待せらるゝが故に今は病原の不明なるにも  拘らず之を傅染病中に數へ置くなり 法定傅染病  法定九種傅染病 病原体の明なるもの…膓窒扶私、パラチフ          ス、赤痢、虎列刺、實布垤利亞(《割書:格魯布|を含む》)ペスト          病原体の不明なるもの…痘瘡、発疹窒扶私          猩紅熱 細菌の區分  細菌 一、球菌…化膿菌、淋菌の如し     二、桿菌…膓窒扶私菌、赤痢菌の如し     三、螺旋菌…虎列刺菌、再歸熱菌の如し 細菌の生活  細菌の生活に欠くべからざるものは吾人の攝取するか如き  食物、水分、空氣(例外あり)等にして其他一定の温度(人  の体溫位を適度とす)を要す故に試験管に牛乳、肉汁、馬  鈴薯等の營養物を入れ一定の溫度に保つ時は人工的に發育  增殖せしむることを得、之を培養(●●)と云ふ斯の如く各種の細  菌を培養する時は各特異の發育狀態を呈するが故に依て以  て細菌鑑別の有力なる一助となすことを得るなり 細菌の繁殖                    三                    四  桿菌及螺旋菌は先づ其長さを增し中央に於て分裂して二箇  となる次て分れたるもの直に生長して更に分裂す球菌は初  め短桿狀となり次て中央に於て分裂す若し營養、温度等適  當なる時は此の如く連綿分裂して繁殖するなり而して繁殖  の速度には遲速あれども槪して一箇の細菌は十二時間を經  れば凡三百四十億箇に增加すと云ふ     各論      膓窒扶私 原因 今を距ること三十二年前「エーベルト」氏が膓窒扶私  患者の屍体より発見したる膓窒扶私菌による該菌は中等大  の桿菌にして両端鈍圓なり(第一圖)菌体の周圍に十乃至十  二條の鞭毛あり(第二圖)之に依りて活潑なる運動を營む 抵抗力 温度(●●)―攝氏六十度にて半時間乃至一時間熱すれば死  滅す 乾燥(●●)―軍服に附着して八十七日間、麻布に附着して  六十乃至七十日間生活したる例あり 日光(●●)―殊に直射光線  には長く抵抗することを能はず 藥液(●●)―千倍昇汞及二十倍  石炭酸水にて半時間にして死滅す 糞便中(●●●)―四ヶ月間生存  す 埋葬(●●)せる(●●)屍体(●●)―三ヶ月後尚本菌を証明す 土中(●●)―三  乃至五ヶ月間生存す尚十一ヶ月間生存するを証明したる人  あり 水中(●●)―水流、水質、温度等外圍の狀況により生存期間  に甚しき差異あり、從來本菌の水中に於ける生存は二三週  を出てざるものとせしが近來の研究によりそれよりも遥に  永く生存し得るを証明するに至れり 牛乳中(●●●)―二十一日乃  至三十五日間生活す                    五                    六 誘因 胃膓病、感冒、心身の過勞等 膓窒扶私菌の巢窟 一、膓窒扶私患者 二、膓窒扶私  菌携帶者 三、排泄物  膓窒扶私携帶者(●●●●●●●)に三種あり次の如し  (イ)膓窒扶私回復後數週間尚本菌を糞便及尿中に排泄する   者(糞便中には長きは三年半或は數年以上に亘りて本菌   の消失せざる場合あり尿中には七ヶ月間証明せられたり)  (ロ)軽症膓窒扶私等にして臨床上膓窒扶私の診斷を下す能   はずして經過したるものして本菌を排泄するもの(軽症   膓窒扶私は殊に小兒に多し)  (ハ)全く健康にして而も本菌を排泄するもの  排泄物(●●●) 本菌の体外に排泄せらるゝ路は糞便、尿及咯痰の  三あるのみ故に本菌の巢窟として危險なる排泄物は糞便、  尿及咯痰の三者なり 膓窒扶私の傅染徑路 膓窒扶私菌の吾人の身体に侵入  する門戸は只消化器の入口たる口あるのみ而して膓窒扶私  菌が其巢窟より吾人の口に迄達するの路即ち傅染徑路には  近道と廻り道とあり直接傅染及間接伝染之なり  直接傅染(●●●●)とは細菌の巢窟たる患者、菌携帶者及其排泄物に  直接に接近して傅染する塲合を云ふ  間接傅染(●●●●)とは或中間物を介して傅染するを云ふ其主なる塲  合を擧くれば次の如し  (一)營養品 種々なる飮食物例ば牛乳、豆腐、刺身、野菜等  (二)水   飮料水又は用水(井戸、掘、川等)                    七                    八  (三)物品 患者の使用したる被服、夜具其他病毒に汚染       せられたる種々なる物品  (四)昆蟲 蠅等  (五)空氣 病毒が衣服器具等に附着し乾燥して塵埃と共       に空中に飛散するに當り該空氣を口中に吸入       する場合  (六)土壤 患者の排泄物等によりて汚染せられたる土地 膓の病變 人若し膓窒扶私菌の侵入を受くる時は本菌は  主として小膓の下部及盲腸部(右下腹部)等の粘膜に病變を  起す、即該部は發病第一週に於て充血腫脹し第二週に至れ  ば腐痂を生し第三週には腐痂剥脫して潰瘍となる第四週に  至りて潰瘍は治癒に向ひ第五週(快復期)に及ひて全く治癒し  瘢痕を残す 症候 病の輕重により甚しく差異あれとも中等症に於ては大  畧次の如し  潜伏期(●●●) 短きは五六日長きは二三週日通常十日乃至十四日  前驅症候(●●●●) 全身又は四肢の倦怠、疲勞、食慾不振、腰痛、   頭痛、耳鳴、血衂、多くは便秘  發病第一週(●●●●●) 惡寒發熱に始まる、頭痛、眩暈、全身又は四   肢の倦怠、腰痛、左上腹部刺痛、睡眠不安、食思缺乏、舌苔あ   り体温(●●)は(●)日々階段狀(●●●●●)に(●)上昇(●●)し(●)一週の末に至れば三十九度   乃至四十度に達す尚本病の大切なる徴候たる脾臟腫大及(●●●●●)   薔薇疹(●●●)も一週の末又は二週の初めに現る薔薇疹は胸部及   腹部に生す腹部は多少膨満し右下腹部(●●●●)に(●)壓痛及雷鳴(●●●●●)あり                    九                    一〇   便通は一定せず初期には多く異常なく或は僅に秘結する   も第一週の終り或は第二週の初めより過半數に於て下痢   (一日二三回乃至四五回)を發す便の性質は特異にして   稀薄淡黄色(豌豆羹汁様便(●●●●●●))を呈す  第二週(●●●) 体温(●●)は(●)三十九度乃至四十度に達して稽留(●●)す(●)脉搏(●●)は(●)   熱(●)に(●)比(●)して(●●)少(●)く(●)四十度の熱に於ても九十乃至百位なり患   者は無慾(●●)の(●)顏貌(●●)を呈し聽力の障害を來すことあり或は不   眠又は反対に嗜眠に陷り時々 譫語(●●)を發す又殆と常に氣管   枝加答兒を起し咳嗽を發す  第三週(●●●) 熱(●)は(●)朝夕(●●)の(●)差著(●●)しく(●●)(一度乃至二度以上)なり諸症   漸次減退し患者は輕快の感ありされど重症の塲合には此   期に於て心臟衰弱、膓出血又は穿孔性腹膜炎等を起して   死亡することあり  第四週(●●●) 諸症益減退し此週の終りに於て漸く無熱となる  第五週(●●●) 体温は三十六度乃至三十六度五分となり食慾亢進      し体力增進す 診斷 上記の徴候を完備する時は診斷容易なるも初期に於  て未だ本病の特徴を發せざる時又は輕症の塲合には臨床上  の診斷は殆不可能なることありかゝる際には細菌學的診斷  に依らざるべからず即次の如し  (一)ウィダール(●●●●●)氏反應(●●●)(凝集反應(●●●●))檢査(●●) ウィダール氏反應と   は初めて此試驗を行ひたる人がウィダール氏なるにより   斯く名けたる者なり此檢査に要する者二あり一は患者の   上膞又は胸部に發疱膏と稱する膏藥を貼して得たる液                    一一                    一二   (發疱液(●●●))にして一は膓窒扶私菌を一定の割合に食鹽水に   混したる菌液(所謂 膓窒扶私診斷液(●●●●●●●))なり今此兩液を試驗   管内に於て種々なる割合に混和する際膓窒扶私菌凝集し   て雲絮狀を呈するを見ばウィダール氏反應陽性と稱し其   患者は膓窒扶私なりと診斷す若し之に反し膓窒扶私菌凝   集せざる時はウィダール氏反應陰性にして膓窒扶私に非   ずと認定す該反應は發病後通常七日乃至十日頃に現出す   るも早きは第二日に於て旣に現はるゝことなきにあらず   而して此試驗に要する時間は三乃至二十四時間なりとす  (二)培養試験(●●●●) 通常患者の糞便、尿或は血液を採りて培養し   以て膓窒扶私菌の有無を檢す此試驗に要する時日は三四   日なりとす而して試驗の結果若し膓窒扶私菌を見出し得   れば其患者の病は即膓窒扶私なるや明なり但し糞便中に   は發病後五日以内に於て已に本菌の排泄を見るヿあるも   最多量に現るゝは發病後第二週及第三週なり、尿中には   第一週の終り或は第二週以後に現るゝヿあるも多くは恢   復期及其以後に來る而して血液中の膓窒扶私菌は發病第   一週に於て最多く存在するが故に「ウィダール氏」反應の   未だ現出せざるに旣に血液の培養によりて陽性成績を得   ることあり  上記二種の試驗は本縣衛生課に於て何時にても施行し得る  か故に必要ある場合には患者より發疱液及糞尿を採取し(血  液は警察醫出張して採取すへし)淸潔なる小瓶に入れて密栓  し封臘又は鬢附の如きものにて封じ堅固なる容器(底のあ                    一三                    一四  る竹筒に木栓を施し或はブリキ茶入罐等)に納め成るべく  迅速に郵送せられたし(赤痢の糞便を送附せらる々塲合亦  同じ)但赤痢便採取の際は可成粘液又は粘液血液の部分を  撰ぶを可とす而して郵送する際には容器の上に檢査物在中  醫師何某藥剤師何某又は何々役塲何々警察署と記すを要す 免疫性 一旦本病を經過すれば免疫性を得るが故に再感す  るもの稀なり但し絕無にはあらず      パラチフス 原因 一八九六年(明治二十九年)アシヤール及びベンソード  氏の発見したるパラチフス菌(中等大の桿菌)に因る 症候 槪して稍輕症なる膓窒扶私に似たり或は膓窒扶私と  は多少異りたる症候を呈することあるも單に症候のみに依り  て本病の診斷を確定することは極めて困難なるが故に疑はし  き塲合には是非共細菌學的診斷(發疱液及糞尿檢査等)に依  らざるべからず 傅染の關係其他殆んど膓窒扶私に同じ      赤痢 原因 明治三十年東京に於ける赤痢流行に際し志賀博士の  發見せられたる赤痢菌(膓窒扶私菌より稍短き桿菌にして  鞭毛を有せず(第四圖)従て運動なし)に因る但し其後の研究  により赤痢菌は志賀菌(本型菌)一種に非ずして多少宛性質  を異にせる所謂異型菌の存するを知るに至れり又主として                    一五                    一六  熱帶地方に流行する赤痢の原因は赤痢にあらずして赤痢  アメーバと稱する原虫なり  抵抗力(●●●) 膓窒扶私菌に比すれば幾分か弱き點なきにあらざ  るも畧相似たり 誘因 暴食過飮、腐敗食物又は不熟果物の攝取、便秘、腹  部の冷却等 赤痢菌の巢窟 (一)赤痢患者 (二)赤痢菌携帶者 (三)排泄物  赤痢菌携帯者(●●●●●●)に三種あり即次の如し  (イ)赤痢回復後十九日間尚本菌を糞便中に排泄せるを証明   したるものあり然れとも又數ヶ月の長きに亘るものなきに   あらさるか如し  (ロ)輕症赤痢にて而も赤痢の診斷を受くることなく治癒した   るものにして本菌を排泄するもの少からず  (ハ)全く健康にして尚且本菌を排泄するものあり  排泄物(●●●)として危險なるは唯糞便あるのみ何となれば赤痢菌  の体外に排泄せらるゝ路は一に糞便に依るのみなればなり 赤痢の傅染經路 膓窒扶私の場合に同じ 膓の病變 本病に於ては主として直膓及其上部(左下腹  部に病變を呈す然れとも又小膓を侵す塲合なきにあらず殊に  小兒に於て然りとす而して其變化は初め粘膜充血腫脹し諸  處に無數の小出血點を生ず次て粘膜表面に膜様物を生し痂  皮狀となる痂皮は遂に剝脫して潰瘍となり終に瘢痕を生し  て治癒す 症候 潜伏期(●●●) 通常に三日なれ𪜈又三日乃至八日なること                    一七                     一八  あり  前驅期(●●●) 之を缺き又は數日間の便通異常或は稀に倦怠食思   不振、舌苔、嘔吐、腹部の雷鳴及疼痛等を訴ふることあり  發病(●●) 數回の下痢(●●)を以て初まり漸次回數を增し一日數十回   甚しきは百回以上に達す便(●)には(●●)粘液及血液(●●●●●)を(●)混(●)し(●)便通時   に腹部雷鳴(●●●●)、腹痛(●●)、左下腹部(●●●●)の(●)壓痛(●●)、裏急後痛(●●●●)(便通あるも便   意止まず肛門部に苦痛あるを云ふ)を發す、輕症(●●)なるは發   熱もなく食慾も害されず數日にして恢復し中等症(●●●)は体温   卅八度前後に達し食慾欠損、嘔気、胃部苦悶、頭痛等あり一   二週の後治癒す重症(●●)は初期より高度の發熱あり全身の苦   悶頭痛を訴ふ尿量は減じ食慾は乏失す大便は腐肉様にし   て臭氣甚し斯くて一二日にして死亡するものあり小兒(●●)の(●)   赤痢(●●)に於ては發熱甚しく痙攣を發し嘔吐を來す便通は全   く無く或は僅に一日一ニ回の下痢(粘液便或は粘液血液便)   あり發病後十二時間乃至四十八時間内に死亡するものあ   り 診斷 前記の症状完備する時は容易なれとも輕症なる時單  純膓カタルとの鑑別困難なることあり小兒の赤痢に於ては  屢腦膜炎と誤診せらる又小膓の赤痢或は盲膓部の赤痢は其  症狀頗る膓窒扶私に類似し殆んと其何れなるかを診定する  能はさることありかゝる塲合には糞便の細菌學的檢査に依ら  さるべからず「ウィダール」氏反應は膓窒扶私の如く初期に  發現せさるが故に診斷上に應用しうる塲合割合に少なし 免疫性 一旦本病に罹るも長く免疫性を保有せず時として                    一九                    二〇  は再感することあり      實布垤利亞 原因 一八八三年(二十九年前)「クレープス」氏の發見に係  り實布垤利亞(中等大の桿菌にして棍棒狀を呈し(第五圖)  運動なし)にして本病の病狀は本菌の產生する毒素により  て起る中毒症狀なり  抵抗力(●●●) 溫度(●●)…攝氏五十八度にて十分間にて死滅す 乾燥(●●)  …玩具に附着して六ヶ月間生存せし例あり 藥品(●●)…千倍昇  汞水又は二十倍石炭酸水中にては半分時間にして死す 誘因 感冒等  年齡(●●)は大に關係あり哺乳兒は本病に罹る少く二歳乃至十歳  に於ては最屢感染しそれより漸次減少し大人の侵さるゝは  比較的稀なり 實布垤利亞菌の巢窟 (一)實布垤利亞患者 (二)實布垤利  亞菌携帶者 (三)義膜及分泌液  實布垤利亞菌は實布垤利亞患者の義膜中及義膜の附着せる  粘膜面に局在す從て唾液喀痰は最も危險なり而して本菌は  該粘膜部に於て本病回復後通常數日の後消失するも所謂菌  携帶者に於ては往々三週乃至三ヶ月の後尚本菌の遺存を認  むることあり又大人に於ては其咽頭に强毒の本菌を有しつゝ  も全く健康にして何等の症候を呈せさるものあり 實布垤利亞傅染徑路 (一) 直接傅染(●●●●) 患者の咳嗽時等に  ありて義膜又は分泌液直接に健康者の口鼻に達するによる                   二一                    二二  (二) 間接傅染(●●●●) 患者の使用せる飮食器、衣類、玩具等に義膜又  は分泌液附着せる際健康者は是等の物品を介し又は物品に  觸れたる手を介して病毒を口鼻に送入するによる尚本菌薼【塵】  埃に混して飛散し空氣を介して傳染することあり 症候 潜伏期(●●●) 二日乃至七日  發病(●●) 多くは惡寒若くは戰慄を以て起り体温上昇し咽頭部  に疼痛を發す殊に嚥下時に於て然り此際開口せしめ舌を壓  して咽頭を檢するに兩側の扁桃腺(第六圖)は發赤腫脹し灰  白色の義膜又は黄色の分泌物を認む之れ咽頭實布垤利亞の  症候なるも進て喉頭實布垤利亞(一名喉頭クループ)を續發  する時は聲音嘶嗄し一種の特有なる犬吠樣咳嗽を發す吸息  は延長し一種の響を帶ぶ斯くて呼吸困難增進し遂に窒息に  陷りて死亡す 診斷 前記の症狀著明なる時は診斷を誤らざるも若し明な  らざる時は義膜の細菌檢査により確定することを得べし 免疫性 罹病後は一定の免疫性を得るも人により其期間に  長短あり從て再感し或は甚しきは一年間に三回本病に罹り  し例あり      猩紅熱 原因 未だ明ならず 病毒の所在 病毒は恐くは皮膚(水胞液、落屑)及咽頭、鼻  腔等の粘液内に存するものゝ如く尚延て周圍の諸物に附着  し長く傳染力を保有す                   二三                    二四 傳染徑路 直接(●●)に患者に接觸し或は間接(●●)に什器、玩具、  書状、空氣等を介して傳染す而して病毒の侵入門(●●●)は呼吸器、  皮膚の創傷及消化器粘膜殊に咽頭ならん 罹病年齢 二歳乃至七歳の小兒は最多く本病の侵す所と  なる大人も亦感染することあり 症候 潜伏期(●●●) 一日乃至七日  發病(●●) 惡寒(●●)若くは戰慄(●●)を以て初まり次て体温三十九度乃至  四十度に達し脈搏增し惡心、嘔吐(●●)、心悸亢進、全身倦怠、頭痛  を伴ふ而して患者は咽頭(●●)の(●●)疼痛(●●)を訴へ爲に嚥下困難(●●●●)に苦む  此際開口せしめて檢するに顯著なる咽頭の發赤腫脹を認む  次て頸部に於て本病の特徴たる赤色(●●)の(●)發疹(●●)現はれ一二日間  にして全身(●●)に(●)蔓延(●●)す但し頣部及鼻部(●●●●●)は(●)蒼白色(●●●)を呈す此期に  於ける舌(●)の(●)狀態(●●)を見るに深紅色にして凹凸あり恰も猫舌(●●)の  如し而して發疹は三四日間持續するの後徐に褪色を初め其  後一週を經て皮膚は平常の外觀に復し次て落屑(●●)(多くは膜  狀)を生ず体溫は發疹の褪色と共に漸次下降す斯くて發病  後第四週の終りに於て全癒するものなり 免疫性 一回本病に罹る時は多くは免疫性を得れとも時とし  て三四回感染するものあり      《割書:膓窒扶私、パラ|チフス、赤痢》豫防法 豫防法は之を(甲)傅染病の未だ發生せさる塲合と(乙)其己【已】に 發生したる塲合とに分つことを得 (甲) 傅染病未發生時即平時(●●●●●●●●●●)の(●)豫防法(●●●)                   二五                    二六  (一)淸潔法を勵行すること 家屋及其周圍の淸潔殊に便所及   井戸の構造に注意し病毒の土地及水中に侵淫するを防き   溝渠を渫ひ下水の疏通を計るべし(上下水の完全なる設   備をなさば固より申分なし)又屢厩舎の掃除を行ひ以て   蠅の發生を防ぐを要す(旣に發生したる蠅に對しては蠅   取の方法を講し食品には蠅等の來襲を防く爲に蚊帳覆を   用ふべし)  (二)身体の健康に注意すること 感冒及胃膓障害等は屢傅染   病感染の誘因となるが故に平素十分に注意して身体の健   康を保持するを要す即日常殊に傅染病流行期に近かば飮   料水は勿論盥嗽の際又は食器の洗淨等にも必ず一旦煑沸   したるものを用ひ食物は煑或は燒きたるものにあらされ   ば食せさるを安全とす   尚會葬等の際は成るべく飮食せさるを可とす何となれば   會葬時の飮食によりて俄然傅染病の爆發を見ること少な   からざればなり若し飮料水にして夾雜物多き時は濾水器   にて濾過したるものを煮沸して用ゆるを良とす(第七圖)  (三)衛生展覧會、衛生講和又は幻燈等によりて一般衛生思想   の發達を計ること  (四)菌携帶者に對する所置をなすこと   膓窒扶私又は赤痢の流行一旦止みたる後數週乃至數ヶ月   の間隔ありて更に發生し而も其傅染徑路不明なる場合多   しこれ主として菌携帶者なるものが其源泉をなすものな   るが故に平時に於て菌携帶者の排泄物を消毒するは防疫                   二七                    二八   上極めて重要のことなりとす然れとも何人が菌携帶者なる   やを知るは極めて手數を要するを以て寧ろ流行期に先つ   一か月の頃より一定期間前年流行したる大字或は全町村   の各人悉く上圊毎に成るべく多量の石灰を投入して糞尿   の消毒をなす時は若し菌携帶者ありとするも最早他に傅   染するの危險割合に少きに至るへし   若し出來得へくんは流行ありし町村及附近の町村は町村   費又は衛生組合費を以て一定の人夫を雇ひ上け之に石灰   乳を持たせ毎日一回各戸の便所に對し之を注入せしむる   の方法を採るを尤も安全なりとす而して此塲合には人夫   の作業を監督する爲め衛生組合役員又は町村吏員は必す   人夫に附隨すへきものとす  (五)若し傅染病流行地より來り又は流行地に往復したる者あ   るときは該病の潜伏期間内發病するや否やを監視すべき   こと (乙) 傅染病發生時(●●●●●●)の(●)豫防法(●●●)  (一)前揭せる平時豫防法を更に嚴行するを要す殊に蠅の驅除   に付ては特別の注意を拂い飮食の際は蚊帳内に於て爲す   を可とす  (二)隱蔽の弊を矯正せさるべからず  (三)疑はしき患者を成るべく早く發見して醫師の診察を受け   しむること肝要なり  (四)本縣在住の醫師にして膓窒扶私、パラチフス、赤痢患者   及赤痢疑似症を診察したる塲合には之が届出をなすべき                   二九                    三〇   義務あることは勿論なるも若し膓窒扶私に類似の點あるも   未だ膓窒扶私なりと斷定し能はざるが如き塲合には之を   注意患者として一應申告すると同時に早期診斷の方法を   講し患者には萬一を慮りて消毒等を實行せしむる様にな   すを可とす  (五)傅染病患者を早期に診斷することは其蔓延を豫防する上   に於て頗る大切なる事に屬す若し臨床上決定し難き塲合   には發疱液、尿(膓窒扶私、パラチフス)糞便(膓窒扶私、   パラチフス、赤痢)を採りて細菌學的檢査をなし以て診斷   を確定するを要す  (六)患者發生せば少くとも其發病前膓窒扶私、パラチフスは三   週前赤痢は八日前に遡り左の事項を調査して傅染系統を   確め以て適切なる豫防消毒の法を講せさるべからず  (イ)患家に於て近時病者又は死者あらざりしか若しありしと    すれば其發病病月日及病狀は如何  (ロ)患者及其家族が傅染病若くは傅染病の疑ある病者死者あ    る家又は有りし家若くは傅染病流行地との間に直接間接    の交通ありしや若しありしとすれば其際飮食せしことあ    りや便所を使用したることありや又は物品を受取りたる    ことありや否や  (ハ)患者又は家人にして病毒汚染の疑ある河川、溝渠、井戸等    を使用したることありや  斯く如く調査するも尚最近の事實に於て傳染の系統を見出  すことを得さる塲合少からず是れ調査の不充分なるかため                   三一                    三二  か或は恐くは菌携帶者之が源泉をなしたるものなるへし  (七)傅染病患者發生の届出ありたる時は患者は成るべく速に   傅染病院又は隔離病舎に収容するを原則とし自宅の治療   は十分の條件を具備するにあらさればなさしめさるを可   とす  (八)患者を傅染病院若くは隔離病舎に送りたる後患家殊に病   室を初めとし患者の使用したる食器並に家族の食器、衣   類、夜具、其他の物品を消毒せさるべからず殊に汚染の   疑ある井戸及患者の出入したる便所の消毒(戸、引手、内   壁、床、睪隱、手洗鉢、柄杓、手拭、草履等迄)には注   意せさるべからず而して消毒を終りたる便所は直に使用   し得べく糞尿は消毒後一週を經れば肥料に供するも妨げ   なし  (九)腸窒扶私、パラチフスに對しては交通遮斷及健康者隔離   の必要を認めさるは勿論なるも赤痢發生の際には村落に   在りては交通遮斷及隔離を行ふこと必要なり但し市街地   と雖も必要ありと認めたる塲合は之を行ふことあるべし  (十)患者發見後赤痢は十日間腸窒扶私、パラチフスは二十日   間患者の家族又は家族以外の者と雖も病毒に汚染し或は   汚染の疑あるものには上圊毎に石灰末を投入せしめ尚患   者の治癒後赤痢は二十日間腸窒扶私は一ヶ月以上成るべ   く長く上圊毎に石灰末を投入せしめ同時に石炭酸水を以   て手指を消毒せしむべし尚時々褌等の消毒を行ふを可と   す又腸窒扶私、パラチフス回復者は一定期間尿中にも尚                   三三                    三四   該細菌を排泄するが故に便所以外の放尿は成るべく禁せ   さるべからす然れとも赤痢患者及赤痢回復者の尿中には赤   痢菌を排泄せず従て尿を消毒する必要なし  (十一)患者發生後に於ける病毒散蔓の程度を知るは豫防上必要   の事に屬するが故に少くとも左の各項を調査し適切なる豫   防措置を講するを要す   (イ)患者發生後の家族の健康狀態如何   (ロ)患者發病後患者及其家族が他家を訪れたることありや    又は他より患家に來りしものありや   (ハ)若しありしてとすれば其際飮食物攝取、便所使用、物品授    與等の事なかりしや   (二)患者排泄物の処置を如何にせしや   (ニ)患家に於て使用したる河、堀、井戸等を使用したる人あ    りや  (十二)前項調査の結果患家以外の家屋、井戸、便所等にして病毒    に汚染し若しくは汚染の疑ある塲合にも之が消毒を行ふべ    きは論を俟たず  (十三)患家に交通したる人あらは其人の着衣、食器等に対し消   毒方法を施行し赤痢は少くも十日間膓窒扶私、パラチフ   スは二十日間其人に對し相當の監視をなすべし  (十四)病毒汚染の溝渠は消毒を行ひ河川は一定期間使用(勿論   遊泳も)を禁ずべし  (十五)患者發見後患家に對しては凡二週間尚其附近に對しても   一定期間健康視察又は健康診斷をなすを可とす                   三五                    三六  (十六)疑はしき死者あらば之を檢案するを要す  (十七)多人數の會食を禁ずべし  (十八)流行の勢猛烈にして容易に消滅の傾向なき時は必要と認   むる範圍内に豫防注射(●●●●)を行ふを可とす其有効期間は半ヶ   年乃至一ヶ年なり但し豫防注射によりて全然罹病者を斷   つ能はされとも大に其數を減少し且假令發病するも多くは   輕症にして治癒の速なると死亡數を減ずることは統計の   示す所なり  (注意)後に揭くる「病類による消毒の程度」及巻末の附録参  照      實布垤利亞の豫防及治療法 一、小兒をして感冒に罹らしめざる様平素の注意肝要なり 二、小兒にして惡寒又は戰慄、發熱、咽喉部疼痛、咽頭發赤、義  膜附着、聲音嘶嗄、特有の咳嗽等疑はしき症狀の一二を呈す  ることあらば直に醫師の診察を受くること必要なり 三、斯くして實布垤利亞の診斷を早期に下すを得ば實布垤利  亞血清の注射によりて治癒するを得べし若し本病にあらさ  るも注射せる爲に害を來すこと無し故に疑はしき場合には  寧ろ早く直に血淸療法を施すを可とす 四、若し醫師の診察を受くること遅く從て血淸注射の時期後  るゝ時は折角の注射も其効なく遂に死の傳歸を取るの巳【已】む  なきに至るべし 五、假令早期に診斷したりとするも交通不便の地にして直に                   三七                    三八  血淸を得る能はさるが如きことあらば遺憾乍ら手を拱いて  患兒を死に赴くを傍觀するの外なし故に之を救ふの途他な  し各町村役塲に於て平時血淸を購入貯藏し置くにあり 六、血淸注射によりて治癒するは血淸の成分によりて實布垤  利亞菌の產生する毒素を中和するが爲にして實布垤利亞菌  を殺滅するが爲にあらず故に血淸注射後と雖も本菌は尚一  定期間無害の儘病竈部に生存するものなり但し傳染力は依  然として存在するか故に他人を侵すことは勿論なり 七、血淸注射後時として早きは一二日遲きは一二週の後發疹  し或は稀に關節痛、筋肉痛等を發し体溫少しく上昇する等  の副作用あれとも是等の症狀は多くは一二日にして消失する  が故に決して危險なるものにあらず 八、患者發生せば其家に甞て實布垤利亞患者ありしか又は近  時實布垤利亞患者に接したることありや若くは實布垤利亞  患者の使用したる物品に觸れたることありや家族就中母親  に咽頭炎等なきや否やを調査して傅染系統を明にすべし 九、患者發病後患家を訪問したるもの(殊に小兒)ありしや若  しありしとすれば其人に對し其後の健康狀態に注意せざる  べからず 十、患者の家族殊に健兒に傳染するを確實に豫防せんと欲せ  ば宜しく實布垤利亞血淸の豫防注射を行ふべし但し其有効  期間は二三週に過ぎす 十一、實布垤利亞患者は之を隔離し成るべく専任の看護者を  定むへし                   三九                    四〇 十二、若し患者を別室に隔離したる塲合には是迄の病室は勿  論病毒汚染の虞ある室、患者の使用せる器具及家族の食器  類等は適宜に消毒するを要す 十三、井戸、便所、下水溝、薼溜等は患者の使用したる飮食器、  衣類、玩具等によりて汚染せられ若くは其疑ある塲合に限  り消毒すべし 十四、病中患兒及看護者の食器等は毎回煮沸消毒すべし 十五、看護に従事したるものは被服及手を消毒すたる後にあ  らざれば健児を触るべからず 十六、患者全快後病室及患兒に關係ある諸物品を嚴重に消毒  すべきは云ふまでもなし但し床下等を消毒するの必要殆と  なし 十七、症狀は全く快復するも其後尚數日或は三週乃至三ヶ月  間咽頭部に實布垤利亞菌を存し傳染力依然たるが故に該期  間は成るべく食器等の消毒を持續し少くとも快復後四週間は  登校を禁するを可とす (注意)後に揭くる「病類による消毒の程度」参照      猩紅熱豫防法 一、猩紅熱流行地と交通上の關係あるものに對しては該病の  潜伏期間發病するや否やを監視すべし 二、惡寒、發熱、嘔吐、咽頭疼痛等の疑はしき症狀ある塲合には  速に醫師の診察を受くること必要なり 三、患者發生の届出ありたる時は患者は成るべく速に傅染病                   四一                    四二  院又は隔離病舎に収容するを原則とすること膓窒扶私赤痢  等の場合に同じ 四、患者を入院又は入舎せしめたる後の消毒方法は後に揭く  る「病院による消毒の程度」を參照すべし 五、患者發生せば其家に甞て猩紅熱若くは猩紅熱に疑はしき  患者ありしか又は近時猩紅熱患者に接したることありや若  くは該患者の使用したる物品に觸れたることありや等を調査  し以て其傅染系統を明にすべし 六、患者發生後に於ける病毒散蔓の程度を知り以て適當なる  豫防処置を爲さんが爲めに少くとも左の各項を調査するを要  す   (イ)患者發生後の家族の健康狀態如何   (ロ)患者發病後患者及其家族が他家を訪れたることありや    又は他より患家に來りしものありや   (ハ)患者に接觸したる物(衣類器具等)又は痰壺等の處置如    何又夫等の物によりて汚染せられたる河、堀、井戸等を    使用したる人ありや 七、患者發見後患家に對しては少くも一週間尚其附近に對し  ても一定期間健康視察又は健康診斷をなすを可とす 八、患兒は快復後六週間登校を禁するを可とす      消毒法 消毒(●●)とは汚染せる傅染病毒を殺滅するを云ふ而して消毒法を 別ちて日光曝露、燒却法、煑沸消毒、蒸氣消毒、藥品消毒の五とす                   四三                    四四 (甲)日光曝露(●●●●) 病毒の附着せる疊、家具等を直射日光(曇天の   際又は障子越の光線は力弱し)に曝すこと數時間なる   時は稍や消毒の目的を達することを得べし尚數日間之を   反覆すれば愈可なり但し日光の殺菌作用は唯表部にのみ   行はれ深部に迄及ばざるの欠點あり故に此方法は他の消   毒法を行ひたる後其効力を確實ならしむる爲に行ふとこ   ろの補助の方法となすへく只單獨に日光曝露にのみ依り   て消毒の目的を達すべしと思料するは不可なり (乙)燒却法(●●●) 此法は確實に消毒の目的を達し得れとも之唯廉價   にして消毒後再び實用に供する目的なき物か又は消毒の   費用却つて其物品より高價なる物にのみ應用すべきもの   なり而して燒却の際は完全に燒却して餘りなき様注意す   べし彼の傅染病の屍体を火葬に附するは即燒却による消   毒法に外ならず (丙)煮沸消毒(●●●●) 煮沸消毒は最も簡單なる消毒方法なり即ち釜   鍋の如き器に消毒すへき物品を入れ一定時間煮沸すれは足れり   一、煮沸消毒に適する物品は次の如し    (イ)硝子器、陶磁器、木製品(都合により藥品消毒、蒸氣      消毒にても可なり)    (ロ)衣類、臥具、布片類(蒸氣消毒器ある時は蒸氣消毒      を可とす)   二、煮沸釜の内部には之に適合する籠を備へ其中に被消    毒物を投入するを便とす   三、煮沸の際は器物を全部水中に浸し蓋を被ふべし                   四五                    四六   四、糞便、尿等の排泄物は提環を附したる石油空鑵に入     れ之を三叉に釣し下方に火力を加へ時々攪拌するを     可とす其際内容は下方三分の一位迄を適度とす若し     排泄物少量なるか又は水分に乏しき塲合には適宜に     水を加ふべし   五、すべて煑沸時間は沸騰後少くも三十分間持續すべし (丁)蒸氣消毒(●●●●) 之れ消毒法中に王とも稱すべきものにして之   には蒸氣消毒器を使用す其際注意すべき事項次の如し   一、蒸氣消毒に適する物品……衣類、夜具、布片、硝子器、     陶磁器、木製品、金屬製品等   二、蒸氣消毒に滴せさる物品……革類、漆器、護謨製品、糊     附品、膠附品、毛皮、象牙、鼈甲、角類、諸種の排泄物等   三、被服類は豫め檢索し彈藥、燐寸等爆發又は發火し易     き物品ある時は之を取り出すべし   四、不潔なる物又は消毒中他物に染色の虞ある物は淸潔     なる物品と混同積載すべからず   五、數多の衣類等を嚴密に束包したる儘積載する時は蒸     氣の滲透十分ならざるの虞あるが故に消毒物品の積     載は成るべく緩踈なるをよしとす   六、消毒器内に被消毒物を納むる際には消毒衣を着用し     て事に從ひ運び入れたる後は直に其手を石炭酸水に     て消毒し然る後蓋をなすべし而して消毒完了の上は     淸潔なる消毒衣を着し消毒したる手を以て取り出す     べし                   四七                    四八   七、消毒時間は攝氏百度の蒸氣に觸れしむること一時間     以上なるを要す (戊)藥品消毒(●●●●)       イ、石炭酸  石炭酸水製法(●●●●●●) 石炭酸は最も廣く用ひらるゝ消毒薬にし   て白色針狀の結晶をなす光線に遇へば赤褐色に變すれ   とも消毒力には變化なし、而して消毒の目的には二十倍   稀釋(結晶石炭酸五分、鹽酸一分、水九十四分)を用ふ其   製造法は先づ一瓶(一ポンド入)の結晶防疫用石炭酸を   爐邊又は湯中にて溶解し之を大なる容器に移し少量の   水(温湯を用ふれば溶解速なり)を加へて能く攪拌又は振   蘯し(瓶を用ふる塲合)次て再び少量の水を加へて攪拌   又は振蘯す此の如く幾度となく繰り返し水四升七合五   勺(嚴格に言はゝ此の如くなれとも普通には一磅の石炭   酸に水五升と記臆しても差支なし、一番の「バケツ」は   水五升入なるが故に一磅の石炭酸を以て一番「バケツ」   に一杯の水に溶解すれば即ち二十倍の石炭酸水を得へ   きなり)を加ふれば初め白色に溷濁せし液は透明とな   る尚之に純䀋酸約四勺(七十八立方センチメートル)を   加ふれば所要の廿倍石炭酸水を得べし斯の如く製した   る鹽酸加石炭酸水は鹽酸加へさる石炭酸水に比ぬれ   ば消毒力遥に强し 二十倍石炭酸水用法(●●●●●●●●)                   四九                    五〇   一、使用に先ち毎回振蘯するをよしとす   二、吐瀉物及其他の排泄物には同容量を加へ丁寧に攪拌     すべし   三、家具、疊、床板、側壁、柱及前記の蒸氣消毒に不適當な     る物品等の消毒には石炭酸水に浸したる布片を以て     丁寧に洗拭するか又は大なる噴霧器にて十分に噴霧     すべし但し毛皮製品の有毛面は石炭酸水を以て濕し     たる刷毛にて反覆擦拭したる後乾燥し更に日光に曝     露すべし   四、手指等を消毒するには石炭酸水中に浸漬して十分に     擦拭し更に溫湯及石鹼を用ひて洗滌すべし   五、衣類布片等の消毒には鹽酸を加へさる石炭酸水中に     數時間浸漬したる後普通の如く洗濯す   六、傅染病患者死亡する時は屍室に移すに先ち其被服に     石炭酸水を十分に撒布し又は石炭酸水に浸したる布     片を以て全身を被包すべし   七、傅染病患者又は死体の運搬器は使用の都度石炭酸水     にて擦拭すべし       ロ、石灰 生石灰(酸化カルシウム)は炭酸石灰を灼熱して製したるもの なり故に又煆性石灰とも云ふ、本品は元來塊狀をなせとも若し 之を外氣中に曝露すれば氣中の水分吸取して粉末に變ず之 れ即ち生石灰灰末(水酸化カルシウム)なり尚之れを其儘に放置                   五一                    五二 すれば遂に氣中の炭酸を攝取して炭酸石灰に復すべし此の如 く炭酸石灰に化する時は消毒力微弱となるものなり、而して 消毒用としては常に生石灰末若くは石灰乳と爲して使用す 生石灰末製法(●●●●●●) 生石灰塊に少量の水を注加する時は高熱を發  し爆破して白色の粉末となる是れ即ち生石灰末なり此の如  く生石灰末製造に當りては熱を發するが故に破裂し易き器  物内に於てすべからず 石灰乳(●●●)の(●)製法(●●) 右の如くして生したる生石灰末に更に水を徐  々に混和して充分に攪拌すれば白色乳狀の液となる是れ即  ち石灰乳なり、規定によれば生石灰一分に水九分を加へた  るもの即十倍石灰乳として使用す故に一鑵の生石灰(約五  貫目)に水一石加ふれば所定の石灰乳を得べし或は一鑵  の生石灰を十分し其一分(凡五百目)を取りて一斗入石油空  鑵に入れ攪拌しつゝ水を注加し鑵の口邊に至るを度とす 用法(●●)  一、生石灰末及石灰乳は共に用に臨みて其直前に之を製す   るを要す何となれば製造後時を經るに從ひ漸次炭酸石灰   に化し其消毒力を減弱すればなり、故に一度生石灰の鑵   を開く時は之を其際残りなく使用し盡すを原則とせさる   べからず但し殘部を直に密封すれば差支なし  二、生石灰末及石灰乳は吐瀉物其他の排泄物、溝渠、薼【塵】溜、   井戸、浴槽等の消毒に適す從來屢床下に用ひられたしともそ   は病毒に汚染し若くは汚染の疑ある塲合に限り用ふるを   良とす而して其際の用量は地面を見るを得ざるを度とす                   五三                    五四  三、石灰乳はペンキ塗面の消毒に適せず  四、石灰乳は用に臨み丁寧に攪拌すべし何となれば靜置す    る時は其上層稀薄となればなり  五、生石灰末は少くとも被消毒物(例之は糞便)の五十分の一    容量を用ひ石灰乳は四分の一容量を混し(石灰鑵を開    封の儘放置したるもの又は普通の俵入石灰末を代用す    るの巳【已】むを得さる塲合には生石灰の倍量を用ふべし)    其際十分に攪拌するを要す若し攪拌不十分なる時は消    毒の目的を達すること能はず  六、石灰乳を以て牀壁の消毒に用ふることあれとも効力充分な    らず况や雪隱のはめ板等に點々的に散布するに於てを    や此の如きは啻に効なきのみならず外觀上甚た不体裁    にして隅々以て消毒從事者の無學なるを表示するもの    と謂ふへく徒に具眼者の嘲笑を買ふに過きす  七、井戸、浴槽、糞池等の消毒に要する石灰の分量は別表の    如くし能く攪拌したる後十二時間以上放置して再三井    戸浚ひをなすべし  八、傅染病の死体を納棺するには棺底に生石灰又はクロー    ル石灰を入れ或は木灰、藁灰、鋸屑等の吸収性物質を敷    き汁の棺外に漏るゝを防くべし       ハ、格魯兒石灰(晒粉) クロール石灰は白色の粉末なり日光に觸れ又は温度上昇する 時は分解を起して爆發することあるが故に之を貯藏するには                   五五                    五六 冷暗所に置かさるべからず 用法は二〇倍液(クロール石灰五分水九十五分)となし石灰乳 と同量に且同一の場合に使用するものとす但し用に臨みて製 すべし       二、「クレゾール」水 クレゾール水を製するにはクレゾール石鹼液(褐色)六分に水 九十四分を加ふべし クレゾール水は石鹼を含むが故に各種物件殊に不潔なる床板 等の消毒に適し其容量及應用は石炭酸に準ずべし 此外 千倍昇汞水(○○○○○)(昇汞一分䀋酸十分水九百八十九分)綠石鹼又(○○○○) は加里石鹼(○○○○)、フオルムアルデヒード(○○○○○○○○○○)等の消毒藥あれとも其詳細 は略す       病類による消毒の程度 病原体は各其性狀を異にするが故に疾病によりて病毒の所在 同じからず從て其消毒の部位程度も之に應して變化せさるべ からず今左に之が標準を揭げんとす (甲)虎列刺(●●●)、赤痢(●●)、膓窒扶私(●●●●)、パラチフス(●●●●●●)に(●)對(●)する(●●)消毒(●●)の(●)程度(●●)  (一)臺所(●●) (イ)食器及庖厨用具類は煮沸消毒を行ふこと但し之    に適せさるものは石炭酸水に浸漬したる後淨水を以て洗    滌すべし  (ロ)食器棚は其内外を石炭酸水を以て擦拭したる後更に淨水    を以て擦拭すること  (ハ)飯、野菜、煑物其た飮食物の殘餘にして病毒汚染の虞ある    ものは家人に說示したる後汚物として處分すること、但し                   五七 ❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘ |   井戸及便所に対する消毒薬量計算                      | |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |口  径|水量 |深|  |    |生石灰|一   尺  |  一尺五寸 |  二尺   |  二尺五寸 | |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |        | 石斗升合尺 | 石斗升合尺 | 石斗升合尺 | 石斗升合尺 | |二尺  |水量 |  四、八五〇|  七、二七〇|  九、六九〇| 一二、一二〇| |    |生石灰|    一〇七|    一四六|    一九三|    二四三| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |二尺一寸|水量 |  五、三四〇|  八、〇一〇| 一〇、六九〇| 一三、三六〇| |    |生石灰|     九七|    一六一|    二一四|    二六八| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |二尺二寸|水量 |  五、八六〇|  八、八〇〇| 一一、七三〇| 一四、六六〇| |    |生石灰|    一一八|    一七六|    二三五|    二九四| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |二尺三寸|水量 |  六、四一〇|  九、六一〇| 一二、八二〇| 一六、〇二〇| |    |生石灰|    一二九|    一九三|    二五七|    三二一| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |二尺四寸|水量 |  六、九八〇| 一〇、四七〇| 一三、九六〇| 一七、四五〇| |    |生石灰|    一四〇|    二一〇|    二八〇|    三四九| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |二尺五寸|水量 |  七、五七〇| 一一、三六〇| 一五、一四〇| 一八、九三〇| |    |生石灰|    一五二|    二二八|    三〇三|    三七九| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |二尺六寸|水量 |  八、一九〇| 一二、二九〇| 一六、三八〇| 二〇、四八〇| |    |生石灰|    一六四|    二四六|    三二八|    四一〇| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |二尺七寸|水量 |  八、八三〇| 一三、二四〇| 一七、六六〇| 二二、〇八〇| |    |生石灰|    一七七|    二六五|    三五四|    四四一| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |二尺八寸|水量 |  九、五〇〇| 一四、二四〇| 一八、九九〇| 二三、七四〇| |    |生石灰|    一九〇|    二八五|    三八〇|    四七五| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |二尺九寸|水量 | 一〇、一九〇| 一五、二八〇| 二〇、三八〇| 二五、四七〇| |    |生石灰|    二〇四|    三〇六|    四〇八|    五一〇| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |三  尺|水量 | 一〇、九〇〇| 一六、三六〇| 二一、八一〇| 二七、二六〇| |    |生石灰|    二一八|    三二八|    四三七|    五四六| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |三尺一寸|水量 | 一一、六四〇| 一七、四六〇| 二三、二九〇| 二九、一一〇| |    |生石灰|    二三三|    三〇五|    四六六|    五八三| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |三尺二寸|水量 | 一二、四一〇| 一八、六一〇| 二四、八一〇| 三一、〇二〇| |    |生石灰|    二四九|    三七三|    四九七|    六二一| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |三尺三寸|水量 | 一三、一九〇| 一九、七九〇| 二六、三九〇| 三二、九八〇| |    |生石灰|    二六四|    三九六|    五二八|    六六〇| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |三尺四寸|水量 | 一四、〇一〇| 二一、〇一〇| 二八、〇一〇| 三五、〇一〇| |    |生石灰|    二八一|    四二一|    五六一|    七〇一| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |三尺五寸|水量 | 一四、八四〇| 二二、二六〇| 二九、六八〇| 三七、一〇〇| |    |生石灰|    二九七|    四四六|    五九四|    七四二| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |三尺六寸|水量 | 一五、七〇〇| 二三、五五〇| 三一、四〇〇| 三九、二五〇| |    |生石灰|    三三二|    四七一|    六二八|    七八五| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |三尺七寸|水量 | 一六、五九〇| 二四、八八〇| 三三、一七〇| 四一、四七〇| |    |生石灰|     九七|    四九八|    六六四|    八三〇| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |三尺八寸|水量 | 一七、五〇〇| 二六、二四〇| 三四、九九〇| 四三、七四〇| |    |生石灰|    三五〇|    五二五|    七〇〇|    八七五| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |三尺九寸|水量 | 一八、四三〇| 二七、六四〇| 三六、八六〇| 四六、〇七〇| |    |生石灰|    三六九|    五五三|    七三八|    九二二t |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |四  尺|水量 | 一九、三九〇| 二九、〇八〇| 三八、七七〇| 四八、四六〇| |    |生石灰|    三八八|    五八二|    七七六|    九七〇| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| ❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘ |   井戸及便所に対する消毒薬量計算                        |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘ | 三   尺 |  三尺五寸 | 四   尺 |  四尺五寸 | 五   尺 |五尺五 |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘❘ | 石斗升合尺 | 石斗升合尺 | 石斗升合尺 | 石斗升合尺 | 石斗升合尺 |石斗升 | 一四、四五〇| 一六、九六〇| 一九、三八〇| 二一、八一〇| 二四、二三〇|二六、 |    二九一|    三四〇|    三八八|    四三七|    四八五| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘❘ | 一六、〇三〇| 一八、七〇〇| 二一、三七〇| 二四、〇四〇| 二六、七一〇|二九、 |    三二一|    三七四|    四二八|    八四一|    五三五| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘❘ | 一七、五九〇| 二〇、五二〇| 二三、四六〇| 二六、三八〇| 二九、三二〇|三二、 |    三五二|    四一一|    四七〇|    五二八|    五八七| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘❘ | 一九、二三〇| 二二、四三〇| 二五、六四〇| 二八、八四〇| 三二、〇五〇|三五、 |    三八五|    四四九|    五一三|    五七七|    六四一| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘❘ | 二〇、九四〇| 二四、四二〇| 二七、九一〇| 三一、四〇〇| 三四、八九〇|三八、 |    四一九|    四八九|    五五九|    六二九|    六九八| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘❘ | 二二、七二〇| 二六、五〇〇| 三〇、二九〇| 三四、〇八〇| 三七、八六〇|四一、 |    四五五|    五三〇|    六〇六|    七三八|    七五八| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘❘ | 二四、五七〇| 二八、六七〇| 三二、七六〇| 三六、八六〇| 四〇、九五〇|四五、 |    四九二|    五七四|    六五六|    一九三|    八一九| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘❘ | 二六、五〇〇| 三〇、九一〇| 三五、三三〇| 三九、七三〇| 四四、一六〇|四八、 |    五三〇|    六一九|    七〇七|    七九五|    八八四| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘❘ | 二八、五〇〇| 三三、二四〇| 三七、九九〇| 四二、七三〇| 四七、四九〇|五二、 |    五七〇|    六六五|    七六〇|    八五五|    九五〇| 一、 |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘❘ | 三〇、五七〇| 三五、六六〇| 四〇、七六〇| 四五、八五〇| 五〇、九五〇|五六、 |    六一ニ|    七一四|    八一六|    九一七|  一、〇一九| 一、 |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘❘ | 三二、七一〇| 三八、一六〇| 四三、六二〇| 四九、〇七〇| 五四、五二〇|五九、 |    六五五|    七六四|    八七三|    九八二|  一、〇九一| 一、 |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘❘ | 三四、九三〇| 四〇、七五〇| 四六、五七〇| 五二、三九〇| 五八、二二〇|六四、 |    六九九|    八一五|    九三二|  一、〇四八|  一、一六五| 一、 |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘ | 三七、二二〇| 四三、四二〇| 四九、六二〇| 五五、八三〇| 六二、〇三〇|六八 |    七四五|    八六九|    九九四|  一、一一七|  一、二四一| 一、 |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘❘❘ | 三九、五八〇| 四六、一八〇| 五二、七七〇| 五九、三七〇| 六五、九七〇|七ニ、 |    七九二|    九二四|  一、〇五六|  一、一八八|  一、三二〇| 一、 |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘❘❘ | 四二、〇二〇| 四九、〇二〇| 五六、〇二〇| 六三、〇三〇| 七〇、〇三〇|七七、 |    八四一|    九八一|  一、一ニ一|  一、二六一|  一、四〇一| 一、 |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘❘❘ | 四四、五二〇| 五一、九五〇| 五九、三六〇| 六六、七九〇| 七四、二一〇|八一、 |    八九一|  一、〇三九|  一、一八八|  一、三三六|  一、四八五| 一、 |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘❘❘ | 四七、一〇〇| 五四、九五〇| 六二、八〇〇| 七〇、六五〇| 七八、五一〇|八六、 |    九四二|  一、一〇〇|  一、二五六|  一、四一四|  一、五七一| 一、 |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘❘❘ | 四九、七六〇| 五八、〇五〇| 六六、三四〇| 七四、六四〇| 八二、九三〇|九一、 |    九九六|  一、一六一|  一、三二七|  一、四九三|  一、六五九| 一、 |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘❘❘ | 五二、四八〇| 六一、二三〇| 六九、九八〇| 七八、七三〇| 八七、四七〇|九六、 |  一、〇五〇|  一、二二 |  一、四〇〇|  一、五七五|  一、七五〇| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘❘❘ | 五五、二八〇| 六四、五〇〇| 七一、七一〇| 八二、九三〇| 九二、一四〇|一〇一、 |  一、一〇六|  一、二九〇|  一、四七四|  一、六五九|  一、八四三|  二、 |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘❘❘ | 五八、一五〇| 六七、八五〇| 七七、五四〇| 八七、二三〇| 九六、九三〇|一〇六、 |  一、一六三|  一、三五七|  一、五五一|  一、七四五|  一、九三九|  二、 |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘ 備考    井水を消毒するには其水量の五十分の一の生石灰を乳状となし投入し能く攪拌し十二時間以上を経て後充分浚渫を行    さるはからず井戸は其構造種々にして円筒形なるあり或は長方形なるあり瓢箪形なるあり或は口径及底径を異にする    に円筒形のものとン見做し左記算式により測定す但実際に臨み其井戸の構造により適宜斟酌するを要す 算式口径×    即ち五石四斗五升二合なることを知るへし 併し右方法は稍々複雑なるを以て比較的簡易なる方法により算出すると    せし量は其実際の量より僅かの増量を見る 本評は計算の労を省略する為め口径二尺より四尺迄深さ一尺より一丈ン迄    其中間の数假は 一寸 二寸、三寸、四寸、六寸、七寸、八寸、九寸等を得ることあり此等の場合に於ては深さ一尺    に加へ二尺二寸なれは之の原数を二倍し二尺相当欄生石灰の量に加へ三尺六寸なれは三尺五寸相当欄生石灰の量に    様式により測定し且つ本表を参照し其容量を算出すへし 但し糞池は大抵其口径及底径相同しからすして底部に    に於ける糞便量は実際の量より増多するも該量に対し石灰乳(十倍)を四分の一以上混和し充分攪拌すれは安全なり 【一、位置表が大きいので分割標示した】 【二、備考表記は40ページと分割されていたので、41ぺージに通して表記した】 ❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘ |   毒薬量計算表                      | |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘ |口  径|水量 |深                              | |    |生石灰|  四尺五寸 |  五尺   | 五尺五寸  |  六尺   | |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |        | 石斗升合尺 | 石斗升合尺 | 石斗升合尺 | 石斗升合尺 | |二尺  |水量 | 二一、八一〇| 二四、二三〇| 二六、六五〇| 二九、〇八〇 |    |生石灰|    四三七|    四八五|    五三三|    五八二| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |二尺一寸|水量 | 二四、〇四〇| 二六、七一〇| 二九、三九〇| 三二、〇六〇| |    |生石灰|     八四|    五三五|    五八八|    六四二| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |二尺二寸|水量 | 二六、三八〇| 二九、三二〇| 三二、二四〇| 三五、一九〇| |    |生石灰|    五二八|    五八七|    六四五|    七〇四| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |二尺三寸|水量 | 二八、八四〇| 三二、〇五〇| 三五、二五〇| 三八、六四〇| |    |生石灰|    五七七|    六四一|    七〇五|    七七〇| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |二尺四寸|水量 | 三一、四〇〇| 三四、八九〇| 三八、三八〇| 四一、八七〇| |    |生石灰|    六八二|    六九八|    七六八|    八三八| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |二尺五寸|水量 | 三四、〇八〇| 三七、八六〇| 四一、六五〇| 四五、四三〇| |    |生石灰|    一五二|    七五八|    八三三|    九〇九| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |二尺六寸|水量 | 三六、ハ六〇| 四〇、九五〇| 四五、〇五〇| 四九、一四〇| |    |生石灰|    七三八|    八一九|    九〇一|    九八三| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |二尺七寸|水量 | 三九、七三〇| 四四、一六〇| 四八、五八〇| 五二、九九〇| |    |生石灰|    七九五|    八八四|    九七二|  一、〇六〇| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |二尺八寸|水量 | 四二、七三〇| 四七、四九〇| 五二、二四〇| 五六、九九〇| |    |生石灰|    八五五|    九五〇|  一、〇四五|  一、一四〇| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |二尺九寸|水量 | 四五、八五〇| 五〇、九五〇| 五六、〇四〇| 六一、一四〇| |    |生石灰|    九一七|  一、〇一九|  一、一ニ一|  一、二二三| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |三  尺|水量 | 四九、〇七〇| 五四、五二〇| 五九、九七〇| 六五、四ニ〇| |    |生石灰|    九八二|  一、〇九一|  一、二〇〇|  一、三〇九| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |三尺一寸|水量 | 五二、三九〇| 五八、二二〇| 六四、〇四〇| 六九、八六〇| |    |生石灰|  一、〇四八|  一、一六五|  一、二八一|  一、三九八| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |三尺二寸|水量 | 五五、八三〇| 六二、〇三〇| 六八、二三〇| 七四、四四〇| |    |生石灰|  一、一一七|  一、二四一|  一、三六五|  一、四八九| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |三尺三寸|水量 | 五九、三七〇| 六五、九七〇| 七二、五七〇| 七九、一六〇| |    |生石灰|  一、一八八|  一、三二〇|  一、四五二|  一、五八四| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |三尺四寸|水量 | 六三、〇三〇| 七〇、〇三〇| 七七、〇三〇| 八四、〇三〇| |    |生石灰|  一、二六一|  一、四〇一|  一、五四一|  一、六八三| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |三尺五寸|水量 | 六六、七九〇| 七四、二一〇| 八一、六三〇| 八九、〇五〇| |    |生石灰|  一、三三六|  一、四八五|  一、六三三|  一、七八一| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |三尺六寸|水量 | 七〇、六五〇| 七八、五一〇| 八六、三六〇| 九四、二一〇| |    |生石灰|  一、四一四|  一、五七一|  一、七ニ八|  一、八八五| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |三尺七寸|水量 | 七四、六四〇| 八二、九三〇| 九一、二二〇| 九九、五二〇| |    |生石灰|  一、四九三|  一、六五九|  一、八ニ五|  一、九九一| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |三尺八寸|水量 | 七八、七三〇| 八七、四七〇| 九六、二二〇|一〇四、九六〇| |    |生石灰|  一、五七五|  一、七五〇|  一、九二五|  二、一〇〇| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |三尺九寸|水量 | 八二、九三〇| 九二、一四〇|一〇一、三五〇|一一〇、五六〇| |    |生石灰|  一、六五九|  一、八四三|  二、〇二七|  二、二一二| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |四  尺|水量 | 八七、二三〇| 九六、九三〇|一〇六、六二〇|一一六、三一〇| |    |生石灰|  一、七四五|  一、九三九|  二、一三三|  二、三三六| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| ❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘ |   井戸及便所に対する消毒薬量計算                        |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘ |  六尺五寸 | 七   尺 |  七尺五寸 | 八   尺 |   八尺五寸| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 石斗升合尺 | 石斗升合尺 | 石斗升合尺 | 石斗升合尺 | 石斗升合尺 | | 三一、四〇〇| 三三、九二〇| 三六、三五〇| 三八、七七〇| 四一、一九〇| |    六三〇|    六七九|    八〇二|    七七六|    八二四| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 三四、七三〇| 三七、四〇〇| 四〇、〇七〇| 四二、七四〇| 四五、四一〇| |    六九五|    七四八|    四二八|    八五五|    九〇九| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 三八、一〇〇| 四一、〇五〇| 四三、九七〇| 四六、九一〇| 四九、八四〇| |    七六二|    八二一|    八八〇|    九三九|    九六九| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 四一、六五〇| 四四、八六〇| 四八、〇六〇| 五一、二七〇| 五四、四八〇| |    八三三|    八九八|    九六二|  一、〇二六|  一、〇九〇| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 四五、三六〇| 四八、八五〇| 五二、三四〇| 五五、八三〇| 五九、三二〇| |    九〇八|    九七七|  一、〇四七|  一、一一七|  一、一八七| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 四九、二二〇| 五三、〇一〇| 五六、七九〇| 六〇、五八〇| 六四、三六〇| |    九八五|  一、〇六一|  一、一三六|  一、二一二|  一、二八八| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 五三、二四〇| 五七、三三〇| 六一、四三〇| 六五、五二〇| 六九、六二〇| |  一、〇六五|  一、一四七|  一、二二九|  一、三一一|  一、三九三| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 五七、四一〇| 六一、八三〇| 六六、二四〇| 七〇、六六〇| 七五、〇七〇| |  一、一四八|  一、二三七|  一、三二五|  一、四一四|  一、五〇二| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 六一、七四〇| 六六、四九〇| 七一、二四〇| 七五、九九〇| 八〇、七四〇| |  一、二三五|  一、三三 |  一、四ニ五|  一、五二〇|  一、六一五| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 六六、二三〇| 七一、三三〇| 七六、四ニ〇| 八一、五一〇| 八六、六一〇| |  一、三二五|  一、四ニ七|  一、五二九|  一、六三一|  一、七三三| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 七〇、八八〇| 七六、三三〇| 八一、七八〇| 八七、二三〇| 九二、六九〇| |  一、四一八|  一、五二七|  一、六三六|  一、七四五|  一、八五四| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 七五、六八〇| 八一、五〇〇| 八七、三二〇| 九三、一五〇| 九八、九七〇| |  一、五一四|  一、六三〇|  一、七四七|  一、八六三|  一、九八〇| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘ | 八〇、六四〇| 八六、八四〇| 九三、〇五〇| 九九、二五〇|一〇五、四五〇| |  一、六一三|  一、七三七|  一、八六一|  一、九八五|  二、一〇九| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 八五、七六〇| 九二、三六〇| 九八、九五〇|一〇五、五五〇|一一二、一五〇| |  一、七一六|  一、八四八|  一、九七九|  二、一一一|  二、二四三| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 九一、三六〇| 九八、〇四〇|一〇五、〇四〇|一一二、〇五〇|一一九、〇五〇| |  一、八ニ一|  一、九六一|  二、一〇一|  二、二四一|  二、三八一| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 九六、四八〇|一〇三、八九〇|一一一、三一〇|一一八、七三〇|一ニ六、一五〇| |  一、九三〇|  二、〇七九|  二、二二七|  二、三七五|  二、五二三| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |一〇二、〇五〇|一〇九、九一〇|一一七、七六〇|一ニ五、六一〇|一三三、四六〇| |  二、〇四一|  二、一九九|  二、三五六|  二、五一三|  二、六七〇| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |一〇七、八一〇|一一六、一〇〇|一ニ四、四〇〇|一三二、六九〇|一四〇、九八〇| |  二、一五七|  二、三二二|  二、四八八|  二、六五四|  二、八二〇| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |一一三、七一〇|一ニ二、四六〇|一三一、二一〇|一三九、九六〇|一四鉢、七一〇| |  二、二七五|  二、四五〇|  二、六二五|  二、八〇〇|  二、九七五| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |一一九、八一〇|一ニ八、九九〇|一三八、二一〇|一四七、四二〇|一五六、六四 | |  二、三九六|  二、五八〇|  二、七六五|  二、九四九|  三、一三三| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |一ニ五、一〇〇|一三五、六九〇|一四五、三九〇|一五五、〇八〇|一六四、七七〇|、 |  二、五二〇|  二、七一四|  二、九〇八|  三、一〇二|  三、二九六|、 |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘ ❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘ |   井戸及便所に対する消毒薬量計算     |                   |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 九   尺 |  九尺五寸 |  一  丈 | |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 石斗升合尺 | 石斗升合尺 | 石斗升合尺 | | 四四、五二〇| 四六、〇四〇| 四八、四六〇| |    八九〇|    九二一|    九七〇| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 四八、〇九〇| 五〇、七六〇| 五三、四三〇| |  一、〇五六|  一、〇一六|  一、〇六九| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 五二、七八〇| 五五、七一〇| 五八、六四〇| |    三五二|  一、一一五|  一、一七三| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 五七、六九〇| 六〇、八九〇| 六四、〇九〇| |  一、一五四|  |、二一八   一、二八二| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 六二、八一〇| 六六、三〇〇| 六九、七九〇| |  一、二五七|  一、三二六|  一、三九六| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 六八、一五〇| 七一、九四〇| 七五、七二〇| |  一、三六三|  一、四三九|  一、五一五| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 七三、七一〇| 七七、八一〇| 八一、九〇〇| |  一、四七五|  一、五五七|  一、六三八| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 七九、四九〇| 八三、九一〇| 八八、三二〇| |  一、五九〇|  一、六七九|  一、七六六| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 八五、四九〇| 九〇、二四〇| 九四、九九〇| |  一、七一〇|  一、八〇五|  一、九〇〇| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 九一、七〇〇| 九六、八〇〇|一〇一、八九〇| |  一、八三四|  一、九三六|  二、〇三八| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| | 九八、一四〇|一〇三、五九〇|一〇九、〇四〇| |  一、九六三|  二、〇七二|  四、一八一| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |一〇四、七九〇|一一〇、六一〇|一一六、四三〇| |  二、〇九六|  二、二一三|  二、三二九| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘ |一一一、六六〇|一一七、八六〇|一ニ四、〇六〇| |  二、二三四|  二、三五八|  二、四八二| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |一一八、七五〇|一ニ五、三四〇|一三一、九四〇| |  二、三七五|  二、五七三|  二、六三五| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |一ニ六、〇五〇|一三三、〇五〇|一四〇、〇六〇| |  二、五二一|  二、六七一|  二、四〇一| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |一三三、五七〇|一四一、〇〇〇|一四八、四二〇| |  二、六七二|  二、八ニ〇|  二、九六九| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |一四一、三一〇|一四九、一七〇|一五七、〇二〇| |  二、八ニ七|  二、九八四|  三、一四一| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |一四九、二八〇|一五七、五七〇|一六五、八六〇| |  二、九八六|  三、一五二|  三、三一八| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |一五七、四五〇|一六六、二〇〇|一七四、九五〇| |  三、一四九|  三、三二四|  三、四九五| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |一六五、八五〇|一七五、〇六〇|一八四、二八〇| |  三、三一七|  三、五〇二|  三、六八六| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |一七四、四六〇|一八四、一六〇|一九三、八五〇| |  三、四九〇|  三、六八四| 一三、八七七| |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘ 備考    井水を消毒するには其水量の五十分の一の生石灰を乳状となし投入し能く攪拌し十二時間以上を経て後充分浚渫を行ひ使用し得へきは内務省令の定むる所なり故に先つ其水量を測定し其投入すへき消毒薬 分量を定め    さるはからず井戸は其構造種々にして円筒形なるあり或は長方形なるあり瓢箪形なるあり或は口径及底径を異にするあり其他種々に不正形なるあり従て水量の測定は常に正確に之を算出すること能はすと雖とも一様    に円筒形のものとン見做し左記算式により測定す但実際に臨み其井戸の構造により適宜斟酌するを要す 算式口径×口径×深×0,7854×15,26 3×3×5×3×4,04 即ち水量五石四斗五升四合を得後法により測定    即ち五石四斗五升二合なることを知るへし 併し右方法は稍々複雑なるを以て比較的簡易なる方法により算出すると    せし量は其実際の量より僅かの増量を見る 本評は計算の労を省略する為め口径二尺より四尺迄深さ一尺より一丈迄の水量及之に投入すへき生石灰の分量を掲く 但し本表は其深さ五寸毎に計算しあるも実際に臨み    其中間の数假は 一寸 二寸、三寸、四寸、六寸、七寸、八寸、九寸等を得ることあり此等の場合に於ては深さ一尺欄生石灰の量を十分し之を原数となし深さ一尺一寸なれは之の原数を一尺相当欄記載の生石灰の量    に加へ二尺二寸なれは之の原数を二倍し二尺相当欄生石灰の量に加へ三尺六寸なれは三尺五寸相当欄生石灰の量に原数を加へ四尺七寸なれは原数を二倍し四尺五寸相当欄石灰の量に加入すへし 糞池内糞便量とも右同    様式により測定し且つ本表を参照し其容量を算出すへし 但し糞池は大抵其口径及底径相同しからすして底部に向つて漸々其径を減するもの多しと雖とも先つ円筒形のものと見做し算出するを便なりとす此の場合    に於ける糞便量は実際の量より増多するも該量に対し石灰乳(十倍)を四分の一以上混和し充分攪拌すれは安全なりとす                    五八    已むを得さるものは煮沸消毒に附したる後飮食に供せし    むるも妨げなし  (ニ)流塲は其全面に石灰乳注加し置き十二時間經過の後淨    水を以て洗滌すること  (ホ)板の間は石炭酸水を以て擦拭すること  (へ)壁、戸及障子等は手の達し得る高さ迄石炭酸水を撒布し    又は同藥液を以て擦拭すること  (二)病毒汚染(●●●●)の(●)虞少(●●)なき(●●)室(●)(例之客間)(イ)柱、敷居、廊下及疊    等は塲合により石炭酸水にて擦拭すること    (ロ)戸、障子等襖等は三項(ロ)に準すること  (三)病毒汚染(●●●●)の(●)虞(●)ある(●●)室(●)(例之茶の間)(イ)柱、敷居、廊下及    疊等は四項(イ)に準する事    (ロ)戸、障子及襖等は摘み、引手、辺椽等常に手の觸るゝ部      分を石炭酸水を以て擦拭し次で直射日光に曝露すること    (ハ)其他病毒汚染の虞ある物品は適宜の方法によりて消毒  (四)病毒汚染(●●●●)の(●)虞多(●●)き(●)室(●)(例之病室)    (イ)柱、敷居、廊下及疊等は表面に石炭酸水を撒布し又は      同藥液を以て擦拭し畳は更に直射日光に曝露すること    (ロ)戸、障子、襖及壁等は通常手の達し得る部分迄石炭酸      水を撒布し又は同藥液を以て擦拭し次て直射日光に曝      露すること但し雨戸は手の觸るゝ部分を消毒すること    (ハ)床板及床下の消毒は汚物の滲透を受け若しくは其疑あ      る塲合に限り行ふこと                   五九                    六〇    (ニ)天井の消毒は蠅の多數発生等により病毒に汚染したり      と認めたる場合に限り行ふこと    (ホ)衣類、臥具、布片等は蒸氣消毒に附し其他の器具物品も      亦適宜消毒すること  (五) 便所(●●)、(便器(●●))、下水溜(●●●)、下水溝(●●●)、塵芥溜及井戸(●●●●●●)(水槽(●●))    (イ)便所の天井、内壁(窓障子を含む)、踏板、睪隱、朝顏、戸      及其摘みには十分石炭酸水を撒布し又は同藥液を以て      擦拭すること      踏板裏、敲面、汲取口及蓋、内羽目板、外羽目板及土      臺には石炭酸水を撒布すること      糞池及尿池の消毒には生石灰末を用ふること但し其内      容物により石灰乳を用ふるも妨げなし      便器は石灰乳を以て消毒すること      手洗鉢の内容物は其儘糞池又は尿池に投入すること       但し糞尿池の消毒前に投入すること      手洗鉢、手洗流塲は石炭酸水を以て消毒すること      手洗柄杓及手拭掛は石炭酸水を以て消毒すること      便所箒、塵拂、草履、紙箱(紙共)及手拭は石炭酸水中      に浸漬するか又は燒却すること    (ロ)下水溜及下水溝の消毒には生石灰末又は石灰乳を用ふ      ること      塵芥溜は石灰乳を以て消毒し其内容物は燒却すること    (ハ)井戸(水槽)は飮料たると雜用たるとに拘らず生石灰末      を以て消毒すること                   六一                    六二      釣瓶、釣瓶車、縄は石灰を投したる井中に浸漬し井戸      浚を爲すに至る迄放置すへし井戸側、釣瓶竿、柄杓は石      炭酸又は石灰を以て消毒すへし (乙)發疹窒扶私(●●●●●)、痘瘡(●●)、猩紅熱(●●●)、實布垤利亞(●●●●●)に(●)對(●)する(●●)消毒(●●)の(●)程(●)   度(●)   (一)臺所(●●) (ニ)病毒汚染(●●●●●)の(●)虞少(●●)き(●)室(●) (三)病毒汚染(●●●●●)の(●)虞(●)ある(●●)室(●)    以上は甲に準ずること   (四) 病毒汚染(●●●●●)の(●)虞多(●●)き(●)室(●)     (イ)柱、敷居、廊下及疊は(甲)の如く石炭酸水を撒布し又は       同藥液を以て擦拭すること     (ロ)衣類、臥具、布片、其他の器具、物品等の消毒は(甲)に準す       ること     (ハ)戸、障子、襖、壁、天井、鴨居及額裏は全部に石炭酸       水を撒布すること但し掛物又は額面等汚損の虞あるも       のは十分に日光に曝露すべし   (五)便所(●●)(便器(●●))、下水溜(●●●)、下水溝(●●●)、塵芥溜及井戸(●●●●●)(水槽(●●))     是等は病毒に汚染し又は病毒混入の疑ある塲合に限り(甲)     に準ずること ◎附録   赤痢、虎列刺、膓窒扶私患家其他の消   毒方法施行に關する心得 訓令第四十六号號(明治三十八年八月十二日)           群市役所、警察署、警察分署、町村役場 赤痢、虎列刺、膓窒扶私患者其他の消毒方法は左の心得に依                   六三                    六四 り施行すべし      消毒方法施行に關する心得 第一條 市町村は傅染病發生患家消毒施行に充つる爲め左の  藥品及器具を準備し必要に應し患家に輸送すべし   但患家の器具にして使用し得へきものは輸送せさるも妨   けなし  一、器具   一、輸送車若くは擔荷 二、大桶(但三斗以上を容るへ   きもの) 三、小桶 四、馬喫(五升入) 五、如露 六、   手桶 七、柄杓 八、煑沸消毒用釜 九、桝(一升)漏斗   十、メートルグラス(五百グラム) 十一、攪拌用棒 十   二、消毒衣及帽 十三、履物 十四、雑巾手拭 十五、   箒 十六、熊手 十七、汚物運搬用具 十八、釘抜、釘、   金槌、鑵切 十九、釜、薪(燐寸共) 二十、鍬、鋸、蓆、   縄、風呂桶  二、藥品   一、生石灰 二、石炭酸 三、䀋酸 四、クレゾール水  三、其他必要なる器具藥品 第二條 消毒人夫には消毒施行中左の事項を確守せしむへし  一、飮食及喫煙すへからす  二、濫りに消毒區域外に立ち去るへからす  三、手、足、消毒衣等の病毒に汚染したるときは直に消毒      すへし  四、塵芥を飛揚せしめさる様注意すへし                   六五                    六六  五、家具、物品の取扱を鄭重にすへし  六、家人に對し言語を叮嚀にすへし 第三條 患家に至らは屋内に入る前先つ消毒衣及帽を着用し  履物を穿き換ふへし 第四條 消毒著手前左の各號を調査し消毒の程度順序を定め  以て遺漏なきを期すへし  一、家族及同居人の數及老幼 二、病の輕重 三、發病の  系統 四、患者の起臥せし室 五、患者に接せし家具、物品  六、看護に従事せし者 七、患者の上りたる便所及使用せ  し便器、襁褓 八、汚物を洗滌せし器物及塲所 九、汚物  を埋沒又は投棄せし塲所 十、汚染せる家具、物品 十一、  飮食物殘餘の有無 十二、其他必要と認むる事項 第五條 前條調査と共に一面左の各號を準備すへし  一、煑沸消毒 二、藥品溶解及擦拭等に用ゆる湯 三、消  毒藥 四、消毒及完了後入浴すへき浴湯 第六條 便所及現に病毒の附著せる物件は槪ね左の方法によ  り處置すへし但此消毒に從事したる者は一旦手足其他の消  毒をなしたる上にあらされは他の部分の消毒に從事せしめ  さること  一、便所   (イ) 糞池には糞便量の四分の一以上の石灰乳を加へ叮      嚀に攪拌すへし   (ロ) 糞池の周圍には充分石灰乳を灌くへし   (ハ) 便所の床、壁、柱、戸扉(特に引手に注意すへし)                   六七                    六八      等は充分石炭酸水又はクレゾール水を撒布又は擦      拭すへし   (ニ) 便所の履物、手洗柄杓、手拭、箒の類は石炭酸水      又は「クレゾール」水を以て相當の消毒を行ふへし       但高價ならさるものは燒却するを可とす   (ホ) 手洗水の流塲には石灰乳を注くへし  二、現に病毒の附着せる物件   (イ) 衣服、臥具、敷物の類は其汚染せる部分に充分石      炭酸水又は「クレゾール」水を注き途中病毒の散逸      せさる様嚴重に注意し汚物運搬用具内に収め病院      又は病舎に送り煮沸若くは蒸氣消毒を行ふへし   (ロ) 便器は其内外に充分石炭酸水クレゾール水又は石      灰乳を灌き内部は小なる藁箒の類を以て擦拭して      其液を糞池に投入し更らに同藥液を注き二十四時      間以上家人の交通せさる塲所に置くへし       但襁褓は之を燒却すへし 第七條 各室及物品等は左の方法により處置すへし   但著手の順序は病毒汚染の虞少なき塲所より初め順次に   及ほすへし  一、病毒汚染の虞少なき室(例令は座敷)   (イ) 戸障子を外し疊を揚け家具、物品と共に屋外に搬      出し充分日光に曝すへし   (ロ) 塵芥は掃き集め燒却すへし  二、病毒汚染の虞ある室(例令は茶の間)                   六九                    七〇   (イ) 疊、敷物は表面及邊椽に石炭酸水を撒布し更に石      炭酸水又はクレゾール水に浸せし布片を以て擦拭      すへし   (ロ) 戸、障子は石炭酸水を撒布し襖はその邊椽を石炭酸      水若くはクレゾール水を以て擦拭し戸、障子、襖      は特に其引手、邊椽等常に手に觸るゝ部分に注意      し充分消毒すへし   (ハ) 病毒汚染の虞ある器物は(イ)(ロ)に準し消毒すへ      し   (二) 消毒を要せすと認むる家具も消毒したる建具、疊      其他の物品と共に屋外に搬出し日光に曝すへし       但病毒汚染の虞なき居室より搬出したる物品と       置塲を區別すへし   (ホ) 次に壁、柱、敷居、板間等は石炭酸水又はクレゾー      ル水を以て擦拭すへし但通常手の達し得へき部分      より以上は之を行ふを要せす尚擦拭に用ゆる布片      は不潔となれる儘使用せす時々淸洗して用ゆへし  三、病毒汚染の虞多き室(例令は臺所)   (イ) 戸、障子、壁、柱、敷居、疊等は前項(イ)      (ロ)(ニ)の方法に依るへし   (ロ) 飮食器具は煑沸消毒を行ひ其消毒に適せさるもの      は石炭酸水若くはクレゾール水を以て洗滌又は擦      拭すへし石炭酸水又はクレゾール水を以て消毒し      たる器物は乾燥後煮沸水を以て洗滌すへし                   七一                    七二   (ハ) 食器棚は其内外を石炭酸水若くはクレゾール水を      以て擦拭し乾燥したる後更らに煮沸水を以て擦拭      し成る可く日光に晒すへし食器及食器棚擦拭用の      布片は他に用ゆるものと區別すへし   (ニ) 飯、煑物其他飮食物の殘餘は燒却すへし       但已むを得さるものは充分煮沸したる後飮食用      に供するも妨けなし   (ホ) 流塲は石炭酸水、クレゾール水又は石灰乳を其全      面に注ぐへし       但十二時間以上を經過したる後煮沸水を以て洗       滌し使用するも妨けなし   (へ) 浴塲は流塲に準し消毒すへし   (ト) 塵芥は消毒の上掃き集め燒却すへし  四、病毒汚染の虞最も多き室(例令は患者の居室)   (イ) 戸、障子、襖、疊、敷物、壁、柱、敷居、板間等      は第二項(イ)(ロ)と同様の消毒法を行ふへし       但疊、敷物は裏面を消毒し其他の消毒法も一層       嚴重なるを要す   (ロ) 患者の使用せるものは勿論其他の器具、物品も悉      く其種類に依り適當の消毒をなすへし   (ハ) 消毒したる疊、敷物、建具及家具用品は屋外に搬      出し日光に晒すべし       但し他室の物品の置塲と區別すべし   (ニ) 貴重の物品にして病毒汚染の虞少く且藥物煑沸及                   七三                   七四      蒸氣消毒に適せさるものは四時間以上日光に晒す      こと   (ホ) 床板は石炭酸水若しくは「クレゾール」水を撒布し      以て藁箒の類を以て普く擦拭すへし   (へ) 床下は床板を剝離し石灰乳を全面均等に散布すへ      し      構造緊密にして病毒汚染の虞なしと認むる者は床      板を剝離するを要せす   (ト) 床、藁床、籾糠の類は燒却し新らしきものと敷き      換ふること 第八条 井戸、土間、下水、溝渠、塵芥溜其他不潔の塲所に  對しては左の順序により消毒及淸潔方法を施行すへし  一、井戸、水槽   (イ) 井水及水槽は水量五十分一以上の生石灰を乳狀と      なして投入し能く攪拌したる後其を以て井側、井      筒を洗滌すへし   (ロ) 右の施工を終り十二時間以上を經過したる後數回      井戸浚を爲し淸水に復したるときは使用するも妨      けなし   (ハ) 釣瓶縄、釣瓶竹は可成燒却すへし      但已むを得さる事情あるときは釣瓶縄は三十分以      上煑沸するか又は六時間以上石炭酸水又は「クレ      ゾール」水に浸漬したる後煮沸水を以て洗滌し之      を乾燥すへし                   七五                    七六   (ニ) 釣瓶及釣瓶車等は石灰乳を投したる井中に浸漬し      井戸を使用するに至る迄放置すへし   (ホ) 完全なる構造にして病毒汚染の虞なしと認むる井      戸は單に浚渫するに止め消毒せさるも妨けなし  二、下水、溝渠、塵芥溜、濕地其他   (イ) 土間には石灰乳を灌きて下水、溝渠、濕地には生石      灰末又は石灰乳を撒布すへし汚水あるときは其量      に對し糞便消毒に準し規定の藥量を用ゆへし   (ロ) 塵芥溜は先つ石灰乳を注き其塵芥は燒却すへし   (ハ) 便所以外の肥料及厩の不潔なる箇所には其表面に      充分石灰乳を撒布すへし      但病毒の混入を認めたるときは尚能く石灰乳を混      和せしめさるへからす 第九條 消毒後は可成屋内に日光の射入空氣の流通を良くす  へし 第十條 消毒法施行の際剝離したる床板其他破損したる箇所  等は原形に復すへし 第十一條 病毒汚染の虞なき部分の床下と雖も不潔と認むる  ときは通常の消毒法を行ふへし 第十二條 夜間其他事故の爲め直に消毒を施行し能はさると  きは危險多き部分に限り應急的消毒を施し其部分に家人の  交通を禁すへし 第十三條 消毒完了せは消毒用器具を消毒し次に消毒衣及帽  を脫して消毒し履物を燒却し次に自己の手足を消毒し準備                   七七                    七八  せる湯に浴すへし浴後は最初の履物を穿つへし家人に對し  ては手足を消毒し入浴換衣せしめ入浴前の衣服は消毒すべ  し      附則 第十四條 傅染病毒に汚染し若くは汚染の疑ある家に對して  は本心得に準し消毒を行ふへし       赤痢、膓窒扶私豫防心得 訓令第二十九號(明治四十四年五月十六日)            群市役所、警察官署、町村役場 第一條 患者發生したる塲合に於ては患家其他病毒に汚染し  若くは汚染の疑ひある家に對し左の各號を行はしめ且つ健  康視察又は健康診斷を行ふへし  一、家屋内外の淸潔及消毒  二、病毒に汚染し又は汚染の疑ひある衣類臥具其他の清毒  三、便所の消毒  四、井戸の消毒  五、上圊時に於ける石灰末の投入 第二條 前條以外の井戸及便所にして患者又は病毒に汚染し  若くは汚染の疑ひある者の使用したるため病毒混入の疑ひ  あるものに對しては消毒くを行はしむへし 第三條 患者の屎尿は一室の容器に之れを受け燒却又は煮沸  せしむへし治癒したる者に對しては治癒の日より起算し左  の期間上圊毎に可成多量の石灰末を投入せしむへし                   七九                    八〇   赤痢     二十日間   膓窒扶私   三十日間 第四條 本心得第一條石灰末の投入は病毒に汚染し又は汚染  の疑ある者に對して患者發見の日より起算し左の期間上圊  毎に之れを行はしむへし但看護人等患者に觸接する者に對  しては患者治癒の日より起算すへし  赤痢      十日間  膓窒扶私    二十日間 第五條 本心得第三條第二項及ひ第四條の屎尿は消毒を為し  たる後にあらされは搬出すへからす 第六條 本心得第一條の健康視察は患者發見の日より起算し  十四日間毎日之れを行ふへし  前項の健康視察に依り健康狀態に異狀ありと認むる者ある  ときは健康診斷を行ふへし 第七條 病毒蔓延の虞あるときは必要と認むる區域内に對し健  康視察又は健康診斷を行ひ可成多量の石灰末を糞池に投入  せしむへし 第八條 自宅治療患者ある家に對しては別紙様式の注意書を  配布し其他實行を監視すへし 第九條 飮料水と雜用水とを間はす病毒混入の疑ひある塲合  に於て他に良水を得るに途なきときは其間煑沸水を使用せ  しむへし 第十條 郡長及警察官署長は患者發生の塲合に於て其感染地  他所轄内に係るものと認むるときは感染地、患者治癒後本                   八一                    八二  心得第三條第二項の期間内に他所轄内に移轉したるときは  移轉地所轄の郡長又は警察官署長に通報すへし前項の通報  を受けたる郡長又は警察官署長は本心得第一條乃至第六條  に依り必要なる措置をなすへし傅染病豫防法令施行細則第  九條に於ける患者移轉の通報ありたる塲合亦同じ (別紙) ❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘ |   赤痢、膓窒扶私患者自宅治療注意書                  | |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |発病月日 |              |患者|福島県 郡 町 大字 字 | |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|住所|    市 村      | |診断月日時|明治 年 月 日午前後 時 |氏名| 番地戸主 (戸主又は家)  | |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|年齢|      (長との続柄)  | |届出月日時|明治 年 月 日午前後 時 |戸主|   患者 氏 名    | |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|との|       当 年   | |傳帰及  |              |続柄|             | |傳出別  |              |  |             | |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|  |             | |同上年    |明治 年 月 日午前 時|  |             | |月日時    |         後  |  |             | |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|  |             | |届出医師   |医師          |  |             | |氏名     |            |  |             | |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|❘❘|❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘| |発生届受理  |明治 年 月 日午前 時| 傅|             | |月日時    |         後  | 染|             | |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|病|             | |消毒施行   |明治 年 月 日午前 時| 経|             | |月日時    |         後  | 路|             | |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|の|             | |転帰届出及受理|明治 年 月 日午 時 | 概|             | |年月日時   |     月 日午 時 | 要|             | |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘|  |             | |消毒施行   |明治 年 月 日午前  |  |             | |月日時    |          後 |  |             | |❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘ |   注意事項                              | | 患者ある家の戸主又は家長は左に記載したる各號を遵守し豫防及ひ治療     | | 上の實行を奏するに努むへし若し注意事項竝に當該吏員の指示に從はす    | | 豫防及ひ治療上不適當と認むるときは傅染病院、隔離病舎又は相當設備    | | ある病院に収容を命することあるへし                   | |  一、病室には醫師、看護人又は看護婦の外交通せしむへからす且つ看    | |    護人は可成素養ある看護婦を雇ひ入るること              |                   八三                    八四 |  二、看護人又は看護婦は家人の居室に出入すへからす           | |  三、病室に於て患者の外飮食すへからす                 | |  四、患者に供したる飮食物の残餘は一定の器物に入れ其都度消毒又は    | |    燒却すへし                            | |  五、患者に用ひたる食器等は使用の都度煮沸消毒を行ふべし        | |  六、醫師の指定せさる飮食物の外一切之れを興ふへからす         | |  七、患者排泄物、分泌物及病毒汚染物は一定の器物に受け其都度消毒    | |    を行ひ且つ糞尿は煮沸又は燒却すへし                | |    治癒したる時は治癒の日より起算し赤痢に付ては二十日間膓窒扶    | |    私に付ては三十日間上圊毎に可成適量の石灰末を投入すへし      | |  八、病室内は時々掃除を爲し其掃き集めたる塵芥、紙屑は一定の器物    | |    に溜め消毒又は燒却をなすへし                   | |  九、蚊蠅の驅除を行ふへし                       | |  十、消毒藥品及消毒器具を具へ消毒を嚴重に行ふへし           | | 十一、患者の沐浴したる湯水は充分に消毒したる上人家遠隔の地にして    | |    河川に關係なき土中を堀り投棄すへし                | | 十二、患家の家人は患者發生の日より起算し赤痢に付ては十日間膓窒扶    | |    私に付ては二十日間上圊毎に石灰末を投入すへし看護人等患者に    | |    觸接するものは患者治癒後前期間石灰末の投入をなすへし       | | 十三、家族中赤痢又は膓窒扶私に疑はしきものあるときは速かに警察官    | |    吏町村吏員に申出つべし                      | ❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘❘ ○本書を配付したるときは注意事項其他豫防及治療上心付き たることは懇篤諭示し實行を監視すべし                    八五 大正元年八月五日印刷 大正元年八月八日発行   発行代表部    福島縣警察部           陸 壯三郎         福島市五月町六番地       印刷人 寺田 鍛         福島市大町二十番地       印刷所 福島印刷所 【記載なし】