夫天地不時の変動は               陰陽混じてげきする也                地にいれば動いて地                 震となすてんに                  あると時は雷声を                   はつすとか                   や頃は嘉永                    三年戌の                      八月                 八日の夜江戸表                   国々ともに                 雷のなることおびたゞ                 しくいなびかりは 大地にも入べくかゞやきわたり げに 出来秋のみ入 よしととぞおもわれける又雷は よう気のはつする 所にして陰気をはらひ邪気をさんずるがゆへに田畑 に生ずる五こくはさら也もろ〳〵のやさい物又はなりくだ物 にいたるまでよく熟してみのりよしとかやされば天幸ひ を万民に下し玉ふ所なれば幸ひの下りし場所を小細しるす        鳴神御下り場所 ●日本ばしくぎ店  ●もと大工町  ●尾はり丁 ●芝口三丁目    ●うだ川丁裏通 ●つきぢ           ●神明丁うみ手 ●西久ぼ尾町                   ●西久ぼ森本                   ●あたごした                   ●青松寺山                   ●本所うまや堀                    《割書:此所にてら獣|いけ取て今に有》                   ●芝松本丁                   ●赤ばね                   ●七まかり ●白かねたい丁   ●ふなほり   ●柴井丁海手 ●麻ふ広尾二ヶ所  ●品川沖へ三ヶ所●青山二ヶ所 ●神田多丁     ●いつみ橋向  ●下谷二ヶ所 ●ゆしま      ●妻ごひ坂上  ●本郷元町 ●ごちんが原二ヶ所 ●番丁九ヶ所  ●小石川二ヶ所 ●いゝたまち    ●青山久ほ町町 ●本所竪川三ヶ所 ●権之田はら ●霊かん橋茅ば丁 ●ふか川北川丁 ●同六けん堀柳川丁 惣〆五十四ヶ所余 右之通に候得共人々にけが なきは全く神国の御 いとく也万々歳目出度一條〳〵