【下段右】 〽あそこにおほぜいいるのはしよくにんしゆうと見へて   ごふぎといせいのいゝ人たちだそれはいゝが  此間の大なまづでうちもくらもいごきたしたか  《割書:サテ》いごかないものはかした金だ  どふか貸(かし)た金のいごく工夫(くふう)が   ありそふなものだて 【上段右】 〽おやみなさんまいばんごさかん  さます  ねへ 〽さァ〳〵みん   なそうじ  まいだいくたりても  女郎(ちよろう)を連(つれ)て  こいそして  おれには     ▲        ▲        一ばんいゝのを  だしてくれおれを左官(さくわん)  だとおもつてかべの  おんなをだしては いかねへぜ《割書:コウ》やね吉  そんなにたかくとまるな めかしたつてもはじまらねへ 〽べらぼふめべつにたかく  とまるきじやァねへが  家根(やね)やだからあたり       めへた 〽いゝ《割書:サ》そんなことはどうでも   いゝからはやくけづゝて  おかたづけとして  はやくさいくばへ   いこふしやァねへか           ◐ 【下段左】 ◐ 〽《割書:コウ》べらぼうととこ  いそぎだなァそんなに  せかずといゝしやァ  ねへか  なあ  ゑん  ま 〽よして  くれこの  ころしやァ   おれのことを   ゑんまのこ〳〵と  にしきへ【ゑの誤ヵ (錦絵)】へまで出(で)る でゝいるからふだんはいゝが  こんなみへ【「え」とあるところ】のばしよ  じやァそんな事はいつて  くれるなゑんまだの  ぢざうだのとこゝは  ぢごくじやァねへ      かりたくだよ