【巻物題箋】 百人一首絵【繒】抄 十五 【本文】 此心は正月七日〳〵に七くさのわかなを 人に給ひけるときあそばし給ふとなり いまだ御くらゐにつかせ給はでしん王 にておはしましけるとき君がため春 の野にいでゝわかなつむにはよかん【余寒】は なはだしく雪の御衣【おんぞ】にかゝりかんなんに おほしめしながら人のためなればとの 御心入ありがたくきみがためとは上み 一人より下もばんみんの事なり 【絵札】  光孝天皇 君がため  春の   野に いでゝ  わか菜つむ 【字札】 我衣手に   雪は  ふりつゝ 【画面右下】 国貞【國】改 二代豊国【國】画