おそろ感心(かんしん)要石(かなめいし) かしま【囲み内】〽サテ〳〵 こまつたぬら くらものだ こういふことも あらうかと かなめいしで おさへつけて 五七があめの おきてどふりは かつてな身 うごきはさせ なんだに このはうはじめ れんぢうのかみ〴〵が いづもへたびだち いたしたあとでどこを どふにげおつたか地の下から むぐりだしてかく人げんかいを ゆすりちらしらんぼうの はたらきふらちせんばんこんどはけつして ゆるさぬぞサア〳〵まつしやのかみ〴〵たちふかく ほつていけたかへおもしをしつかりすゑさつしやれ そしてこんどはいしのそばへぢしんばんをたてずは なるまいぼんぶたちがねがひのとほりおれが かへつたうへからはみぶるひどころかびんぼう ゆるぎもさせぬからのしゆくをせずと あんしんしてうちへねろハテサおちる はりあればたすけるかみありダ はなしか【囲み内】〽エヽありがてへかしまさまのおかげゆゑ あばれものをおしづめなされてよふ〳〵さん玉がさがりました しかしわたくしどものとせいはとうぶんあがつたりでなんじういたしやすからさひわひなまづをうめ つちかつぎにでもおつかひなされてくださりませうならヘイ〳〵〳〵土方(どかた)じけのふござりやす たいこもち【囲み内】〽トキにわつちもこの男がどうやうになんじうようかんかのこもちこまりいりやのきしぼじん つちをかついで二百になるふだんひやつぴのおじぎよりありがたいト申やす《割書:イヤハヤ》まいど なまづのおりやうりかげんはあなたにかぎ〳〵めうでごぜへすおそろかんしんかなめ石《割書:サ》 おいらん【囲み内】〽モシエわちきや《割書:ア》ま《割書:ア》二日のばんのやうになまづさんがおいでなんしてあばれなんすと しやうももやうもおざり《割書:イ》せん《割書:ヨ》とこへいれ申てなだめまうしんしやうとおもいんしたがそのうちに いちざの嘉ニ郎さんがおとりなんしてやけになつてあばれなすしこりや《割書:ア|》とても地ごくと やらへくらがへをすることだらうとあきれたがにげるだけはにげやうとうらてからはねばしを おろしてわたらうとしたらあんまりあはをたべんしたもんだからおはぐろどぶへ おつこちになりいしてやう〳〵あがつてなじみのとこへゆくみち〳〵 人にゆきあふとあの女郎はどろみづがしみてゐるとわるくちを いわれんしたがほんにすゐなかしまさんのおかげゆゑなまづつらをおしづめ なされておうれしうざますこのすへあんなことのないやうに おたのみ申んすごしやうでざんすおがみんす《割書:ヨ》 ばゝ【囲み内】〽ヤレ〳〵わしら《割書:ア》くに《割書:サア》にゐるときや《割書:ア》たけのはしらにかやのやねでなんぼ なまづどのがほてつぱら《割書:ア》たちめさつてもあんともおもひ申さなんだが五十ねん あとにいまのぢゝイどんとむぎばたけのちゝくりあひがえんとなつてごとう地へ おつぱしつてきたもんだ《割書:ア》からこんどのやうなきもだま《割書:ア》でんぐりかへすやうなめに あひ申すそんだ《割書:ア》けれどかしまさまのおかげでこんどもからだ《割書:ア》ふろいました《割書:ア》から よく〳〵いのちめうがのあるいだ《割書:ア》またとつひやくねんもいきのびるのだか ムシにやむあみだ〳〵〳〵 むすめ【囲み内】〽わたいはこのあいだからかなめいしさまへごがんをかけるとふりはやくしばゐや よせのできるやうにおねがひでござりますきのふよそのおばさんがいふには おまへもやがておよめ入をするとぢしんをゆらせるのだといひなすつたがまつひらで                                  ござい舛ヨ 【下段】 さむらい【囲み内】〽せつしや意はスハせんじやうと いふときは百万の大てきをもものゝ かずともいたさぬがイヤハヤこんどの  ぢしんにはいぐんいたした   兵書(へいしよ)にあるとほり地にいて なんをわすれずゆだん  大てきとはこの事でござるしかし かしまどのゝごうせいでなまづ  かたはとう〳〵いけとりとあいなり   けんぞくの小なまづはかばやきやの 手にわたりだい道(とう)ざきのうきめに あふとは小きみのよいことでござる 四かい太平ゆるがぬみよ  まんざいらくの千しうらく 地しんのうちどめゆりどめ〳〵 あき人【囲み内】これでやう〳〵そんもうの うめくさをいたしましたいわふて ひとつしめませうそうしめじや〳〵   みな〳〵【囲み内】〽シヤ〳〵〳〵シヤン〳〵〳〵      〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵