【表紙】 【資料整理ラベル】 721.8 TAC 《割書:日本近代教育史| 資料》 【右丁】 絵本写宝袋 八 【左丁】 絵本写宝袋八之巻目録 桐(きり)に鳳凰(ほうわう)の図(づ)  松(まつ)に孔雀(くしやく)の図(づ) 桜(さくら)に雉子(きじ)の図(づ)  竹(たけ)に野雉子(きじ)の図 竹に鶴(つる)の図    岩(いわ)に鵰(くまたか)の図 鷲(わし)に猿(さる)の図    松(まつ)に猫頭鳥(みゝつく)の図 椎(しゐ)に鴟鴞(ふくろう)の図   芦(あし)【蘆】に鴈(がん)之(の)図 雪柳(ゆきやなぎ)に蒼鷺(さき)    柏(かしは)に山雉(やまどり)の図 木蘭花(もくらんげ)に白鷴(はつかん)   雪(ゆき)に烏雅(からす) 【左丁】 梅(むめ)に山鵲(さんじやく)之(の)図(づ)  竹(たけ)に雞(にわとり)之図 粟(あわ)に鶉(うづら)の図    浮薔(みずなぎ)に鴫(しぎ)の図 松にあふむ     柳(やなぎ)に燕(つばめ)の図 大和 松(まつ)に蒼鷹(おゝたか)   岩(いわ)に黄鷹(わかたか) 舞鶴(まひづる)の図     枯木(かれき)に鴝鵒(はくてう) 岩(いわ)に緋音呼(ひいんこ)    梅(むめ)に鴬(うぐひす)の図 軍雞(しやむ)の図      松に巣籠(すごもり) 【左丁】 絵本写宝袋八之巻  禽獣之部 掛絵(かけゑ)屏風(べうふ)歩障(ついたて) 画壁(はりつけ)障子(ふすま)押絵(おしゑ) 【右丁】   尾(を)のさき    桐(きり)に鳳凰(ほうわう)の図(づ)   朱(しゆ)のくま   どり 尾(お)朱墨(しゆずみ)          桐花(きりのはな)ぐんぜうをぬり  毛(け)かき           生(しやう)ゑんじくま                    こんぜうをかくる                     葉(は)はろくせう                    そり羽(は)わうど                    朱(しゆ)ずみくま同つゝき                    星(ほし)の中ごふんくま 【左丁】                          腹(はら)朱(しゆ)                          生(しやう)ゑんじ                            仕立(したて)                             眼中(めのうち)朱(しゆ)                           冠(さか)朱くま生(しやう)ゑんじつゝき                          耳(みゝ)しわうぐ朱(しゆ)ずみつゝき ほろ わうどぬり朱(しゆ) ずみくま朱(しゆ)ずみつき              嘴(はし)朱 生(しやう)ゑんじくま ごふんくまあり               足(あし)同断(どうだん) 背(せな)通(とをり)ろくせうこんぜうのくま        みの毛(げ)ろくせうこんぜうくま 肩(かた)白(びやく)ろくろくせうくま こんぜうのきをひ へり金でい           わうどぬり朱墨(しゆずみ)くま こき墨(すみ)くま本(もと)朱(しゆ)ずみ 又へりなきもあり                      朱すみつゝき 【右丁】 朱(しゆ)すみ金 泥(でい)      下すみ         乱毛つよくゆら     かきいれ    上 朱(しゆ)ずみ        〳〵とかく             ろくせう            こんせう            くまとり 金くま 朱すみくま    合           こき 下ろくせうくま   すみくま           とり合 上金くま      さきより           しやうゑん            じくま 松(まつ) に 孔(く) 雀(じやく) 【左丁】       身(み)の色(いろ)ろく  総(さう)毛(け)がき       せうかすり      くさのしるくま   金でい     こんせうのかす     り くま ほろ              金でい くろし             うすくま すみ くま                          ぐんしやう こん                          こんぜうくま せう 青                          毛(け)がき うす               金でいうすくま   すみ くま                  面(おもて)黄色(きいろ)目(め)のまはり あさぎ生(しやう)ゑんじくま しわうのぐつゝき 目(め)の中(うち)しわう 金 泥(てい)くゝり くちばし ねずみ うすゞみくま 【同 左下】             風切(かざきり)              わう             どのぐ            合(あわせ)わう           どのくま          朱(しゆ)ずみうす               く         くまとる         腹(はら)すみ仕立(したて)         ろくせう  足(あし)     うすくひく  ねずみ ときすみ文(もん) 爪(つめ)さき白(しろ)し 【右丁 挿絵のみ】 【左丁 挿絵の説明】 桜(さくら)に雉子(きし)   彩色(さいしき)次(つぎ)にしるす 【右丁】 竹(たけ)に 野雞(きじ)   嘴(くちばし)足(あし)うすゞみくま   あいろかけかた同断(どうだん)   せなか黄土(ワウド)朱(しゆ)ずみ   頬(ほう)朱(しゆ)生ゑんじつゝき   羽(は)がい    風切(かざきり) ほろ共うすゞみ    くま ごふんくま    あまおゝひ白緑(ひやくろく)草(くさ)のしる    毛(け)がきめぐり生ゑんじ    けがき     尾(を)の仕立(したて)       【図】     こきすみにて星(ほし)をつけ     うすゞみにてくまとり      こきすみのつゝき      こき墨(すみ)中筋かき      へりを朱すみにて      かく 【左丁 挿絵のみ】 【右丁】  ひな鶴(づる) 嘴(くちばし) 墨(すみ)くま頂(いたゝき)朱(しゆ)生(しやう)ゑんんじつゝき  目中(めのうち)しわう生ゑんじくゝり 【左丁 上部】  まな鶴(つる) くちばしあし肉色(にくしき)しやうゑんじ仕立(したて) かしらしろし目(め)しわう頬(ほう)朱(しゆ)生(しやう)ゑんじ つゝき背うすゞみくまあいろかけ四ツ余り ごふんくま羽風切(はかさきり)すみくまほろすみくま はらうすゝみくま あいろかけ 竹(たけ) に    鶬鴰(まなづる) 鶴(つる) くちばしあし にくしき合(あわせ)わうど かけ生(しやう)ゑんじくま 【同 下部】 めぐり あさぎぬりごふんつゝき くびすぢごふんせはら同ごふん 毛(け)がき四つ余りすみ のどの下(した)すみくま 足(あし)すみくますみ文(もん)    ひな鶴(つる) 【右丁】   鵰(くまたか) 全体(せんたい)わうどぬり 脊(せ)うすゞみくま 朱(しゆ)ずみ総(そう)【惣】くま 羽先(はさき)ごふんきをひあり 嘴(はし)すみぐま 青嘴(あをはし)あさぎ       ゴフン 目(め)の中あいろ       クマ うすゞみくま まひさし白(しろ) 足(あし)鷹(たか)のごとく 仕(し)たつる          毛角(ふくりん)          ごふんきをい          毛(け)がきすみ 腹(はら)わうどぬりうすゞみ【濁点の位置誤】文(もん)こきすみぐま わきごふんうすくまとる毛(け)がきごふん中 筋(すぢ)こきすみ 【左丁 上部】 鷲(わし) 眼中(めのうち)しわうぬり くろたまのめぐり朱(しゆ)の きめくまとりまぶち 朱(しゆ)ずみくゝりこき すみにてそとめぐりを かく青嘴あをく 嘴根(はしね)より うすゞみ くま さき より しわ うの  ぐ くま 風切(かざきり)こき    うすゝみくまごふん すみくま    つゝきさきより         ごふんくま 腹(はら)こきすみ仕立(したて) もゝうすゞみくま中すみふがき 【同 下部】 肩(かた)すみのぐうすゞみくま朱(しゆ)すみ総【惣】くま中すみもん  うら墨(すみ)のぐうすゝみくま中すみ生(ふ)がき       みの毛(げ)わうどうすゞみねよりくまとりくひぎは山入 毛角(ふくりん)       朱(しゆ)すみうすくひたいより総【惣】くまとりせのきわ  わし毛(け)と云                さきよりごふんうすくくま     ごふんくま                          とる                                わしの足(あし)                                 たかのごとく                                 爪(つめ)さき                                  しろし                                  ねより                                  うすゞみ                                  くま                       うすゝみ             背通(せとをり)       仕立(したて)            わうど        羽(は)の            ぬりうすゞみ     うらと            くま朱(しゆ)ずみ     同断(とうだん)            総【惣】くま中 墨(すみ)ふがき 【右丁】 猫(みゝ) 頭(つ) 鳥(く) 目(め)わしのごとく足(あし)たかの如(ごと)く 脊(せ)どをりわうどぬりうすゞみくま こきすみうすゞみ朱(しゆ)ずみつゝき 朱(しゆ)ずみ総(さう)【惣】くますみ毛(け)がき はらごふん毛(け)がき 【左丁】 仕立(したて)右に同じかしら朱ずみつゝき 足(あし)のかうに毛(け)あり觜(くちばし)黄(き) 足はふみわけ総(さう)【惣】じて鳳凰(ほうわう)あふむ杜鵑(ほとゝぎす) 啄木ふくろうみゝつくゆび前後(まへうしろ) 二つづゝにわかる 鴟鴞(ふくろう) 【右丁】 蘆(あしに) 鴈(かり) 全体(ぜんたい)わうどぬり 薄墨(うすゞみ)くま朱(しゆ)墨(すみ)総(さう)【惣】くま 腹(はら)ごふんくますみ生(ふ)がき 【左丁】            白(しろ)はし足(あし)にくしき   こきすみ     生ゑんじくま     くま               下(した)薄墨(うすゞみ)くま     薄墨(うすゞみ)        朱墨(しゆすみ)総(さう)【惣】くま      くま       胸(むね)朱ずみくま        白                   うすゞみくま            ごふん仕立(したて)            うすゞみくま 【右丁】 柳(やなぎ)に蒼鷺(あおさぎ) 【左丁】            嘴(はし) 黄土(わうど)くま            ほ くさのしる            むね ごふんくま               うすゞみ文(もん)  全体(ぜんたい)うすゞみ          腹(はら)しろ       くま   あいろかけ           足(あし)うす墨(ずみ)くま                      文(もん)朱(しゆ)すみ 【右丁】        柏(かしわ)に山雉(やまどり)      全体(せんたい)黄土(わうど)朱墨(しゆずみ)くま     墨文(すみもん)ごふんかき入    嘴(はし)足(あし)薄墨(うすゞみ)くま   頬(ほう)肉色(にくいろ)朱(しゆ)の    うはずみくま    生(しやう)ゑんじつゝき 【左丁】 尾(お)長(なが)し黄土(わうど)ぬり 朱(しゆ)ずみくま文(もん)すみ   うすゞみくま      こき墨(すみ)       つゝき    ごふん      くま     うすゞみ      つゝき 【右丁】  白鷴(はつかん) 背通(せとをり)白(しろ)しごふんくま ごふん毛(け)がき墨(すみ)にて生(ふ)を かく嘴(くちばし)白緑(ひやくろく) 頬(ほう)朱(しゆ)しやうゑんじつゝき 冠(とさか)墨(すみ)腹(はら)すみ 足(あし)肉色(にくしき)生(ふ)ゑんし文(もん) 眼中(めのうち)しわう                                木(き)すみくま                                  あいろ                                   かけ         木蘭花(もくらんげ)          下 白(びやく)ろくごふんくま台(うてな)白ろく草(くさ)のしるつゝき 【左丁】  白鷴(はつかん)䳄(めどり) 冠(かふり)白(しろ)頬(ほう)薄赤(うすあか)   全体(せんたい)黄土(わうど)ぬり   背(せな)は朱墨(しゆずみ)仕立(したて)   腹(はら)ごふんくま   尾(お)背(せな)と同色 【右丁 絵のみ】 【左丁】      眼(め)嘴(くちばし)足(あし)うすゝみあいろかけ    雪(ゆき)に烏鴉(からす) 【右丁】 梅(むめ)に山鵲(さんじやく)《割書:かしらわうど|背(せな)こんぜう》  かた朱(しゆ)すみ羽(はね)尾(を)すみくまこんぜうかくる  眼中(めのうち)朱(しゆ)すみ巡(めぐ)りあさぎごふんつき  頬(ほう)よりむねこき墨(すみ)くま 嘴(はし)足(あし)朱  尾先(おさき)珠(たま)ごふんもとよりくま  さきよりわうどくま  尾(お)のうらごふんくま  中すぢすみ 【左丁】     すみくま                  花下 白(びやく)ろくうすく                  ぬりさきよりごふん            白梅仕立(はくばいしたて) 中に白六にて五ツ星(ほし)を                  付 真(まん)中に六せうにて                  星(ほし)を付るしべごふん                  にほひしわうのぐ 【右丁】  竹(たけ)に雞(にはとり) 冠(さか)頬(ほふ)垂珠(たぶ)朱(しゆ) 生(しやう)ゑんじつゝき 簑毛(みのけ)合(あわせ)黄土(わうど) 生(しやう)ゑんじくま 四つ毛(け)白黄土(しろわうど)  くま朱墨(しゅすみ)つゝき ほろごふんくま 風切(かさきり)薄(うす)ずみくま 足(あし)嘴(くちばし)目(め)しわう  雌(めんどり) さか たぶうす色 身(みの)色(いろ)黄土(わうど)ぬり  うすゞみくま 朱(しゆ)ずみかけ  うすゞみ生(ぶ)かき 尾(お)うすゞみくま 【左丁 絵のみ】 【右丁】 粟(あわ) 下 合(あはせ)白緑(びやくろく)ごふんにわうど少(すこし)    くわへつゝきもとは草(くさ)のしるくま    末(すへ)は朱(しゆ)ずみ薄(うす)くま上(うへ)しわうを     かくる葉(は)中ろくせうわりくま      あい筋(すぢ)くさのしるうら白(びやく)ろく       草(くさ)のしるわりくま        筋(すぢ)がき同し        毛(け)かき朱(しゆ)ずみ    鶉(うづら) 下わうどぐうすくぬり      生(ふ)のくま図(づ)のごとく薄(うす)ずみ      濃(こき)すみくま朱墨(しゆすみ)くま      中 筋(すじ)ごふんにてさきより      うすぐま      腹(はら)ごふんうすぐま  眼中(めのうち)しわう ふちあさぎつゝき 頬(ほふ)朱ずみくま のどごふんくま 足(あし)下 黄土(わうど)具(ぐ)     うすゞみくま   ごふんつゝきしわうかくる 【左丁】    白緑(ひやくろく)  白  ろく   緑青(ろくせう)       緑青(ろくせう)            白六                     此 通(とをり)生(ふ)替(かは)る                     うすゞみかくる 【右丁】 水(みづ)なぎに鴫(しぎ)     水(みづ)なぎ《割書:花こんぜう|しやうゑんじ》                   《割書:仕立》                     墨(すみ)くま                     ろくせう                       くま 下わうど ぬり薄墨(うすゞみ)くま 朱(しゆ)ずみかけ うすゞみ濃墨(こきすみ)にて 生(ふ)をかく 羽先(はさき)こふん仕立(したて) 腹(はら)わうど朱(しゆ)ずみ にて生(ふ)をかく 嘴(はし)墨(すみ)仕立(したて) 眼(め)に習(ならひ)あり 足(あし)うすくろし 【左丁】      朱生エンシクマ                 全体(せんたい)ごふん仕立(したて)薄朱(うすしゆ)くま                 眼(め)嘴(くちばし)足(あし)墨(すみ)具(ぐ) 松(まつ)に鸚鵡(あふむ)           足(あし)に習(ならひ)あり 【右丁 絵のみ】 【左丁】                 背(せな)墨(すみ)仕立(したて)腹(はら)ごふん仕立(したて)                 眼下(めのした)おとがい朱(しゆ)ずみ生(しやう)ゑんじ                 すこし交(まぜ)くまとる 柳(やなぎ)に   燕(つばめ)             柳葉(やなぎは)すみ草(くさ)の汁(しる) 【右丁】 大和松に蒼鷹(おゝたか)《割書:背通(せとをり)うすゝみの毛(け)くま|上(うへ)あいろそうくま毛(け)がき墨(すみ)》  生(ふ)薄(うす)ずみ中墨(ちうすみ)くま中すみつゝきごまがら  羽先(はさき)いづれもごふんくまうすゞみ毛(け)がき  尾(お)同前(どうぜん)  腹(はら)ごふんうすくぬり  うすゞみにて生(ふ)をかき  濃墨(こきすみ)にて又かく  毛(け)がきうすゞみ  その間(あいた)へごふん  にて  かく                      白(しろ)       尾(お)すけ白(しろ)   足(あし)      すみ      ぼうけう白   こふんにて     くま              墨がきの     草の            内をかきうら     しる            ごふんにてつゝき  ごふん合(あわせ)             しわうを        くま             かくる 【左丁】 黄鷹(わうたか)《割書:両鳥屋(もろとや)片鳥屋(かたとや)の仕立(したて)品々(しな〴〵)あり|背(せな)通(とをり)の仕立(したて)先(まつ)全体(せんたい)合(あわ)せ黄土(わうど)をぬり薄墨(うすゝみ)のくま朱墨(しゆすみ)薄(うす)くしてくまとる》  朱すみ        うすく ごふん  すみくま生(ふ)ふた所 間(あいた)薄墨(うすゝみ)と朱(しゆ)ずみとつゝく  かけ  くま   本(もと)より薄(うす)朱墨(しゆずみ)かくる羽先(はさき)ごふんくま  山入まで                    白(しろ)      目(め)の中(うち)  くまとる     ごふん                    足(あし)の色(いろ)           くま          白(しろ)         習(ならい)あり  山入(さんにう)ごふん  くま  朱 すみ  かくる                毛(け)がき                      ごふん                  朱(しゆ)ずみ  上(うは)胞(まぶた)【注①】小眥(まじり)【注②】ごふんくま  白(しろ) 薄(うす)朱墨(しゆすみ)  ごふん毛(け)かき眼(め)まはり同し   くま  目(め)しわうふちかき朱(しゆ)ずみ具(ぐ)外(そと)こき  すみにてかく瞳(ひとみ)こきすみ  目下(めのした)薄(うす)朱墨(しゆすみ)くま濃(こき)朱墨(しゆすみ)生(ふ)あり  鷹(たか)は習(ならひ)あり大(たい)がい此(かく)の如(ごと)し 【注① 「眼胞」は「まぶた」とよむ。「眼」を略したか。】 【注② 「まじり」は「めじり(目尻」)のこと。】 【右丁 草書で紙面に大書】 帰(カヘル)_レ嵩(スウニ)  鶴(ツルノ)舞(マイハ) 日(ヒ)高(タケテ)見(ミユ) 【左丁 絵の説明】 朱(しゆ)ぐま              砂子(すなご) 【右丁】 鴝鵒(はゝてう) 此鳥 好(このん)で水に浴(ゆあひ) ̄ス 身(み)首(かしら)ともに黒(くろ)し 両 翼(つばさ)の下 各(おの〳〵)白 点あり よく人言(ことば)をなす嫩(わかき)ときは口(くち)黄色(きいろ) なり老(らう)するときは口(くち)白(しろ)し 頭上(かしらのうへ)に幘ある者(もの)あり 足(あし)大に勾(まかり)眼(め)觜(くちばし)足(あし)爪(つめ)ともに 黄白(きしろ)く光(ひかり)あり 俗(ぞく)慈烏(からす)と云大にあやまる也 鷹に四 種(しゆ)あり小にして純黒(もつはらくろ)く 小觜(こくちばし)なるは慈烏(からす)なり大(をゝ)觜 なるは鴉(はしぶと)なり樢に似(に)て大に 頭(かしら)白(しろ)きは燕烏(ゑんう)なり鴉(はしぶと)に似(に)て大に觜(はし)赤(あかき)は山烏(やまからす)なり 今 本朝(ほんてう)武州(ぶしう)に川小烏(かはこからす)とて小なる烏あり誤(あやまつ)てはゝ鳥(てう)と云あやまり也 鳴声(なくこゑ)愁(うれへ)にして人馬(じんば)のしゝむらを喰(くらふ)となりよく知(し)れる人にたづぬべし 【同 下部】 又 鴝鵒(はゝてう)に 似(に)て觜(はし)足(あし) 赤(あか)く黄耳(きなるみゝ) 黄目(きなるめ)黒身(くろきみ) なる者(もの)を 秦吉了(きうくわん)と いふよく人  の言(ことば)を   なす 【左丁】 岩(いわ)に緋音呼(ひいんこ)            緑青(ろくせう) 目 廻(まは)り                  すみくま 生ゑんじ くま       すみ        くま    肉(にく)色    丹(たん)くま               朱墨(しゆずみ)くま   総(そう)【惣】朱(しゆ)                うすゞみくま        下すみくま                              あいろかけ                              さきごふんくま 【右丁】 梅(むめ)に鴬(うぐひす)                  下うすわうどのぐひき                        せとをりうすゞみくま                       上くさのしるかけくま                        のどうすわうどくま                        くびごふんくま                        まじりすみくま                        はら白ごふんうすくま                        はし足(あし)うすゞみこき墨(すみ)                                 もん 【左丁】  みの毛(げ)うすゝみくまうすわうどかけ朱(しゆ)ずみ総(そう)【惣】くま 背(せ)同断(どうだん)  四つ毛わうどぐぬりさきよりごふんくま 腹(はら)すみ仕立(したて)                                 足(あし)黄色(きいろ)                      にくしき                      しやうゑんじつゝき                             蹴爪(けづめ)                        四つ毛(け)と云 暹羅(しやむ)国(こく)より来(きた)るに               よつて名(な)とす                   あまおゝひといふ                           仕立(したて)みの毛のごとく 鶤雞(こんけい)しやむ 【右丁】 巣籠(すごもり) 父母(ふぼ)に餌(ゑ)を請(うく)るは皆(みな)ひなと云(いふ) みづから啄(ついはむ)をひよこと云 高(たか)き 木(き)に巣(す)をかくるゆへ足(あし)をつなぐと 云 羽(は)そろひておのれと飛時(とぶとき)其(その) つなぎを切(きる)と羽(は)そろへども飛(とび) あしければ又つなぐと云たとへ 年(とし)をつみても黒(くろ)き羽(は)ある間は ひなといふみな白(しろ)くなりて いたゞきばかりあかきを丹鳥(たんてう) といふ元信がひな鶴(づる)といふは 常(つね)のつるを五六 分(ぶ)計にかきたるを 小なるゆへひなづるといふなり ひゐな鶴(つる)とてひよこのごとき もの頭(かしら)足(あし)ながきをかきてひな 鶴(づる)と云おやづると共に餌(ゑ)を ひろふ図ありこれもゆへ有て 画(ゑかく)なり 【左丁 見返し 手書き文字有り】 早川金 【裏表紙】