高林厚齋老人旧考 《題:麻疹養生便覧》 今茲(ことし)麻疹(はしか)の流行(りうかう)諸国(しよこく)同(おな)じ少壮(せうさう)の男女(なんによ)脱(まぬが)るゝは尠(すくな)し 疾病(やまひ)は医(い)の療薬(れうやく)に在(あれ)ど養生(やうじやう)疎(そ)なれば其効(そのこう)見えず 壮少(さうせう)の人(ひと)は殊(こと)に養生(やうじやう)の道(みち)を知(し)らず食禁(しよくきん)に於(おい)て も各自(かくず)の見識(けん き)に出(いで)て一 様(やう)ならねば惑易(まどひやす)し確実(たしか) なる説(せつ)を記(しる)し遠近(ゑんきん)に刊布(かんふ)せば世の稗益(ひえき)にもな らましと数書(しよしよ)の卓論(たくろん)を俗語(ぞくご)にもて一小冊(いつせうさつ)を綴(つゞ)り 書屋(しよし)に与(あた)へて上梓(はんこう)せしめ終(つい)におほやけにする事                   とはなりぬ 麻疹養生鑑   (印)厚斎老人旧考         東都  隅田叟斎述 ・麻疹(はしか)古(ふるく)は乃解具佐(のげぐさ)といふ乃解(のげ)は稲麦(いねむぎ)等(とう)の穂(ほ)の先(さき)の   毛(け)なり具佐(ぐさ)はかさといふに同(おな)じく瘡(できもの)をいふのげの皮(は)   膚(だへ)につきて癬(かゆき)に比(たと)へたるなり ・又(また)赤痘(あかもがさ)と云(いふ)もがさは芋瘡(いもかさ)にて疱瘡(はうさう)也《割書:痘(あと)疫をいもと|いふにてしるべし》   麻疹(はしか)は痘(もがさ)に似(に)て殊(こと)に赤(あか)きゆへかくいふなるべし ・今はしかといふも乃解具佐(けぐさ)といふに同(おな)じくサラ〳〵と  して痒(かゆ)きを云(いふ)尾張(をはり)三河(みかは)などにて麦(むぎ)の牙(ひげ)の膚(はだ)に   触(さわ)りて痒(かゆ)きをはしかゆいと云(いへ)り《割書:江戸にてイガラツホイ| といふにおなじ》此 病(やまい)   疱瘡(はうさう)と共(とも)に元(もと)瘟疾(うんゑき)《割書:はやり風のおもきをいふすべてねつびやうまた|傷かんともいへどしやうかんは冬の寒気にあた》  《割書:りしよりおこりて|うんゑきとは似てしからず》の類(るい)にて疹疫(しんゑき)とも云(いふ)或(あるひ)は二十年或は  三十年をへだちて流行(りうかう)するに此(これ)を掌(つかさど)る邪神(じやじん)あり疫(えき)  邪と異(ちが)ひ麻疹(はしか)疱瘡(はうさう)は一度 患(やみて)再感(ふたゝびうけ)ず神 気(け)たる事   最著(もつともいちじる)し疱瘡は胎内(たいなひ)より受(うけ)たる血毒(けつき)に因(よ)れば治(おさむ)るに易(たやす)  くもあらねど麻疹は外より受たる神の気 故(ゆへ)其 邪(じや)を   逐(お)ふに難(かた)からざる事 彼(かの)癬疥(ひつしぜん)に類(るい)すべし此(これ)を治(じ)し   誤(あやま)り又 死(し)に至(いた)らしむるは医(い)の拙(つたな)きと病者(びやうしや)の不養生(ふやうじやう)に在(あり)   麻疹(はしか)内攻(ないこう)し発(で)がたき故(ゆへ)に苦脳(くのう)甚(はなはた)しく他病(よのやまひ)さへ引出(ひきいだ)し又(また)   荷痂(かせ)て後(のち)毒忌(どくいみ)を忘(わす)れ再感(さいかん)するもの二件(ふたり)に依(よ)れり再感(ぶりかへし)  は病後(びやうご)身体疲労(しんたいつか)れ血液調化(けつえきちやうくわ)せず気力(きりよく)全(まつた)からぬ地(ところ)なれば   食毒(しよくどく)に誘(ひか)れて邪気(じやき)又入(またい)り或(あるい)は異病(いびやう)と変(へん)じ痼疾(こしつ)とも  なり死(し)せざるも又(また)治(ぢ)するに難(かた)し ・されば此病(このやまひ)に冒(おか)されたらば先(まづ)良医師(よきいし)を招(まね)ぎ速(すみやか)に邪熱(じやねつ)を   除(のぞ)く薬方(やくほう)を請(こひ)てよし邪熱(ぢやねつ)だに去(さ)れば発(で)る麻疹(はしか)も軽(かろ)く   発(いでる)にも滞(とゞこう)らず遅々(ちゝ)せざれば病苦(びやうく)浅(あさ)く苦痛(くつう)深からねば   体(たい)も疲(つか)れず体健(たいすこやか)なれば本 復(ふく)もはやし ・此病(このやまひ)を感(うけ)たる初(はじめ)は悪寒(さむけ)頭痛(づゝう)咳歎(せき)胸(むね)つかへ身(み)の熱強(ねつつよ)く其(その)   容体(ようだい)外邪(ぐわいじや)の重(おもき)に似(に)て所謂(いわゆる)傷寒(しやうかん)かと思(おも)ふやうなりかくの   如(ごと)くならは必 風湿(ふうしつ)【左ルビ・シツケ】を避(さく)べし   ・但し綿入小袖(わたいれこそで)を重(かさ)ね紙帳(しちやう)にかくれ屏風(びやうぶ)を立廻(たてまわ)しなどせんは     厭(いと)ふに過(すぎ)て身屈(みくつ)してよろしからず ・房事(ばうし)を忌(いむ)男女同臥(なんによどうぐは)あるべからず婬慾(いんよく)の念(ねん)熾盛(さかん)なれば行  ふに異ならず酒もわろし熱(ねつ)を増(まし)苦(くる)しみ多(おほ)し禁忌(きんき)の食類(しよくるい)  を遠ざけ渇しても冷(ひや)水を飲(のむ)まじき也内を温(あたゝ)め補(おきの)ふ薬(くすり)を用べし  さて其病(そのやまひ)に軽重(かるいおもひ)あり中分なるは五六日にて発病(でそろひ)十二日を経  て落痂(かせ)余(よ)熱残らず心身(しんしん)清くとなるべし是(これ)疱瘡(ほうさう)に異る  事なし出揃(でそろひ)たるか出そろはざるかは熱 気(き)にてしるべしまた  出揃へは必(かならず)苦悩(くのう)去(さ)る・病中食事せざるは愁(うれう)にたらず平生好の  物とて和し難(がた)き品などを勧(すゝ)め食事を強(しい)るは甚(はなはだ)はろし又 吐(はく)   瀉(くだ)る事もあり赤白痂(かびやう)ならすば驚(おどろく)べからず渋(しぶ)る薬剤(くすり)など用(もち)ゐ  て止(とむ)べからず   全快(ぜんくわい)の上二七日も過(すぎ)なば先(まづ)爪(つめ)を剪(きる)べし○次(つぎ)の日 腰湯(こしゆ)○次の日   行水(きやうずい)○其間を見て髪(かみ)を束(たば)ね次の日 月代(さかやき)髭(しげ)などを剃(そり)○さて   無事(ふじ)ならば銭湯(せんとう)にも浴(いる)べし湯(ゆ)も髪(かみ)月代も一度にするはわろし  《割書:つねの病にても|同じ事也》畢竟(しつきやう)は一月も遠慮(ゑんりよ)してよし炎暑(あつさ)の時節(じせつ)余(あま)り久し  く是をせぬも欝気(うつき)を生(せう)じてよろしからず   房事(ばうじ)酒(さけ)肉食(にくじき)は百日を忌(いむ)べし軽(かろ)きは七十五日にてもよろし ・病後(ひやうこ)酒(さけ)二 合(こう)飲(のみ)て即死(そくし)し房事(はうじ)を行(おこな)ひて悶絶(もんぜつ)せしを目の   前(あたり)見たり怕(おそ)るべし〳〵喉(のど)三 寸(すん)の美食(びしよくに)五尺の身体を易く半   頃(きやう)の合(みめ)観に百年の性(せい)命を縮(ちゞむ)るは不養 生(しやう)の至極(しこく)なり ・或人(あるひと)の説(せつ)に病後(ひやうこ)は白粥(しらかゆ)に焼(やき)塩のみにて飢(うへ)を助くべし能   書(しよ)の毒(どく)の沙汰(さた)無用(むやう)といへる是(こ)は偏(かたより)たる料簡(りやうけん)也かくては病  後(ご)肥(ひ)だちがたく羸痩(やせ〳〵)して病身(びやうしん)になるべし過(すき)たるは及(およは)ざるとは ・是(これ)也 佳物(よきもの)は食(しよく)して筋骨(きんこつ)を健(すこやか)ならしむるに如かず ・熱(ねつ)にうかされて譫事(うはこと)をいふはえかみの気なれば鬼話(あやし)と ・するにたらず打捨(うちすて)て置(おく)べし ・病勢(ひやうせい)烈しく苦悩(くのう)堪かたしとて病人(びやうにん)も介 抱人(ほうにん)も泣騒(なきさわ)ぎ  などし心(こゝろ)をいらたてゝは益(ます)々苦し他の病(やまひ)と異(ちが)ひ出揃(でそろ)へば  ほどなくおこたる物(もの)にて日限(にちげん)もかきりあれば心(こゝろ)を落付(おちつけ)て   精神(せいしん)をたしかにすべし是(これ)養生(やうじやう)の専(せん)一也      ・食(しよく)して能(よき)もの ・ほう〴〵《割書:どくなし| よろし》・かなかしら上同・きす上同・こち上同 ・ひらめ《割書:すこしは|  よし》・赤えい上同 ・かつをふし《割書:しこくよろし|尤なまりはわろし》 ・あわび《割書:少し食|してよし》・蜆(しゞみ)《割書:精を増こんを増| ゆへ食してよろし》・牡蛎(かき)《割書:大に| よし》・茲(こゝに)しるす ・魚貝(うほかい)くだもの類(るい)とも能(よく)々 煮(に)て食(しよく)すべし生(なま)はわろし ・大こん・かぶら・にんじん・ゆり・冬瓜(とうくわ)・ながいも《割書:げんきを増|大によし》 ・白(しろ)うり・丸づけうり《割書:すこしは|  よし》・かんぴやう・ぜんまい・ごぼう《割書:げんき| 》  《割書:を増ゆへ大によし|  でそろひてのちはわろし》・じゆんさい《割書:少しは| よし》・しそ・たで《割書:すこしは|  よし》 ・けし・ふき《割書:ねつをはつして| そのねつをくたす大によし》・黒豆(くろまめ)《割書:大に| よし》・ゆへなり  《割書:少しは| よし》 あづき上同・つけ菜(な)・小まつな・はだな・みづな ・香(かう)のものはすべて塩(しほ)おしにて食(くふ)べしぬかみそづけ甚(はなはだ)悪(わろ)し  なるべくは・ふる/漬(づけ)のたくあんのみ/用(もち)ゆべし ・みそづけ《割書:大に|よし》・うど《割書:少しは|よし》・/葛(くず)粉《割書:大に|よし》・さつまいも《割書:少しは|よし》 ・やき/麩(ふ)・ゆば《割書:どくなし|用てよし》・うんどん《割書:少しはよし|外のめんるい皆わろし》・こんぶ ・あらめ・わかめ《割書:此類| さはりなし》・ひじき《割書:よく|にてくふべし》・つくいも《割書:大に|よし》 ・びは《割書:すこしは|よし》・きんかん《割書:せんじて用ゆれば病にて| のとのくまゝたるをとふすゆへ大によし》【?】・九ねんぼ《割書:少しは|よし》 ・たんぽゝ《割書:でかねる|によし》【?】・なし《割書:くるし|からず》・ちさ・大麦《割書:むきめし|むぎゆ》  《割書:類也病人常に|用ひてよし》・茶《割書:少しは|よし》・あは《割書:くるし|からず》・金山寺(きんさんじ)・ひしほ ・味そ汁(しる)《割書:たへず食すべし|尤しろみそはわろし》・あまざけ・ところてん・かんてん ・あめ・かろゆき・くわし類(るい)かろきものはよろし油(あふら)ぐわしは禁(きん)  ずべし・餡物(あんもの)はねりやうかんの類(るい)少しはよろし       ・食(しよく)してあしき物(もの) ・鮪(しび)・かつを・くじら・鮫(さめ)・ゑび・かに・じやこ・鮭(さけ) ・たこ《割書:食すればかならず|はらいたむ》・さば・さんま・このしろ・蛤(はまぐり)《割書:大に|わろし》 ・たいらげ・あか貝(かい)・すいほん《割書:食すれば|すぐに死す》・こはだ・さゞへ ・田にし《割書:貝るいみな|わろし》・かまぼこ《割書:大に|いむへし》・干魚塩物(ひうほしほもの)の類《割書:いづれも|わろし》 ・又よきやうにて禁(きん)すべきは あいなめ・あぢ・いしもち ・おこじ・かます・さより・食(しよく)すべからず・獣肉(じうにく)《割書:しごく| わろし》 ・鳥類(とりるい)《割書:いづれも|  わろし》・せうが・からし・とうからし・さんしやう ・こせう・《割書:其外からみある|  ものみなわるし》・するめ《割書:かゆがり山|  あげる事おそし》・ぎんなん ・しら魚(うほ)《割書:大に| わろし》・くるみ・なつとう・とうふ・あぶらげ・すべて  油(あぶら)もの大に禁(きん)ずべし・竹(たけ)の子《割書:ねつを|  うごかす》・わらび《割書:むねいたみて|  はらくだる》 ・しいたけ・はつだけ・たけるいみないむべし・そば・めん類(るい)《割書:右に| いだ》  《割書:すうんどんの|   ほかみないむ》・れんこん・こんにやく《割書:うちへ入り| 命あやうし》・梅(うめ)ぼし《割書:大に|わろし》 ・きうり・なんきん・せり・みつば《割書:食すればなほりてのち|中風ともなる 忌べし〳〵》・ぬかみそ漬(づけ)  《割書:かゆみを|  しやうじる》・ねぶか《割書:ねつをうごかし|  たんおこる》・くわゐ《割書:大にげんき|  おとろへる》なすび《割書:ぬか| みそ》  《割書:づけ甚わるし|がんびやうとなる》・さといも・ずいき・くだ物(もの)類(るい)右にしるす外(ほか)  一切(いつせつ)忌(いむ)べし・かちぐり・椎(しい)《割書:甚だ| わろし》・だんご しんこ引(ひき)ものまんぢう  の類(るい)よろしからず・青梅(あほうめ)を食せば見病となり女は血/発(おこ)る ・なた豆を食べからず即死(そくし)すといふたとへかほどにあらずとも余病  を発出(ひきいだ)して喩するに難(かた)し・砂糖(さとう)《割書:たくさんくふは|   わろし》・酢のもの《割書:うち》  《割書:をひやすゆへすべてわろし|  病重きは七十五日もいむべし》・酒《割書:ねつをうごかし血の廻りをとむる|  百日もいむへし軽は七十日もいむべし》 ・餅《割書:食ばはらこなれず|  七十五日いむべし》・冷水《割書:いかにのとかわきても|  のむべからす百日も其余もいむべし》 ・房事(ばうじ)《割書:是前にもいふ如く病中病後とも|    第一の禁もつ也二百日忌べし》・なるべくは・煙子(たばこ)も忌(いむ)べし  すべて禁忌(きんき)の品(しな)/出揃(でそろひ)までは害(かい)浅(あさ)けれど病後(ひやうご)には却(かへつ)て懼(おそ)る  べし右/禁忌(きんき)の類(るい)必(かならず)用(もち)ゐべからず猶記余(なをきよ)の魚貝(うほかい)とも食(くふ)べからず      ・収靨(かせ)て後(のち)食(しよく)してさはりなき物 ・とうふ・はぜ・いしもちふ・ふな・かれい・さより  食(くふ)てもよし去(さり)ながら余(あま)り重(おも)きは三七日(はいか)も遠慮(ゑんりよ)すべし      ・麻疹(はしいさう)発難(でかね)る時(とき)食(くふ)て能(よき)物 ・鯛(たい)・鱓(うなぎ)・どぜう・いか・するめ・とち・ごま・せり  防風(ぼうふう) じねんじやう《割書:とろゝに| してもよし》 たまご  是等(これら)の食物精気(しよくもつせいき)を増(ま)し発揚(はつやう)するに即功(そくこう)あれば最初(さいしよ)  には用(もちゆ)べしかせての後(のち)は一切(いつせつ)禁(きん)ずべし       同かゆみを留(と)る方  黒豆(くろまめ) 陳皮(ちんび) 大麦(おほむぎ) 甘艸(かんぞう) 生姜(しやうが)  右をせんじ用(もち)ゆべし必(かならず)即功(そくこう)あり       同/熱(ねつ)ありて発(で)かねるには  欸冬根(ふきのね) 松茸(まつたけ)  此(この)二種(ふたくさ)をせんじ服(ふく)すべしまた 右の煎(せん)じ汁(しる)にて最初(さいしよ)身(み)を浴(あら)ふもよし是(こ)は大/同類衆(とうるいしゆ) 方第(ほうだい)七十之巻に載(のし)てあり其神/能用(のうもち)ゐてしるべし    ・麻疹(はしか)預防(よぼう)の神方(しんぽう)《割書:・はしかを| かねてふせぐ方也》 ・諸(もろ〳〵)の禁呪(まじなひ)多(おほ)くは頼(たの)むにたらず茲(こゝ)に古(むかし)より傳(つた)はる神方あり    ・楊皮(やうひ)《割書:かはゆな|   ぎのかわ也》 ・桃葉(もゝのは) 右二/種(いろ)を水(みづ)にて煎(せん)じ浴(ゆあみ)すべし煎ずる事/濃(こ)ければ弥(いよ〳〵)しるし あり又/淡(うす)くして服(ふくす)もよしかくすれば大かた麻疹(はしか)をやまず 若患(もしわづら)ふとも極(きわめ)てかろし      ・三豆湯(さんづとう)の方(ほう) ・赤小豆(あづき)壱合《割書:小つぶにて|  いろのこきを用ゆ》・黒豆(くろまめ)壱合 ・葲豆(いんげん)壱合 甘草(かんぞう)五分 ・但し袋(ふくろ)にいれて煎(せん)ずべし 水(みづ)壱升五合入壱升に煎じ二番は水壱升入て九合に せんじ用(もち)ゆべし 此薬/節々(とき〴〵)用(もち)ゆればすべて流行/病(やまひ)におかさる事なし ■て麻疹(はしか)と疱瘡(はうさう)に用ゆれば必(かならず)軽(かろ)し   養生鏡畢 【背表紙】      江戸 近江屋久次郎板