■■■■■■■■■■■圖【信濃國六郡大地震滿水之圖ヵ】 ■■■■■■■■■■■圖【信濃國六郡大地震滿水之圖ヵ】 【白紙】 弘化四丁未年三月廿四日亥刻大地震 城下町在山里共即時二潰レ所々出火山々抜崩レ 河々数ヶ所留リ中岩倉虚空蔵三崩レ犀川へ 抜落廿日ノ間水留川上湖ノ如ク然ル処四月十三日 申ノ刻一度二抜出シ川下民家流レ共御成不思議ト有ル処 其往古天長四丁未七月ヨリ十月迄震動凡千二十一年二 其後仁和三丁未七月六日ヨリ地震有数日不正   ナル 其時六郡大山崩レ河々暫ク留流土地洗ミ男女 牛馬数多失是九百六十年ナリ文化丁未年二 至ル事世ノ極ノ覚雑然ト当今希成多過如斯次第也 【横上】 摂津国兵庫津細見図 【右上】 福原の荘兵庫の津 西浦道の駅路にて 大坂入船の要津なり 武庫港和田の泊りと いふ諸国の商船こゝ に泊りて風波を うかゝひ諸品交易 す城や海陸都会 の地なり 【右下】 《割書:兵|庫》村上荘七郎工 【左下】 椢堂 /愛(あた) /宕(ご) /山(さん) /畧(りやく) /図(づ) 抑/當山(とうざん)は城州【山城国の別称城州「じょうしゅう」だと思いますがどう見ても城の振り仮名が「すき」に見える】/葛野郡(かどのこふり)の/西北(さひぼく)にして嵯峩一之鳥居(さかいちのとりゐ)より /本社(ほんしや)まで/険路(けんろ)五十町なり/試(こころみ)の/坂(さか)より/清瀧川(きよたきがは)にかゝる/橋(はし)を /渡猿橋(とえんけう)と名づく/樒(しきみ)が/原(はら)は北の/山際(やまぎわ)にして/南星峯(なんせひほう)は/乾(いぬゐ)の/方(かた)の /嶺(みね)をいえり/火燧権現(ひうちごんげん)は十七町目にあり /御本社大権現(ごほんしやだいごんげん)は /本朝最初(ほんてうさひしよ)の/軍神帝都(ぐんじんていと) /守護(しゆご)の/崇廟列国(そうひやうれつこく)■■【仕火に見えますけど振り仮名が…】 ■の/神社(じんしや)■■ /光仁天皇天應(くわにんてんわうてんこう)元年 /慶俊僧(けいしゆんさう)都【読み】 /勅(ちよく)を奉(はふし)て/勧請(くわんぜう)なし たてまつる/所(ところ)なり /山(やま)は/王城(わうじょう)の/乾(いぬゐ)に /聳(そびへ)て/白雲(はくうん)/腰(こし)を めぐり /本殿末社(ほんでんまつしや)は/巽(たつみ)に むかひて/朝日(あさひ)に/對(たい)し /平安(へいあん)の/萬戸(ばんと)を /照覧(しやうらん)し /神威(しんゐ)の /日(ひ)の/本(もと) /大小(だいせう)の/国界(こくかい)【界の異体字だそうです】 に/輝(かゝやき)て /一切(いつさい)の/群類(ぐんるい)を 【左上】 /愛宕山大権現御託宣(あたごさんだひごんげんごたくせん) /衆生常(しゆじやうつね)に/世界(せかい)の/火(ひ)を/穢(けが)く/己一人(おのれいちにん)の /思(おも)いを/莟(ふく)み/天(てん)に/逆(さか)らひ/地(ち)に/背(そむ)くものは /我常(われつね)に/火乱神(くわらんじん)を/遣(つかへ)し/其(その)/不浄(ふじやう)を/焼亡(やきほろぼ)す /上豊(かみゆたか)に/下苦(しもくるし)むときは/殿舎(どんしゃ)に/火雨(ひのあめ)を/降(ふら)して/上(かみ)の /財(ざひ)を/最(さん)じて/苦(くるし)むものに/与(あた)ゆ/我常(われつね)に/王法(わうとふ)を /守(まも)り/國家(こくか)の/安全(あんせん)を護(まも)るが/故(ゆゑ)に/邪見(じやけん)の ものゝ/家(いへ)を/焼亡(やきほろぼ)す/心(こころ)に/満(みつ)るをお■ふ/事(こと)なかれ /天(てん)は/盈(みつる)【最後のルビがなんだか】を/欫(か)きわれは人の/奢(おごり)をかく 【右下】 /因(ちなみ)に/云(いふ)/世(よ)の/人(ひと)/神風(かみかぜ)の■■■の /宮居(みやゐ)を/拝(ぬかん)【読み方】きたてまつり■向【「て」からは殆ど自信がない】■■ かならず當ひの/権現(ごんげん)に/詣(まう)ずる事は その/由縁(ゆゑ)あり /勢廟(いせ)は/日(ひ)の/御神(をんかみ)にして/日(ひ)の/本(もと)也 當山は/火(ひ)の/御神(をんかみ)にして/火(ひ)の/元(もと)也 /日(ひ)と/火(ひ)は/是(これ)/同性同体(どうせうどうたひ) なるより/参宮(さんぐう)の/輩(ともがら) /天照(あまてら)す/日(ひ)の/明(あき)らけき /御恵(をんめぐ)みを/惶(かこ)み/敬(うやま)ひて /我胸(わかむね)の■の/悪(きたな)く/穢(けがれ)たるを すゝくに/帰(かへ)るを當山に /登(のぼ)りて/深(ふか)く/権現(ごんげん)の/加(か) /護(ご)を/祈(いの)り/日(ひ)々【振り仮名が「ごく」に見えますが】/用(もち)ふる火の /冥加(みやうか)を/恐(おそ)れ■みて/少(すこ)しの 火だも/疎(おろそか)にせず/己(おの)がしな /火(ひ)を/清(きよ)めて/永(なが)く/保(たも)ち/守(まも)る べきと■■詣(まう)する■■■ ■るべし 《割書:讃|岐》象頭山祭礼頭入之図 抑金毘羅大権現ハ日本一社の尊社也 れいげんいちしるき事諸人の知るところ なり則むかしよりの定めにて毎年 頭人といふものを二人ツゝ立て前年 十月十二日より火をあらためけがれ をいミしやうじんけつさいこふげん ぢうつゝしミ翌年十月の御神 事をつとむるなり 十月ハ当山第一の会式にて十日 十一日御神事也今日御神こしを ふふり奉る事余の神とかハり 御たまうつしといふ事もなく 神こし堂よりかき出せしまゝ くわんおんどうを三めぐりする 是をぎやうどうめぐりといふ 夫よりくわんおんどうに 神こしをすく神役にあたりし 両頭人とうや僧三宝へき等にて ぜんにすハるの式有てのち 其せんぐをこと〳〵く 堂のゑんよりにハへなげすて はしハ前のハす池へすつるこれ 御神事のおはりなり 此夜ハ一人も登山せすすてはしせし せんぐはしもmなしはしハ 其夜にお召はし 守護神のはこひ給ふはしくらち よりもれい年の通り 御はしはこびも有し事の つげ来るなり往古よりの 御神伝二て毎年かくにことし 真に有かたき御神事なり    祭礼日 八月三十日  口あげ神事 九月 朔日  地鎮の神事 同  八日  瀬川神事 同  九日  ほこたて神事 同  十日  とまり初神事 十月 朔日  小神事 同  六日  さし合神事 同  十日  正神事 同 十一日  同此日御神輿土  猶くハしきハ金比羅山口勝図会二出《割書:近|刻》 爰に遠国の人々大祭礼の節に 参会する事稀也依て其大略を 図し梓に書して普く口の 君子の袖衿に伝ふ  丸亀板元  嶺松堂