【表紙】   寛政十ツちのえ午歳        食見邑  御手本    桜井政吉           二月十六日 【左頁】 小川浦大網に 鯨掛り生捕候由 【右頁】 ニ而御城下表ゟ 見物ニ群り候事如何 様珎敷事ニ御坐候 【左頁】  必々奉待候謹言 来ル廿七日者爰 元例之祭にて 能も御座候間御 朋友方御同道ニ而 自前日御来駕 【内容的には後欠】 先達而遣し申候 塩代爰元払 【右頁】 方之間ニ合候様ニ 御工面被成御 越可被下頼上候  七月日 【左頁】 頓日((ママ))者雨天 続ニて淋敷打 過申候御透ニ御 座候ハゝ御咄ニ御出 被下度奉待候 大暑難凌候へ共 益御機嫌能 右頁 被為成御座候由 恐悦不過之奉 存候      左頁     政吉 祇園会見物ニ 御出演被遊候ハゝ 下拙も御供仕度 奉存候間為御知 奉希候恐々    元旦 歳の始月のはしめ 日のはしめなれハ    三始といひ三ッの始といへり 歳の元ト月の元日継もとなれは 三元(サンゲン )元三(グワンザン)抔となへまた上日年 頭 鶏旦聖節改旦歳旦抔共いふ としの朝月の朝日の朝なれは         三のあしたとハ云ふ也    正月 睦(ム)月( キ)とハ親疎 互に行逢故むつましき月といふ心也 太郎月とは嫡子を太郎といふに寄月之 余は略す         頭と云ふ心也 此間寒故歟御病気 被成御座候由努々不 存御見廻も不申上候御 様躰如何御暮被遊 候哉此節ニ御座候間随分 御養生専一ニ奉存候    永々可申承候   臘月廿一日 節迫何方も御同 前ニ鬧敷候別而其 御地之事奉察候然 者此肴歳末之御祝 儀迄ニ進上仕候猶春 御法事之節者預御 招御馳走千萬忝殊 御経御勧化聴聞 仕難有歓喜仕候無滞御 勤メ被遊御満悦奉察候下拙 不快ニ附以愚札御禮申上 候段高免可被下候恐々 気霽風梳新柳髪 氷消浪洗旧苔鬢 岩そゝく    たるひのうえの   さわらひの     もえいつる春に    成りにけるかな 庭前之美花 三種言進入候粧 色例年ニ者劣申 候若御花瓶ニ被  移候ハゝ可為本望候 其許ニ開候迚見 事之花手折被 下何等之賞翫も 不勝之候扨々度々 御厚情之至御座候      恐惶謹言  為其如斯ニ御座候 夜前者適々預 御尋候処罷出不得 御意残多奉存候 若御用之儀も御座 候ハゝ御報可被仰聞候  徃事渺范   都似夢 旧友零落   半帰泉 判読できません。