【表紙題箋】 《題:江戸名所図会  六》 【資料整理ラベル】 291.36 Sa25 【右丁白紙 蔵書印と書き込みあり】 東京学 芸大 学図書 291.36 Sa25. 【左丁】 本牧(ほんもく)十二天宮(てんくう) 本牧(ほんもく)の塙(はなわ)にあり真言宗(しんこんしう)多聞院(たもんゐん)別當(へつたう)奉祀(ほうし)  す祭神(さいしん)は十二 天神(てんしん)躰(たい)は海上出現(かいしやうしゆつけん)と云(いふ)尤(もつとも)佳景(かけい)の地(ち)なり神(か)  奈川(なかは)の台(たい)より眺望(てうはう)する所(ところ)の絶壁(せつへき)はすなはち此社(このやしろ)の右(みき)の  裏手(うらて) 横濱(よこはま) 辨財天(へんさいてん)社 芒村(のけむら) 姥島(うはうはしま) 此(この)地(ち)よりも 海苔(のり)を産(さん) すといへとも 品川(志中は)に増(まさ) らすと云 本牧槁(ほんもくのはな) 十二天社(しふにてんのやしろ) 本牧(ほんもく) 吾妻権現宮(あつまこんけんくう) 本牧(ほんもく)の地(ち)ハ 神奈川(かなかハ)驛(えき)の 南に續(つヽ)きて 海上に鋭(さし)出(いて)たる 一方の景地(けいち)に いて勝區(しようく)城 探(さく)る人おり〳〵 屋をこふ取(とる)と 見へたり按(あん)ずるに 本牧(ほんほく)の名ハもくハ 昔時(そのかみ)牧馬(ぼくは)の地(ち) たるゆえにこの称(しよう) あるもの乾(か)今ハ 海利(かいり)魚鹽(ぎよえん)の郷(きやう)と なり漁人(ぎょじん)の家多く 常(つね)に魚をとれて東海の 驛路(えきろ)及び東都の 市(いち)にも輸(おく)り 鬻(ひさ)ぐなるべし 新後撰 御製 蜑の すむ 里の しるへや これならん くるれは 見ゆ類 いさり 火蓋 影  奉祀(ほうし)して千歳(せんさい)御神威(こしんゐ)を仰(あふ)き奉(たてまつ)るも鎮まも護(ちんこ)國家(こくか)の盛功(せいこう)末代(まつたい)に及(およ)ほし給うの故(ゆゑ)なるへし《割書:詳(つまひらか)なる事(こと)ハ本所(ほんしよ)吾嬬森(あつまのもり)の|下に出(いつ)るゆゑにこヽに畧(りやく)せり》 《場所:杉山神社(すきやましんしや)》《場所:新町(しんまち)》より八町あまり北(きたきた)の方(かた)《場所:下星川村(しもほしかハむら)》にあり延喜(えんき)式内(しきない)の神社(しんしや)にして霊縦(れいしう)尤(もつとも)掲然(けつせん)たり今(いま)ハ日蓮宗(にちれんしう)法性寺(ほふしやうし)といへるなり兼帯(けんたい)奉祀(ほうし)して釈迦如来(しやかによらい)を本地佛(ほんちふつ)とせり例祭(れいさい)ハ毎年(まいねん)六月十四日に修行(しゆきやう)す 延喜式神名帳日 都築郡一座小  杉山神社 續日本後紀第七日  養和五年二月庚戌武蔵國都築郡枌山神社預之官幣以霊験 同書日  同十五年五月庚辰奉授武蔵國无位杉山明神從五位下  按(あんする)に刋本(かんほん)の續日本後(そくにほんかう)紀に枌山(すきやま)に作(つく)るは誤(あやまり)なり 《場所:帷子里(かたひらのさと)》芝生(しはふ)の南(みなみ)に並(なら)ぶ徃古(いにしへ)ハ宿驛(しゆくえき)の名(な)なりしか今(いま)ハ《場所:程ヶ谷(ほとうやの)》驛(えき)に加(くハ)へられて小地名(しやうちめい)となれり《割書:此(この)所(ところ)を下帷子(しもかたひら)と名(なつ)け岩間(いはま)|神戸(こうと)の南にあるを《場所:上帷子(かみかたひら)》と》 杉山明神社(すきやまみようしん) 延喜式(えんきしき)内(ない)都築(つゝき) 郡(こほり)杉山神社(すきやましんしや)是(これ) なり 【鳥瞰図内】 法性寺 七面 杉山社