頃は嘉永七寅の四月六日午の上こく仙洞御所上の方辺ゟ 出火おりふし辰巳の風にて禁裏御所へ火うつり上の御てゟ 一條様へ此外このへん御公家様方焼近衛様半やけ夫より 町方へ火うつり大宮辺り椹木町まて上立売大みやへ かへりこれよりにしのかた   上方御炎上蛤御門外 よりとび火西は千本通り東則北は今出川かへるまて南 は上立売下へ丁迄翌七日辰のこく漸々火しづまりけるとかや