【横書】 TKGK-00030 書名   絵様集 刊   2冊 所蔵者 東京学芸大学附属図書館 函号   521.5/Ko92 撮影  国際マイクロ写真工業社 令和2年度 国文学研究資料館 【題箋】 《割書:秘|伝》匠家絵様集  乾 【右丁】 東都 官匠 広丹晨父著 《割書:秘|伝》 匠家絵様集  完 《割書:予|》家往年より匠家の書を刻御手数品なり猶漏た るを拾ひ輯めなは人の一助とも成なんと 官匠広丹氏に乞 求め此絵様集を得て梓にえりぬ此書によりて巧をなし なんに▢【はヵ】誠に一道の規矩準縄ならん而已 千鐘房梓【朱印】 【左丁】 絵様集 匠家絵様を稽古せんと思ふも其絵様【上下二ヶ所朱印】 の集めたるなけれは試み書ん心ありて も本なきに患ふ故に見しにまかせ て書しをあつめて一巻となし絵様 集と名つく家〳〵の人は其師家〳〵に 法ありまた片田舎の人の如きはその所 【右丁】 はかりにて京都江戸等をも隙なくて多 く通ふして見されは其家〳〵の割を用 ひ又板引にも大概木割はあり此巻は 絵様の勢ひと風儀とを専に書ものなり と知るへし絵様の小く書たるは其勢ひ しりかたきゆへに大きくかくなり皆類により て大きく書に及はさるは小さきまゝに置也 【左丁】 数年絵様を学ぶ人に授に其一統を得る也 言葉をそへす其機によらさる遅速あるへし 心を用ひて修練せは外に求さるへし此道の 名家大家の法によりて書を臨模せるもの也       鹿皮翁【黒印】 【右丁 文字無し】 【左丁】 絵様集    武陵  匠広丹  選    桃塢  匠伝房             閲校    竹坡  匠守世 【右丁 文字無し】 【左丁】 絵様股(ゑようまた) 【右丁】 唐はふ鬼板 【左丁】 ゑよう股 【右丁】       ゑよう股 板ひちき 【左丁文字なし】 【右丁文字なし】 【左丁】 わかは 【右丁】 此花のわか葉に彫やうははなと花袋と 茎(くき)は中にしのをたてゝほり葉はへりにきめ 彫りいたし候尤しの二ツたつる心なり中は大や けんなり花はしゝ置にもするなり金箔を入 また■【彩の誤記ヵ】色にいたせは見事成るものなり 【左丁】 わかは 【右丁】 わたはな 【左丁文字なし】 【文字なし】 【右丁】 中ツミ 【左丁】 おき紋  花輪(くわりん) 【右丁絵】 【左丁】 持おくり     はふこしり【注】 【注 破風鐺(はふこじり)】 【文字なし】 【右丁】 外定 【左丁】 むくりはふけんきよ   からはふ鬼板 【右丁】 おにいた二 【左丁】 外定 虹梁(こうりやう)下端のゆゑん形 【右丁】 わたはな       外定 【左丁】 【回転後絵の下と左上】 外定形とはかり 見るへからす変す れは品々に用へし 一やうと思ふへからす 外定 【両丁文字なし】 【右丁 右から左】 むかしふう        おにいた 鬼板         右      上よりかくうづ 【左丁】 蟇股一様       外定は       此内に彫り       物をいたす       ためなり 【右丁文字なし】 【左丁】 ゑよう板 【右丁 左一回転】 若葉     眉【横向き】 【左丁】   わかは 用ひ所により 用ひやうにて みな不用(な) すつるは 大匠の機に あら□□のみ いやしき心なる へし 【右丁】 ひしきはな【横向き】 【左丁】 絵様は是に極るに あらす其人の好む所 によりて変化自由なる を巧(たくみ)とすあしきとて 一ツ偏(へん)にすつれば 達る事なしそのあし きと思ふを直せは則 好く恰好すへし 【右丁文字なし】 【左丁】 絵様股 【右丁】       おにいた 板ひじき 【左丁】 わたはな 【右丁】 わたはな 【左丁】 たな 【右丁下部横書き】 壱尺壱寸六分 【左上】 鬼板 【左丁ラベル】 請求記号 521.5    受入番号 Ko92    114774 東京学芸大学附属図書館  東京都小金井市貫井北町4-780  電話(国分寺0423-21)1741(代) 【裏表紙】 【表紙 題箋】 《割書:秘|伝》 匠家絵様集  坤 【資料整理ラベル】 部類 【空白】 部冊 1 2 番号6 521.5 Ko92 【右丁文字なし】 【左丁 けんきよ 【図の中央部】 置紋 【頭部蔵書印】 東京府 尋常師 範学校 蔵書印 【下部蔵書印】 東京学 芸大 学図書 【右丁回転】 何になりとも用ゆへし用ゆるは 見る人の機量なり 【左丁】 【右丁】 七分 【横向き】 柱弐寸五分 【左丁横向き】 絵様端 【右丁】 たはさみ【横向き】【注①】 【図中に】 ホリイ ダシ 【左丁】 外定   むくりはふ【注②】けん魚【注③】 【注① 日本建築で、水平な床と勾配のある木との合する部分のおさまりをよくするために取り付ける板。】 【注② 起破風=屋根の破風の上部が凸曲線をなすもの。】 【注③ 懸魚=屋根の破風板につけ、棟木や桁(けた)の木口を隠す飾り。】 【右丁】 わたはな       はな 【左丁】 わかば三 【右丁】 すかし絵様 【左丁】 手挟 【右丁】 鼻(はな) 【左丁】 拳端(こふしはな)【注】 【注 建築で、中世以降柱貫(はしらぬき)又は頭貫(かしらぬき)と言って柱の上部を横に貫く材などの先端が柱の向こう側(外側)に突き出るようになり、その部分に彫刻などを施したもの。その形によって象鼻(ぞうばな)邈鼻(ばくばな)拳鼻(こぶしばな)などと呼ばれる。ちなみに右丁は象鼻に見えますね。】 【右丁文字なし】 【左丁】 透絵様(すかしゑよう) 【下部横向き部分上から下】 鳶(とび)尾【逆さ書 「と」の字面は「与」】 木尻(こしり) 槫風(はふ) 【右丁】 脇けんきよ   板ひらき 【左丁文字なし】 【両丁文字なし】 【右丁】 若葉(わかば) 【左丁文字なし】 【右丁】 虹梁下端絵様 【左丁】 うのけとふし 【右丁】 こふしはな 【左丁文字なし】 【両丁文字なし】 【両丁文字なし】 【右丁】 【図の中に】 外定 【左丁】 絵様板 【右丁】 虹梁端二 【左丁 文字横向き】 外定 正応二年所画至宝暦丙 子四百六十九年 【右丁】 臂木端(ひぢきはな)二 【左丁】 絵様ひれ 【右丁文字なし】 【左丁 文字横向き】 外定 【右丁文字なし】 【左丁】 根ひじき 【右丁 文字横向き】 ゑよういた 【左丁】 鬼板        此まゆなし ふみはたかりたると 思ふへからす取付て 見れは見らるゝなり 【右丁】 つほ形 【絵の中】 カタウツ トヒウツ ホリエ 【左丁】 墨斗(すみつほ)《割書:◦| 》又準 すみつほの年号 仕手の名ほりやう 【囲み内】 寛文辛丑 工利矩作 【下部絵の中】 ゐのめ 【右丁】 同    長 七寸弐分 此外しのき    巾 壱寸六分 【左丁】 同 【右丁 文字無し】 【左丁】 一絵様の体要の弁へなく猥に書故に絵  様本意をうしなふなり 一文字にも蕭(しゆく)とて筆勢のみならす其  静地を正しくする事なるにわきまへ  なくかくゆへに全き体を失ふ也 一名家大家は家に伝ありて昔今のさかい  なし先常法を知りて或は略し或は 【右丁】  繁く致す事も其好にまかす事有家  の法によれは必定かくましき所もあり  今伝授秘伝といふは多くは理と法との  故を弁へすして理を伝とし法を伝とせ  さるは庸(よう)工の業なり理は人々そなへたれ  は不学してもよし法は伝なからんや匠  家一統の法ありて伝有如し此故を知る 【左丁】  はまた一 級(きう)の伝なり名家大家は伝の本  とする所あり其本を弁るは広大にて尋常  はつしさるへし一統の弁へあれは成就なり  又志あらはその本源をも可尋也 【右丁】  宝暦九年    己卯正月穀旦     江戸日本橋南壱町目    書林   須原屋茂兵衛蔵板【印】 【裏表紙】