【表紙】 【題簽】 《題:《割書:百|鬼》徒然袋  下》 【見返し…手書き】 その催され 頻/窗(サウ)【窗に左ルビ「ソウ■」】 【左丁…以下版刷】 画図百器徒然袋巻之下  ○面霊氣(めんれいき)    ○幣六(へいろく)  ○雲外鏡(うんぐはいきやう)    ○鈴彦姫(すゞひこひめ)  ○古空穂(ふるうつぼ)    ○無垢行騰(むくむかばき)  ○猪口暮露(ちよくぼろん)   ○瀬戸大将(せとだいしやう)  ○五徳猫(ごとくねこ)    ○鳴釜(なりがま)  ○山颪(やまおろし)     ○甌長(かめおさ)  ○寶船(たからふね) 【右丁】   面霊氣(めんれいき) 聖徳(しやうとく)太子の時/秦(はだ)の川/勝(かつ) あまたの假面(めん)を製(せい)せし よしかく生(いけ)るがごとく         なるは川勝の           たくめる假面(めん)にや               あらんと夢心に                    おもひぬ 【匡郭外】下之一 【左丁】  幣六(へいろく) 花のみやこに社(やしろ)さだめす あらふるこゝろまします  神のさわぎ出給ひし   にやと夢心におもひぬ 【右丁】   雲外鏡(うんぐはいきやう) 照魔鏡(しやうまきやう)と言へるは  もろ〳〵の怪(あや)しき物の   形をうつすよしなれは    その影(かげ)のうつれるにやと     おもひしに動(うこき)出るまゝに       此かゞみの妖怪(ようくはい)なりと夢の中におもひぬ 【匡郭外】下之二 【左丁】    鈴彦姫(すゞひこひめ) かくれし神を出し奉んとて 岩戸のまへにて神楽(かぐら)を 奏(さう)し給ひし 天鈿女(あまのうすめ)のいにしへも こひしく夢心に     おもひぬ 【左丁は大英博物館所蔵本(天明四年版?)参照。※立命館ARC画像提供(https://www.dh-jac.net/db1/books/BM-JIB0149./portal/)】 【右丁 文字無し 別本には「古空穂」の文有り】 【左丁】    無垢行騰(むくむかばき) 赤沢(あかさは)山の露ときへし   河津の三郎が行騰にやと         夢心に思ひぬ 【右丁】    猪口暮露(ちよくぼろん) 明皇(めいくはう)あるとき書を 見給ふに御 机(つくへ)の上に 小 童(どう)あらはる明皇 叱(しつ)したまへは臣は是 墨(すみ)の精(せい)なりと奏して きへうせけるよし 此 怪(くはい)もその類かと夢          のうちにおもひぬ 【左丁】     瀬戸大将(せとだいしやう) 槊(ほこ)をよこたへて詩を賦せし  曹孟(そうもう)徳(とく)にからつやきの    からきめ見せし《振り仮名:■鍋|かんなべ》の       寿亭候(じゆていこう)【侯ヵ】にや蜀江(しよくこう)の     にしき手を着(き)たりと       夢のうちにおもひぬ 【「■鍋」は「燗鍋」ヵ】 【右丁】  五徳猫(ごとくねこ) 七とくの舞を ふたつわすれて 五徳(ごとく)の官(くは)者と 言ひしためしも あればこの猫も いかなることをか 忘れけんと夢の 中におもひぬ 【左丁】   鳴釜(なりがま) 白澤避怪図(はくたくひくはいのづに)曰(いはく) 飯甑(はんそう)作(なす)_レ声(こへを)鬼(きを)名(なづく)_二 歛女(れんしよと)_一【注】有(ある)_二此怪(このくはい)_一則(とき) 呼(よべば)_二《振り仮名:鬼-名|きのなを》_一其怪(そのくはい)忽(たちまち) 《振り仮名:自-滅|おのづからめつす》 夢のうちに    おもひぬ 【注 「歛女」は「斂女」の誤】 【右丁】  山颪(やまおろし) 豪猪(がうちよ)といへる 獣(けもの)あり   山おろしと 言ひてそう身の毛   はりのごとし  此 妖怪(ようくわい)も   名とかたちの    似たるゆへに     かく言ふならんと        夢心におもひぬ 【左丁】     甌長(かめおさ)   わざわひは吉事の    ふくするところおと言へば      酌(くめ)ともつきず飲ども       かはらぬめでたきことを      かねて知らする甌長(かめおさ)         にやと夢のうちに             おもひぬ 【右丁文字無し】 【左丁】 みな   め  さめ 【右丁】 波のり 船の おと の よ  き 【左丁】 かな 【右丁】  七十三翁   鳥山石燕豊房画               于興         挍合門人  燕示               石調 天明四《割書:甲| 辰》春 文化二乙丑年求板  彫工井上新七         勢州洞津       書林  長野屋勘吉 【左丁見返しラベル】 特別【朱、丸枠付き】 わ 3 38 【裏表紙】