【紙面右側欄外】 嘉永七寅年十一月四日五ツ半時より半時計【斗】りゆる 本しらべ《割書:同五日七ツ半時|大ゆりは後出す》 《割書:本|し》 大阪大地震の次第《割書:初|編》 《割書:ら|べ》 【上段】 せんば【黒地白抜き文字】座摩宮鳥居并に 石どうろう門くづれ候事 北久太郎町どうふや北入所家 二三げんくづれ候事 塩町さのやばし角高塀 西へくづれ死人けが人三人 南御堂本堂北西手少々 そんじ 本町きつね小路東がは寺 高へいくづれ 御霊宮社内井戸やかた 大くづれ 順けい町丼池角家大そんじ 長ほりさのやばし北ずめ 東竹や裏家七八軒大くづれ 本町丼池近辺地しんにて手 あやまち【失火】有 長堀板やばし北詰東入角大そんじ 川西【黒地に白抜き文字】あはざ戸や町小間物 棚西南角大いがみ 同それより少し西北がわ家 七八軒大くつれ候事 同それより半丁西角やしき 両かは人家廿五軒大くづれ 同それより少し西北東角人家 十軒ばかり大くづれ 願きやう寺たいめん所 大くづれ 同前すじ北入ねり塀大ゆがみ あわざ堀岡崎はし南づめ 半丁東南へ入人家五六軒くづれ 永代浜半丁東土蔵一ヶ所崩れ 両国ばし北づめ壱丁北西南角 角やしき七八軒大くづれ 常安ばし北づめ角大ゆがみ 京町堀羽子板ばし北づめ角凡三間 ばかり崩てあやまちに相成候事 新中ばし北づめ東北角凡九部通 大そんじ犬才はし【犬斉橋】北づめ東へ入蔵立の 家かべおちる又辻より東高へい崩る 同横町塀大そんじ有之 【中段】 堂島 福島【この二行黒地白抜き文字】五百らかん羅漢堂東 手惣くづれ大どころ大そんじ 同門袖かべ惣くつれ 光智院玄関大くづれ 同此近辺宮寺そんじ候事 数しれず しをつばし北づめ東ふろ■や大崩 同南づめ凡長さ十五間土蔵 一ヶ所惣壁をち柱ばかり 同上天神門くづれうら門鳥居大ゆがみ 同中天神はいでん大くづれ 同下天神絵馬堂大くづれ 北野ふどう寺本堂ひしに成崩 梅田ばし南づめ西へ入のべ岡御屋敷 八まん宮絵馬堂大そんじ 又梅田ばし北詰西へ入うら町家二 軒崩る同東へ入高 塀(へい)くだける 此近辺四五軒大そんじ 北しんちみどりばし北づめ西角 にうりや西へ四五けん計【斗】り大そんじ 桜ばし南詰西へ入浜家二三【「け」の脱字ヵ】ん 崩る此近辺少々つゝのくづれ有 西へ辻より西へ入おだれ【注】をちる 【注 軒先の垂木の木口を隠すのに使う横板。屋根の庇の意にも。】 天満【黒地に白抜き文字】天神社内井戸やかた くづれうら門近辺の小家損し 池田町近へん少々そんじ有 此近辺より東天満所々少々づゝ の損じ▲《割書:上|町》のばく【畑地】蝋納屋 十三軒ばかり崩れ蝋と壁 土まぜり大こんさつといふ 本町おはらひすじ近辺所々 少々そんじ有▲天王寺境内 所々ねり塀くづれそんじ有之 けれども外に別条なし 清水ふたい大くづれ損じ あり下寺町大れん寺表の塀 ゆがみそんじ有とのうわさ 此近辺寺々所々少々づゝそんじ有 長町毘沙門大鳥居くづれて候 此近辺長町うらあちこち大 そんじ有之候事 【下段】 玉造こけん茶屋新宅人家凡十軒計【斗】 大そんじ天満ほり川戎近へん大そんじ解船町 西よこぼり少し南家大ゆがみ▲新町東の扇や■■の 四本柱の座敷大くず【ママ】れ其ほか少々つゝそんじは 町中に数しれず并にけが人は少々づゝ御座候へ ども死人なし 【下段の上方】 南辺【黒地に白抜き文字】幸町東うらがは樋より 南へ四五軒そんじ幸栄ばし 西つめ一丁西角家三げん計【斗】 崩る同幸町かまやたゝらば 大くづれ此辺に大そんし有 新川辺より土ばし近辺あち こち損じありなんば新地 みぞの川西裏家四五軒 大そんじ木津市中 あちこちそんじ安にう寺【安養寺】 つりがね堂くづれなんば むら所々大損じ有之 新家右同断住よし 境内石どうろう等凡八部 どふり損じ其外末社少々 づつのそんじ有之今宮右同断 【下段下方】 ほりへ【黒地に白抜き文字】橘通り三丁め凡半丁 はかり大そんじ有此近辺浜 すじ新立の蔵少々そんじ有之 ほり江いなり社おたび地内 神楽所相撲場大そんじ 四ツばし南づめ壱丁西東角 蔵少々そんじ有之 御池通五丁目南東角四 けん計【斗】りくづれ 土佐家敷塀三間ばかり そんじ又あみだ池横門すじ 六丁目東角三軒計【斗】りくづれ 損じ有○寺■うらがは少々 そんじ南安治川九条此 近辺所々少々づゝのそんじ あり草々【「種々」の意ヵ】述がたし 【紙面左側欄外 上部】 五日七ツ半ゆりそれより大ゆりどうし 同夜五ツ時□□□□□大ゆり 【同 下部】 是に洩たる近国近在は委しき後篇に出す            大正元、九、十四 【紙面外部】 嘉永七寅年十一月四日朝五ツ半時 大地震 大坂之部