【表紙】 【資料整理ラベル】 721.8 TAC 《割書:日本近代教育史| 資料》 【右丁】 絵本写宝袋 十 【左丁】 絵本写宝袋九之巻目録下 騶虞(すうぐ)之(の)図(づ)《割書:白虎(びやくこ)なり》  浪(なみ)に海馬(かいば)之(の)図(づ) 鹿(しか)之(の)図(づ)《割書:さをしか|かのしゝ》   麋(おゝしか)之(の)図(づ)《割書:やまむま》 麢羊(かましゝ)之図      柏に麝香(じやかう)之図 楮(こうぞ)に羊(ひつじ)之図    秋葵(とろゝ)に綿羊(むくひつじ)之図 牡牛(おうし)之図      柳(やなぎ)に牝牛(めうし)之図 梅(むめ)に牝牛(めうし)之図   水牛(すいぎう)之図 谷水(たにみづ)に駝(だ)之図   柳(やなぎ)に驢(ろ)之図 【右丁】 柳(やなぎに)驢(ろ)の草画(さうぐわ)  冬荻(ふゆおぎ)に狼(おゝかみ)之図 菊(きく)に狐(きつね)之図   木賊(とくさ)に兔(うさぎ)之図 白鼠(しろねずみ)之図 【左丁】 四神(しじん)の幡(はた)に 画(ゑかく)之 白虎(びやくこ) 騶虞(すうぐ)《割書:尾(お)身(み)より|長(なが)し》 【右丁】 海馬(かいば)《割書:図絵(ヅエ)宗彝(ソウイ)【注】ニ出(イヅル)》 【注 彛は彝の俗字】 【左丁 絵のみ】 【右丁】 鹿(ろく)《割書:かのしゝ|しか|さをしか》 《割書:状(かたち)馬(むまの)身(み)羊(ひつじの)尾(お)頭(かしら)側(ほそなが)して長(なが)く高(たかき)脚(あし)にして環(まがれる)角(つの)あり|大(おゝき)さ小 馬(むま)のごとく黄(きなる)質(かたち)白(しろ)斑(またら)牝(め)は角(つの)なく小にして》 無斑毛(まだらげなし)黄白(きしろ)の毛(け)色(いろ)雑(まじ)る夏(なつ)は背(せな)赤(あか)く毛(け)みぢかく冬(ふゆ)は背(せな)黄色(きいろ) にして毛(け)長(なが)し觜(くちばし)細(ほそ)く口(くち)小にして耳(みゝ)長(なが)く眼中(めのうち)蒼色(あをいろ)青目(あをめ)と云(いふ) 鼻(はな)をふいごと云 首筋(くびすち)をうづらくびと云平 額(ひたい)角(つの)もと角座(つのざ)あり 角(つの)の又(また)を一の草(くさ)かり二の草(くさ)かり あまの草(くさ)かりあめさつちと云(いふ) 名(な)あり背(せな)黒(くろ)き筋(すぢ)尾(お)に至(いた)る 尾(お)のうら白(しろ)く あるひは黒(くろき)文(もん)有(あり) ふくら尾(お)と云 尻(しり)は大に 色(いろ)白(しろ)く 足(あし)ほそく 腹(はら)大きなり 【左丁】 仕立(したて)下(した)黄土(わうとの)具(ぐ)ぬり 合(あわせ)黄土(わうど)にて背(せな)よりくまどり 朱(しゆ)ずみにて文(もん)をよけくま取(とり) 中へごふんを付くまとり 朱(しゆ)ずみにて毛(け)がきをす 目(め)の中(うち)あいのぐぬり あいろのくま ひとみすみ まぶちにくしき 朱(しゆ)のきめくま 腹(はら)ごふんくま ごふん毛(け)がき 鼻(はな)爪(つめ)すみのぐ すみかすり あいろをかくる 角(つの)わうどのぐ ぬり 朱(しゆ)ずみつゝき 先(さき)ごふんくま 【右丁】 麋(おゝしか)《割書:やま|むま》 鹿(しか)に似(に)て 色(いろ)褐青黒(かばあをくろ) 大さ小 牛(うし)の ごとし肉(にく)蹄 目下に二 竅(あな) あり夜目(よるのめ)と云 沢(さわ)を喜(よろこ)ぶ秋(あき)の 比(ころ)角(つの)を以(もつ)て闘(たゝか)ふ 冬(ふゆ)角(つの)を解(おと)す 角(つの)形(かたち)するどに尖(とが)る 此 皮(かわ)を足袋(たび)に 製(せい)す 身(み)に白章なし 【左丁 絵のみ】 【右丁】 麢羊(かましゝ)【注】《割書:此 皮(かわ)を敷物(しきもの)に用 褥(にく)【左ルビ:しとね けぶとん】の皮(かわ)といふ》 形 羊(ひつじ)に似(に)て鬚(ひげ)なく大なる者(もの)は 牛(うし)のごとく臥時(ふすとき)は角(つの)を岩木(いわき)の 枝(えた)にかけて臥(ふ)す 角(つの)羊(ひつじ)の如(ごとく)にして黒(くろ)し 大さ四五寸 毛色(けいろ)蒼白(あをしろ)色 背(せな)黒(くろ)すぢ有 【注 「かましし」は「かもしか」の古名】 【左丁】 麝香(じやかう) 《割書:形(かたち)麞(くじか)に似(に)て小なり色(いろ)赤黒(あかくろ)し㺜犬(むくいぬ)を画(ゑかき)て麝香猫(じやかうねこ)とし霊猫(れいめう)【貓】を|画(ゑかき)て麝香(じやかう)なりとす射(しや)は各別(かくべつ)の者(もの)なり故(かるがゆへ)に図(づ)す》 此 獣(けもの)おのれが臍(へそ)を愛(あい)す猟人(かりうど)にあふ時はみづから其(その)臍(へそ)を爪(つめ)にて かきやぶり死(し)す是 臍(へそ)をおしみてかくさんがため自(みづから)身(み)を 没(ぼつ)すとなり 香気(かうき)陰(いん)にありといふ         好(このん)で柏(かへ)【栢は俗字】を喰(くら)ふ         柏(はく)はかやにあらず         檜木(ひのき)円柏(いふき)側柏(このてかしは)         白檀(ひやくたん)等ノ総名(そうめう)【惣】なり 【右丁】 楮(こうそ)に羊(ひつじ) 《割書:説文(せつぶん)に曰(いわく)羊(ひつじ)の字(じ)頭(かしら)角(つの)足(あし)尾(お)の形(かたち)に象(かたとる)|董子(とうし)が云(いわく)羊(よう)は祥(じやう)也 故(かるがゆへ)に吉礼(きちれい)に用(もちゆ)也》 此 毛皮(けかわ)にて皮衣(かわごろも)を製(せい)す羊(ひつじの)裘(かわころも)といふ色(いろ)白(しろき)あり黒(くろき)有 褐(ちや)色あり        長毛(ながきけ)尺余(しやくよ)なるあり諸羊(しよやう)皆(みな)             目(め)に神(しん)なし眼(まなこ)黄色(きいろ)瞳(ひとみ)黒(くろ)色              横(よこ)に一の字(じ)の形(かたち)をなす              亦(また)黄(き)白(しろ)黒(くろ)雑色(ざつしき)の者(もの)あり               蹄(ひつめ)青黒(あをくろ)色 角(つの)白(しろ)色 青(あを)                      黒(くろ)色                        あり 【左丁】 楮(ちよ)は和名(わみやう)を かうぞといふ   此 木(き)の皮(かわ)を    がんひと云     紙(かみ)を製(せい)        す 【右丁】 綿羊(めんやう)【左ルビ:むくひつじ】 黒色(くろいろ)なる者(もの)を 俗(ぞく)に野牛(やぎう)といふ 黒白 斑(まだら)毛あり 白色(しろいろ)あり 黒(くろ)色あり 角(つの)眼中(めのなか)四蹄(してい)【左ルビ:ひつめ】 青黒(あをくろ)色 此 毛(け)を製(せい)して 毛(もう)せんとす こわき毛(け)は 毛織(けおり)に用(もち)ゆと 【左丁】 秋葵(しうき) 《割書:黄蜀葵(わうしよくき) 紙(かみ)を製(せい)するに用(もち)ゆ|和名(わみやう)とろゝ》 花(はな)しわうのぐぬり本(もと)より薄(うす)わうど くま先(さき)よりごふんくましわうのぐ筋(すぢ)がき まん中(なか)になでしこのごときものをしやうゑんじ にてかく 【囲みの中】 白緑(ひやくろく)草(くさ)の汁(しる) 筋(すち)がき           いづれもしやうゑんじ           くま同すぢがき 黄土(わうど)具(ぐ)先(さき)より ごふんくま 本(もと)よりうすわうと くま ごふんすぢがき 【右丁】 牛(うし) 《割書:周-礼 ̄ニ謂(イフ)_二之(コレ) ̄ヲ|大-牢(ラウ) ̄ト》 特(ことい) 《割書:牡牛(おうし)なり首(かしら)三 角(かく)なり|角(つの)に替(かわ)り有》 史-記 ̄ニ為(ス)_二 四-蹄(テイ) ̄ト_一      仕立(したて)下にわうどぬり合(あわせ)黄土(わうと)総(そう)【惣】 純色 ̄ナルヲ曰 ̄ヒ_レ犧(キ) ̄ト黒(クロキ) ̄ヲ𤚎(イユ)ト云(イフ)  くま朱(しゆ)ずみくま 白(シロキ)ヲ㹊(カク)ト云(イヒ)赤(アカキ)ヲ𤙡(セイ)ト    朱(しゆ)ずみうすゞみふがき 云 ̄ヒ駁(マタラ)ヲ曰(イフ)_レ犂(レイ)[ト]鐶(サ)-眼(メ)-牛(ウシ) つらむねうすゞみくま 黄(アメ)-牛(ウシ) 牡(ヲナル)-者(モノ) ̄ヲ曰(イヒ)_レ牯(コ) ̄ト曰 ̄ヒ_レ特(トク) ̄ト 曰 ̄ヒ_レ犅(カウ) ̄ト曰 ̄フ_レ㹍(テキ) ̄ト 牝(メナル)者 ̄ヲ曰(イヒ)_レ㸺(サ) ̄ト【沙+羊は誤】 曰(イフ)_レ牸(ジ) ̄ト 若牛(わかきうし)は角(つの)長(なが)さ三四寸 光(ひかり)なし歯 色(いろ)黄(き)色なり 老牛は角(つの)に光(ひかり)ありて 歯(は)白(しろ)し諸獣(もろ〳〵のけもの)瞳(ひとみ)棗(なつめ) の形(かたち)也牛は瞳(ひとみ)竪(たて)に 卵(たまご)の形(なり)にて横(よこ)にせず 虎(とら)猫(ねこ)も亦(また)竪(たて)にす 【左丁】 牛(うし)は歯(は)下(した)にありて上(うへ)に なし耳(みゝ)聾(しい)して鼻(はな)を 以(もつ)てきく耳(みゝ)の形(なり)枇杷(びわの) 葉(は)の如(ごと)く馬蹄(ばてい)は円(まとか)に 而(して)牛(うしの)蹄(ひづめ)は坼(さく)なり 馬(むま)起(たつ)ときは前足(まへあし)を先(さき)に し臥(ふす)ときは後足(あとあし)を先(さき) にす陽(やう)に従(したがふ)ゆへなり 牛(うし)は起(おきる)則(とき)は後足(あとあし)を先(さき) にし臥(ふす)ときは前足(まへあし)を先 にす陰(いん)に従(したが)ふ故(ゆへ)なり 雨(あめ)前(まへ)には輪(わ)に臥(ふ)す 牛は出雲国(いづものくに)を最(さい)上と す但馬(たじま)牛は頭(かしら)角(つの)間(あいだ) 𩭈(かづら)毛(げ)なし角(つのゝ)間 広(ひろき)良(よし) 牡牛(おうし)は足(あし)重(おもし)牝牛(めうし)【「あ」は誤】は足(あし)軽(かるし) 【絵の説明】 舌(した)にくしき 【右丁】 柳(やなぎ)に牝牛(ひんぎう)【左ルビ:めうし】 【左丁】 梅(むめ)に牝牛(ひんぎう) 【右丁】 水牛(すいぎう) 色(いろ)白色(しろいろ)青蒼(あをいろ) 鈍頭大腹形 形(かたち)猪(ぶた)の如(ごと)し 角(つの)は大に方偏(ひらめにてかとあり) 文理(きめ)荒(あらく)深(ふかく)して 色(いろ)蒼黒(あをくろ)く 先(さき)白(しろ)し 諸(もろ〳〵の)牛角(ぎうかく)皆(みな)円(まろし)也 水牛(すいきう)は方偏なり 【左丁 絵のみ】 【右丁】 駝(だ) 《割書:状(かたち)馬(むま)の如(ごと)く頭(かしら)竜面(りやうのつら)|のごとく羊(ひつじ)に似(に)たり》 項(くびすぢ)長(なが)く耳(みゝ)垂(たれ)て獒(とうけん)【注】の如(ごと)く 口(くち)大に眼(めの)中 光(ひかり)あり 背(せな)に肉峯(にくほう)有て 鞍(くら)のごとし 形(かたち)毛色(けいろ)蒼褐(あをくろちや) 黄紫(きむらさき)の四品(しひん)あり 爪(つめ)は四 甲(かう)なり 諸獣(しよじう)に異(こと)なり 爪(つめ)に数種(すしゆ)あり 勾(まがる)爪(つめ) 竜(りやう) 猊(しゝ) 虎(とら) 猫(ねこ) 熊(くま) 鷹(たか) 烏(からす)             中 篇(すち)をかく事 面(おもて) 【爪の図四種】      まるきを見せん               ためなり 蹄爪(ひづめ)【図二種】四蹄(してい) 甲爪(かうづめ)【爪の図一種】 【注 字面は「敖」だが意が合わず。「獒」に「猛犬の意があるので下部の「犬」が脱落したものと思われる。】 【左丁】  能(よく)泉源(せんけん)水脈(すいみやく)風候(ふうこう)を知(し)る 凡(およそ)伏流(ふしながれ)て人の《振り仮名:所_レ不_レ知|しらざるところ》 駝足(だあし)を以(もつ)て踏(ふむ)処(ところ) 即(すなはち)《振り仮名:得_レ之|これをう》 【右丁】 驢(ろ)【左ルビ:うさぎむま)】 《割書:長頬(ながきほう)広額(ひろきひたい)》          磔耳修尾夜鳴す 色(いろ)褐(ちや)黒(くろ)白(しろ)の三 色(いろ)あり 【左丁】 同(おなじく)草画(さうくわ) 【右丁】 荻(おき)の穂(ほ)  ごふん仕立(したて)  きら引(ひく) 【左丁】 冬(ふゆ)荻(をぎ)に狼(おゝかみ) 【右丁】 菊(きく)に狐(きつね) 形(かたち)子狗(こいぬ)に 似(に)て 黄赤色(きあかいろ)なり 鼻(はな)尖(とが)り 尾(お)大なり      亦(また)白狐(びやくこ)あり 【左丁 絵のみ】 【右丁】      木賊(とくさ)に兔(うさぎ) 【左丁 絵のみ】 【右丁】 白鼠(はくそ)【左ルビ:しろ ねすみ】 仕立(したて) ごふんくま 生(しやう)ゑんじくま 目(め)同じく 目 赤(あか)し 【左丁】      《割書: |大坂博労町》  作者画工 橘氏宗兵衛 享保五年   子九月吉日    《割書: |大坂心斎橋順慶町柏原屋》  書林  渋川清右衛門 板 【裏表紙】